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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2008年12月25日

やっちまった枠外発行

さて今日は、ユニオンホールディングス株式会社 (東証2部上場)のやっちまったなぁ。のお話。

元々は大したことのない6月の定時総会で行った定款一部変更の議案

http://www.union.jp/ir/080523_1.pdf

 

発行可能株式総数の変更のみの議案

普通なら何てことない議案が会社法第113条第3項に違反していたようです。

(発行可能株式総数)
会社法第百十三条  
3  定款を変更して発行可能株式総数を増加する場合には、変更後の発行可能株式総数は、
当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式の総数の四倍を超えることができない。ただし、株式会社が公開会社でない場合は、
この限りでない。

どうやら発行済株式の総数の4倍ではなく、発行可能株式総数の4倍にしてしまったようです。

しかも登記も終わっていた様子。

法務担当者、役員、(弁護士?)、司法書士、法務局と次々にミス。

全員が発行済株式総数と発行可能株式総数を勘違いしたのか?

司法書士と法務局が公開会社でない中小企業ばかりの登記に慣れてしまったからなのか?

原因はわかりませんが、登記が完了した7月頃には注目されることもないミス。(いつか問題になりますけど。)

 

ところが株主による新株発行差止仮処分で大問題に。。。

http://www.union.jp/ir/081202.pdf

 

そして悲しき更生登記。

http://www.union.jp/ir/081222.pdf

 

こんなんで顧客から連絡あったら、クリスマス気分もぶっ飛びます(笑)。

商法時代に同じミスをやって登記が完了していたケース(公開会社じゃないです。)の登記簿謄本は、見たことありますけど、
公開会社だとキツイですね。

ともあれ、
ラスト1日、頑張りましょう。

 

(さらに…)

2008年12月09日

第三者増資が変わるかも

今日も飲み会、明日は支部長忘年会、あさっては登記実務協議会の忘年会。と飲み会が続きます。

多少ネタ古いですが、第三者増資が変わるかものニュース

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第三者増資、総会決議を義務化 法務省、
会社法改正で検討 (12月7日 日経新聞)
 法務省は、買収防衛などに活用される第三者割当増資により利益が縮小しかねない既存の少数株主の保護に向け、
会社法改正の検討に入った。現行法では事実上、取締役会の判断で新株を発行できるが、株主総会の決議を義務付ける方向。
来年秋にも法制審議会(法相の諮問機関)で始める会社法の次期改正論議で論点の1つとし、2011年の通常国会への改正案提出をめざす。

 

会社法が施行されたのはもう2年半も前。登記実務協議会でも不統一事例が出てこない程、会社法に関する登記実務は安定しています。
(でも会社法色々変わりますね。)

例年であれば、このニュースにある第三者割当を含む増資、株式分割、株主割当、新株予約権の発行、
社債の発行など上場に向けた派手な登記がありますが、これだけ市場環境が悪いと登記も地味。会社法より社会の変化のほうがよほど早い。

都落ち(郊外への本店移転)、店じまい(解散・清算結了)など、今年は後ろ向きな仕事が多かった気がします。

登記も世相を反映しますね。新聞を読んでいても、バブル崩壊の後の新聞を読んでいるのかと錯覚しますので、
地味な登記が多いのも仕方ないのかもしれません。

地味な登記も仕事は仕事なんですけど、どーも気合が足りません。

というところで気合入れてきます。

 

2008年12月01日

一般社団法人及び一般財団法人 本日スタート

予想通り、「裁判員の封筒来てました」的なブログをアップした人達が結構いたようですね。

さて今日から師走。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律が本日施行されました。本日初日ではありますが、設立された財団があったようです。

 


「キヤノングローバル戦略研究所」および「キヤノン財団」の設立について
(キヤノン株式会社HP)

それぞれ設立は平成20年12月1日、基本財産は10億円のようです。

 

一般財団法人キヤノングローバル戦略研究所
http://www.canon-igs.org/
定款
http://www.canon-igs.org/article/index.html

 

一般財団法人キヤノン財団
http://www.canon-foundation.jp/
定款
http://www.canon-foundation.jp/introduction/contract.html

全10章44条からなる定款です。実務の参考としてご一読下さい。

 

P.S.

どーでもいいですけど、キャノンはキャノン株式会社ではなくてキヤノン株式会社って知ってました?

 

2008年11月28日

社外取締役「義務化」

時間がないので、軽く1ネタ。

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社外取締役「義務化」
も検討 監視機能の強化へ政府方針(2008年11月28日朝日新聞)

 上場企業の取締役会や監査役会の監視機能が強化されることになりそうだ。
(中略)
 具体的には、社外取締役の導入義務がない「監査役会設置会社」(東証上場企業の約95%)に対し、
一定数の社外取締役の導入を原則として義務付ける方向で検討する。

投資家目線での要望と経済界からの要請、調整に手間取りそうではありますが、
東証の基準の変更あるいは会社法自体の改正もあるかもしれません。

欧州型を模倣するのはいいとしても、実際に社外取締役として機能する人材の確保に相当苦労されるような気もします。
社外取締役として増員であぶれる?弁護士のいい就職先になるやもしれません。

 

2008年10月31日

特ダネ記事の出来上がり! その2

数日前にアップした会社代表者性善説で紹介したニュースの続報が入ってます。

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辞任登記、会社法に違反-変更期間守らず
【山本商事】  (2008.10.28 奈良新聞)

 
 上場企業会社の幹部社員である実兄(59)=御所市戸毛=本人に無断で、取締役や監査役に就任させ、
辞任させるなどして刑法の公正証書原本不実記載の疑いのある山本商事会社=同市古瀬、山本健二社長(57)=グループ八社だが、今度は、
その辞任登記そのものが2週間以内に登記することを義務づけられた会社法に違反していることが27日、分かった。
議事録の作成および捺印、辞任日の作為が指摘されており、法令を無視したずさんな実態が明らかになった。
実兄の妻はグループ会社の監査役にとどまっている。(以下省略)

 

これを読まれた一般の方の感想はどうでしょうか?めちゃめちゃ山本商事の印象が悪くないですか?

 

「本人に無断で、取締役や監査役に就任させ、辞任させるなどして」

→  確かにこれは悪い。悪すぎる。報道されても仕方ないでしょう。前回の報道はここまで。

 


「その辞任登記そのものが2週間以内に登記することを義務づけられた会社法に違反していることが27日、分かった。」

→  確かに会社法に違反してます。違反すると100万円以下の過料。

やっぱり悪そうですか?

 

以前特ダネ記事の出来上がり!
というネタをアップしましたが、これもそれに近いもの。

上場会社やその関連会社、これから上場を目指そうとしている会社、しっかりとした司法書士や会計事務所と付き合っている会社以外は、
「2週間以内に登記してない」なんてザラ。

極々普通の会社の登記簿謄本でも見てみれば、この手の記事なんてあっという間に完成してしまいます。

マスコミの報道も色々、その報道をどう判断するか個人の判断も色々、でも無闇に妄信してしまうことのないようにしたいもんです。

P.S.
今日はこれから港支部の「実務よろず相談会」 行ってきま〜す!