2006年11月16日
決算公告1度もなし
近未来通信、見せぬ経営実態…決算公告1度もなし 投資家から資金を募ってIP電話事業を行う「近未来通信」(東京都中央区)が、旧商法(現会社法) (2006年11月14日 読売新聞より引用) |
こんなニュースご覧になるとどう思われますか?
「むむむむ。悪そうな会社だな。」「法律違反してる悪い会社だな。」という印象を持たれる方が多いと思います。
ニュースにある会社法とは第440条のことです。
第440条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、
定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
これは旧商法でも同じでした。条文だけ見ると「株式会社は決算公告が義務付けられている」のがお分かりになると思います。会社法では、
「株式会社は」となっていますので、昔の有限会社、今の「特例有限会社」は含まれません。
ちなみに、公告はほとんどの中小企業は、この会社に限らず、「官報に掲載する」としている企業がほとんどです。
(ちなみに掲載費用は6〜9万円程度です。)
じゃあこの会社のように、決算公告しないとどうなるでしょう?
会社法976条2項 百万円以下の過料に処する。
となります。
6〜9万円の掲載費用をケチって、100万円の過料じゃたまりませんよね。
と、ここまで読まれると、「報道された会社は、やっぱり悪そうな会社」という確証になったのではないでしょうか。
「ちょっと待って、うちの会社もやってないよ。」という中小企業の方は、
この記事を読むとドキドキされるんじゃないでしょうか?
総務庁「事業所・企業統計調査」によれば、中小企業の会社数は約150.8万社、全会社数に占める割合は99.2%です。
さてここで問題。
最新の中小企業庁の「会計処理・
財務情報開示に関する中小企業経営者の意識アンケート」によると、決算公告を行っていると答えた方は、全体の何%でしょう?
A 0.4%
B 4.4%
C 44.4%
D 94.4%
法令順守はどれほどか?正解は→B