前回こんな記事を書きました。。。
新株予約権の行使の際の、資本金計上の2分の1の根拠として添付する株主総会議事録には、株主リストは、少なくとも東京管内では不要が確定したようです。地方は、そもそも新株予約権の行使の登記の件数が少ないと思いますので、過信すると危険なので、お気を付け下さい。
http://www.esg-hp.com/index.html
金子先生の2017.01.16(月)のブログ【株主リストの続報】で、なおかつ私が舌足らずで、困惑されているようなので、新株予約権の一部行使または新株予約権の全部行使につき整理しますので、ご一読下さい。ただ私も人間なので、金子先生の「原田先生が間違うわけがありません。」は勘弁してもらいたいと思います(笑)。
まず新株予約権の一部行使または新株予約権の全部行使という登記があるのは、金子先生のご指摘通り、公開会社が中心です。となると、「株主総会議事録?」となります。
1.公開会社の場合
株式報酬型ストックオプション事案
会社法316条が関係します。
(取締役の報酬等)
第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額
二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法
三 報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容
議案ぶりとしては、こんな感じでしょうか?
第○号議案 取締役及び監査役に対するストックオプションとしての新株予約権に関する報酬等の額及び具体的な内容決定の件
発行決議とは別に決議します。もちろん資本金計上の2分の1の根拠として添付する株主総会議事録とは異なりますので、そもそも添付不要です。
2.非公開会社の場合
公開準備会社とか特殊な場合でないと、そもそも新株予約権が行使される場合が少ないので、例は少ないですが、発行決議は株主総会となりますので、資本金計上の2分の1の根拠として添付する株主総会議事録を添付することになります。
しかし、今回は単純に資本金計上の2分の1の根拠として添付するだけなので、登記すべき事項につき,株主総会の決議(種類株主総会の決議)等を要する場合に該当せず、添付不要となります。(少なくとも東京管内の場合はです。地方だと添付書類が株主総会議事録だと必ず株主リストがセットと思われている管轄があるようなので、ご注意下さいという意味で書きました。)
金子先生の書かれている「登記すべき事項(資本金の額の増加)につき決議した株主総会議事録であることに変わりがないが、新株予約権の発行の登記の際に株主リストを添付したから、発行後の行使の際はその都度添付する必要はないという解釈しか思いつきません。」とは、別の部分で決着したということです。
蛇足ですが、株主総会の委任に基づき取締役会が募集事項を決定した場合は、この委任をした株主総会議事録も添付書類となりますが、この場合も同様の理屈で添付不要と考えます。
今日は疲れてブログを書いたので、誤りがあればお叱り下さい。