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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2006年02月14日

電子公告制度とは

 


電子公告調査機関の調査書という名のPDFファイル入りのCDを添付して申請したものが無事登記完了したので、
今日はその前提となる『電子公告』について。(↑ちょっとマニアックすぎるので、一般の方は、この部分はわからなくていいです
(笑)。)

 


『電子公告』。聞きなれない言葉かもしれませんが、
平成17年2月に施行された商法改正でスタートした新しい制度です。さらにその数年前からスタートした
『貸借対照表に係る情報の提供を受けるために必要な事項』で商業登記簿謄本に「http:〜〜〜〜〜」
と記載されたものをご覧になった方もいると思いますが、それとは別の制度です。

 


このサイトの読者のどれだけの方が、
商業登記簿謄本をご覧になったことがあるのでしょうか?「官報により行う」なんてフレーズを見たことありますかね?
会社の株主への通知や債権者への合併等を知らせる方法を公告と商法では呼んでますが、まさに、その方法(「公告する方法」)のことです。
通常の中小企業は、ほぼ間違いなく「官報」を採用していますが、上場企業では「日本経済新聞」などの媒体が利用されてきました。

 


インターネットの普及に伴い、
「別に官報や新聞じゃなくてもネットに載せればいいじゃん。」の発想でスタートしたものが電子公告です。
日本経済新聞などに掲載すると掲載料金が50〜数百万円までかかっていましたから、徐々に(当然に)ではありますが、
この電子公告を採用する企業が増えてきました。この制度を利用するためには、定款変更しなければなりませんから、今年の定時総会あたりで、
この採用の流れはさらに加速しそうです。

 


日本経済新聞などの掲載料金と比べ、自前のネットに載せれば終わりですから、
当然安上がりです。本来はタダ同然の電子公告ですが、まるっきり無料という訳でもありません。どこにお金がかかるのかについては、明日。
 

 

(さらに…)

2006年02月07日

会社法の法務省令公布

 


【法務省令公布】

 


平成18年2月7日、
「会社法施行規則」、「会社計算規則」及び「電子公告規則」が公布されました。

 


1月中に出るとされていた会社法の法務省令ですが、
ようやく今日公布されました。内情はわかりませんが、予定が延びたところを見ると、色々あったのでしょうね。当初は、「会社法施行規則」、
「株主総会等に関する法務省令」、「株式会社の業務の適正を確保する体制に関する法務省令」、「株式会社の計算に関する法務省令」、
「株式会社の監査に関する法務省令」、「株式会社の特別清算に関する法務省令」、「持分会社に関する法務省令」、
「組織再編行為に関する法務省令」、「電子公告に関する法務省令」という案でしたが、結局は
会社法施行規則」、「会社計算規則」及び
電子公告規則」の3本に統合されました。

 


「あれ、(当初の案より)少ない?」と思って、慌てて法務省に電話したみたら、
「3本に統合されています。」とあっさりとしたお返事されてしまいました。よく確認すれば良かったんでしょうけどね(笑)。
微妙に内容が変わっていますので、これから地味にチェックします(泣)。

 

 


PDFファイルですが、ご興味ある方はご確認下さい。

 


会社法施行規則
(省令の条文は法務省のHP)

 


会社計算規則
(省令の条文は法務省のHP)

 


電子公告規則
(省令の条文は法務省のHP)

 

 

とりあえず号外です。
 

2006年02月03日

ライブドアの役員変更


昨日のからみで、もう少しだけ、ライブドアの取締役について。(あまり商法がお詳しくない方のため、
ちょっとだけ取締役の選任と代表取締役の選任について解説します。基本中の基本ですが、取締役は株主総会で選任されます。
そして代表取締役は、その選任された取締役による取締役会で選ばれます。)

 


少し前までライブドアの取締役は下記の構成でした。
(第10期定時株主総会招集ご通知による)例の事件の前に昨年の12月25日に新高輪プリンスホテルで開催されたものです。
ニュースご覧になった方もいると思いますが、ホリエモンが泣いた時のものです。

 


そこで7名の取締役が選任されました。

 


代表取締役 堀江貴文


取締役 宮内亮治


取締役 山崎徳之


取締役 岡本文人


取締役 熊谷史人


取締役 羽田寛


取締役 山田良明

 


そんな中、平成18年1月23日堀江、宮内、岡本取締役が逮捕されました。しかし事件発覚後、
フジテレビ常務取締役でもある山田良明氏はすぐ辞任しました。結局取締役は山田氏を除く6名になった訳です。

 


後任の代表取締役を選任するには、取締役会を開催しなければなりませんが、
取締役会が有効に成立するためには、過半数の取締役の出席が必要となります。6名中3名逮捕されてますから、
この段階では取締役会は開催できません。急いで後任を選ばないといけない緊急時ですが、株主総会を開催して取締役を増やして、
有効に取締役会を開催することもできません。

 


翌日1月24日取締役だった宮内亮治容疑者が辞任しました。
これでライブドアの取締役は5名。堀江容疑者と岡本容疑者が欠席しても、残りの3人の取締役の出席で過半数を超えますから、
取締役会が開催され、後任として熊谷史人氏が代表取締役に選ばれました。定足数ギリギリです(笑)。

