2006年07月18日
電子公証制度とは?
予告にあった
「始めての電子定款作成」の話をする前に、今日はそもそも「電子公証制度とは?」について。なんで電子定款を作成しなければならないのか、
前提知識としてご一読下さい。ちょっと説明口調で退屈な文書かもしれませんが、そこは勘弁!
株式会社を設立する場合には、
公証人に定款の認証をしてもらわなければならないというのはご存知だと思いますが、公証人の仕事には、この
「会社設立の際に必要となる定款を認証する」の他に、私署証書の認証を行ったり、文書に確定日付を付与する業務などがあります。
パソコンなどの普及に伴い、
このような従来からある紙の文書に対して行われている公証業務を、電子文書(電磁的記録)にも行うことができるように創設されたのが
「公証制度に基礎を置く電子公証制度」です。
従来からある定款の認証では、定款を紙(A4またはB4サイズ)
に印刷したものを3部(会社保存用・登記申請用・公証人役場保管用)準備していました。そして公証人は、
この紙の文書に認証文をつけていました。(もちろん現在でもこの方法によることができます。)
電子公証制度では、定款を電子文書で作成します。具体的には、
紙の文書に署名または記名押印するように、電子文書に発起人または代理人がデジタル署名したものをFD(フロッピー・ディスク)に格納し、
公証人がこの電子文書を認証します。
電子公証制度を利用する最大のメリットは、
定款の認証に際して紙の場合に要する4万円の収入印紙が不要だということです。これから起業しようとしている方には、
設立費用が4万円節約できるのですから利用しない手はありません。こんな制度があるのであれば、
わざわざ紙ベースの定款を作成する人なんていないんじゃないかと思われるでしょう。
しかし電子公証には2つのハードルがあります。1つ目のハードルは、
全国全ての公証人役場で利用できないことにあります。公証人のうちで電子公証制度に対応できるのは、
法務大臣によって特に指定された指定公証人のみです。地域によっては、現時点でそもそもこの指定公証人がいない場合があります。
ちなみに関東は山梨県に、関西では奈良県に指定公証人がおりません。。。
長くなってしまったので、つづく。(今日のつづきを読むには動画があります。)