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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2013年06月03日

取締役会は3箇月に1回開催すればいいんですよね?

簡単な質問に対するまとめシリーズ。

「取締役会は3箇月に1回開催すればいいんですよね?」という微妙な質問があったので、そのまとめ。

業界関係者は読み飛ばして下さい。

「取締役会は3箇月に1回開催すればいいんですよね?」

答えはYES。
正しいといえば、正しいのですが、本当に理解されているか微妙だったので、おさらい。

この「取締役会を3箇月に1回開催しなければいけない。」というのは、会社法363条2項が根拠になっています。

(取締役会設置会社の取締役の権限)
第三百六十三条  次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。
一  代表取締役
二  代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの
2  前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、
自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。

代表取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければなりません。

つまり、取締役会は取締役会でも、本店移転を決議しただけの取締役会や代表取締役を選定しただけの取締役会は、回数に含まれません。
代表取締役(業務執行取締役)による、自己の職務の執行の状況の報告があった取締役会のみカウントされます。

取締役会への報告は、実際に開催した取締役会でなされる必要があり、書面開催による取締役会もカウントされません。(372条2項)

(取締役会への報告の省略)
第三百七十二条  取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が取締役(監査役設置会社にあっては、取締役及び監査役)
の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会へ報告することを要しない。
2  前項の規定は、第三百六十三条第二項の規定による報告については、
適用しない。

書面決議の取締役会や代表取締役からの職務の執行の状況の報告がない取締役会は、
この3箇月に1回にカウントされないことに留意が必要です。極端にいえば、取締役会を毎月開催していても、
363条2項が遵守されないこともありえます。

結局「取締役会は3箇月に1回開催すればいい。」は半分正解・半分不正解です。

2013年05月31日

商法時代の社外取締役と会社法での社外取締役

商法時代の社外取締役と会社法での社外取締役について質問があったので、まとめてみました。

【商法時代の社外取締役の定義】
取締役ガ其ノ会社ノ業務ヲ執行セザル取締役ニシテ過去ニ其ノ会社又ハ子会社ノ業務ヲ執行スル取締役、
執行役又ハ支配人其ノ他ノ使用人トナリタルコトナク且現ニ子会社ノ業務ヲ執行スル取締役若ハ執行役又ハ其ノ会社若ハ子会社ノ支配人其ノ他ノ使用人ニ非ザルモノ

【商法下において社外取締役である旨の登記ができる場合】
株式会社の取締役が社外取締役の要件にあてはまる場合、社外取締役である旨は必ず登記する必要がありました(旧商法188条2項7号ノ2)。

【会社法における社外取締役の定義】
株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、
過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないもの

【会社法下において社外取締役である旨の登記ができる場合】
373条1項の規定による特別取締役による議決の定めがあるとき(911条3項21号ハ)
委員会設置会社であるとき(911条3項22号イ)
427条1項の規定による社外取締役が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるとき(911条3項25号)

【非常勤取締役】
会社法には明確な定義がありません。
税務上解釈として常勤取締役と非常勤取締役を区別しています。
実際には社外取締役の多くが非常勤取締役でありますが、社外取締役イコール非常勤取締役ではありません。

【ご参考】
商法
第188条 
2 左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
 7ノ2 取締役ガ其ノ会社ノ業務ヲ執行セザル取締役ニシテ過去ニ其ノ会社又ハ子会社
(第211条ノ2第1項ノ子会社ヲ謂フ以下此ノ号ニ於テ同ジ)ノ業務ヲ執行スル取締役、
執行役又ハ支配人其ノ他ノ使用人トナリタルコトナク且現ニ子会社ノ業務ヲ執行スル取締役若ハ執行役又ハ其ノ会社若ハ子会社ノ支配人其ノ他ノ使用人ニ非ザルモノ
(以下社外取締役ト称ス)ナルトキハ其ノ旨

会社法
第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、
かつ、過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。

第九百十一条
次に掲げる事項を登記しなければならない。
二十一  第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項
ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
二十二  委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項
イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
二十四  第四百二十七条第一項の規定による社外取締役、会計参与、
社外監査役又は会計監査人が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め
二十五  前号の定款の定めが社外取締役に関するものであるときは、取締役のうち社外取締役であるものについて、
社外取締役である旨

(特別取締役による取締役会の決議)
第三百七十三条  第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。)
が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、取締役会は、
第三百六十二条第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役
(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数
(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数
(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。
一  取締役の数が六人以上であること。
二  取締役のうち一人以上が社外取締役であること。