 


そして翌1月25日、
堀江、岡本取締役から辞任届
が出ました。この日なら余裕で取締役会は開催できたんですけどね。。。

 


今までの関与していた司法書士は、今回の役員変更登記はしないと思いますが、
どこの司法書士に声がかかったんでしょうね?この件、これだけ詳細をブログに書けている私は、「守秘義務がない=関与していない」
ということです(笑)。

 

2006年02月02日

証券取引法違反と取締役欠格 解説

 


大安疲れ。午後の決済が終わって、やる気が失せたままこの時間です(笑)。
月末ある週はシンドイですね。。。

 


さて、気を取り直して、昨日の部分を整理しますね。


<会社法施行日前の段階で、証券取引法違反を犯し、
取締役を辞任した場合> つまり今回のケースでは、現行の商法が適用されます。

 

 


そしてもしホリエモンが


◆禁錮以上の刑に処せられた場合


商法第254条の2第4号により、刑が終了しなければ取締役になれません。
逆に「お勤めご苦労様です。」(そして、さっと、煙草を差し出されるみたいな(笑)。)となれば、即取締役に就任可能です。

 


整備法第94条第2項は、
会社法施行日前に証券取引法等会社法で新たに加えられた法律の罪に処せられても(例えば、証券取引違反で罰金刑に処せられたようなケース)、
会社法施行日に取締役として在任する場合は、そのまま取締役の資格を失いません。辞任していなければ、理屈の上では、
そのまま取締役でいられたことになります。

 


◆罰金の場合


商法第254条の2第4号により、取締役になれます。

 


◆執行猶予がついた場合


商法第254条の2第4号により、取締役になれます。

 

 


結局のところ、悪さした奴を簡単に復活させないという2年の期間も、
会社法施行後でなければ影響が出ない訳です。ある意味今回の事件はタイミング的にラッキーということです。
(どういう結果になるかわかりませんが。)でも例え2年間の制限があったとしても、陰で支配できるのは変わらないですね。
しかしながら連日の報道で次々に明るみに出てきた事実がありますから、このまま行くと、陰での支配も難しいかもしれません。

 


そういった報道の中、
今回のライブドア事件も関与先のコンサルティングファームが実名で報道されるようになっちゃいましたね。
そのコンサルティングファームのHPも数日前までアクセスできていましたが、さっき見ると閉鎖されていました。
早めにリンク貼ってご紹介しておけば良かったですね。色々実名で出てましたよ(笑)。うちの事務所は、六本木ヒルズの近くですから、
ひょっとしたらライブドアに関与していたかもしれません。無関係で良かった良かった(笑)。

 


姉歯元建築士じゃないですけど、士業の責任は重く、失うものも大きいですね。
せっかく勉強勉強の毎日を送って手に入れた資格も、一発で失ってしまいます。今回の事件で失われるもの、得られるもの色々ありますね。
 

 

2006年02月01日

ホリエモンと取締役の欠格事由


昨日散々「法令順守」だの「皆さんは交通ルールを守ってますか?」
だの偉そうにブログに書きましたが、ブログを書き終え、事務所を出て唖然。駐禁くらってしまいました(泣)。うちの事務所は1階の路面店。
事務所出たら目の前は道路です。「ほんのちょっとだから大丈夫。」という甘い考えは、西田憲正社長と同じ。人にとやかく言う前に、
自分の襟を正すべきですね。参った、参った(笑)。

 

 


さて、連載ものが溜まっておりますが、今日は、1月27日のつづき。
ホリエモンと取締役の欠格事由のお話。

 


現行の商法と新会社法での取締役の欠格事由については
「証券取引法違反と取締役の欠格事由」
でご紹介したとおりです。緩和された部分(破産)
と規制が強化された部分(証券取引法違反等)がありますよ。までが前回のお話。証券取引法違反容疑のホリエモン、
取締役になれない条件に該当しそうですが、本当のところはどうなんでしょうか?実は会社法の施行まであと数ヶ月。
この微妙なタイミングに左右されます。この微妙な時期のため、整備法なるものが用意されています。

 

 


整備法第94条(取締役等の資格等に関する経過措置)

 


会社法第331条第1項(同法第335条第1項、
第402条第4項及び第478条第6項において準用する場合を含む。)
の規定の適用については、
旧商法の規定(この款の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧商法の規定を含む。)に違反し、刑に処せられた者は、
会社法の規定に違反し、刑に処せられたものとみなす。

 

 


2 会社法第331条第1項第3号
(同法第335条第1項及び第478条第6項において準用する場合を含む。)
の規定は、
この法律の施行の際現に旧株式会社の取締役、監査役
又は清算人である者が施行日前に犯した同号に規定する証券取引法、
民事再生法、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律、
会社更生法又は破産法の罪により刑に処せられた場合におけるその者の第66条第1項前段の規定により存続する株式会社の取締役、

監査役又は清算人としての継続する在任については、適用しない。

 

 


ちょっと分かりにくいので、明日もう少し解説します。
一般の方に少しでも興味を持ってもらおうと思ってますが、退屈ですか?