(委員の選定等)
第四百条  各委員会は、委員三人以上で組織する。
2  各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。
3  各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。

(責任限定契約)
第四百二十七条  第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、社外取締役、会計参与、社外監査役又は会計監査人(以下この条において
「社外取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該社外取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、
定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を社外取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。

2013年05月30日

矢口真里の不倫 そして離婚

昨日のブログって実にタイムリーだったんですね。

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矢口真里、中村昌也が離婚 矢口の
“不倫騒動”から破局(夕刊フジ 5月30日)
 タレントの矢口真里(30)と俳優の中村昌也(27)が30日、離婚したことが分かった。同日、
2人の所属事務所が離婚届を提出したことを明らかにした。(以下略)

矢口さんの話は、昨日で一応完結したつもりでしたが、まさか翌日に離婚届提出ということになるとは、思ってもいませんでした。

今日離婚届を提出したとなると、昨日ブログを書いていた頃、実際に離婚届に判を押していたのかもしれませんね。

中村さんがこれ以上男を下げるようなことはしないとすると、昨日の予想通りになりますけど、どーでしょう。お互いペラペラしゃべれば、
テレビ的には面白いんでしょうけど、あの話はタブーってことになるんじゃないでしょうか。

離婚という結論が思ったより早いので、もしかしたら、矢口さんが大幅に譲歩した内容で、合意した可能性も出てきました。

ま、とりあえず、タイムリーだったとうことで。
では。

2013年05月29日

矢口真里の不倫 その5

法律上のアレコレが多くて、ダラダラと深みにはまってしましましたが、矢口さんもテレビのレギュラー番組を欠席したりしてますので、
彼女も深みにはまっているようです。
真実はどうであれ、対応が難しそう。

矢口さんの話も今日で最後。
さて、現実的な落とし所を考えてみます。

今回の一連の報道が事実ではないとすると、夫婦揃って、ラブラブをアピールし、ただのデマだと説明すれば、「変な噂がたっちゃって、
お騒がせしてごめんなさい。」くらいですむはずです。

しかし、それができないようですので、矢口さんは厳しい状況におかれていると思われます。

不倫が事実だとして、中村さんの立場を考えると、慰謝料もらってそのまま結婚生活を継続というのも考えにくい。

とすると離婚して慰謝料貰ってというのが、普通でしょうけど、婚姻期間が短いですから、金額もとんでもない数字ではない。
いいとこ1000万円。そこまでの金額いかない可能性のほうが大きいでしょう。

彼も芸能人。彼の今後の芸能活動を考えると、間男、慰謝料貰ったというイメージがついて回るよりも、「三行半叩きつけて終わり」
としたほうが、活動の幅も広がりそうですし、好印象。

結局、金銭的解決なしで、離婚届に判を押して終わりになるんじゃないでしょうか。

となると、ダラダラ連載していた法律云々は、意味がなかったという結果になりそうです。
(おわり)

2013年05月27日

矢口真里の不倫 その4

矢口真里さんの話がこんな長くなるのとは思っていませんでしたが、今日もダラダラ書きます。

共同不法行為(今回でいえば、矢口さんと専属モデルUの不倫)において、各共同不法行為者(矢口さんと専属モデルU)
の負う損害賠償債務は、不真正連帯債務であるとされています。

連帯債務は、イメージがわきやすいですけど、不真正連帯債務となると「何じゃそりゃ?」というかんじかもしれません。

連帯債務と不真正連帯債務は絶対効があるかないかの違いなんですけど、民法の勉強をされたことのない方には、説明になりませんね。

普通の連帯債務で、債務者がAさんとBさんだとします。債権者が「Aさんは払わなくていいよ。」とその債務を免除した場合、
Bさんも免除の効果を受けることができます。(但しAさんの負担部分を限度として)これが絶対効です。

これに対して、不真正連帯債務は絶対効がありません。

不倫は、被害者によって怒りの矛先が違いますよね。不倫相手を許さない人、不倫した相手を許さない人。

中村さんがどういう怒りを感じているかはわかりませんが、もし仮に、中村さんが、専属モデルUに「払わなくていいよ。」
としたとしても、不倫の損害賠償債務には絶対効がないので、矢口さんの債務は免除されません。

仮に、一般人と比較すると高額ですが、慰謝料が1000万円だとします。
中村さんが全額救済されればいいので、矢口さんが1000万円支払った場合、専属モデルUには請求できなくなります。2重取りはできません。

当初思っていたより、説明が長くなってしまっているので、そろそろ次回あたりで終わりにします。

テーマがテーマなだけに、深みにはまってしまいました。。。