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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2005年02月24日

ライブドアVSフジテレビ

商法が来年大改正されますが、当初予定されていた部分の他に、敵対的買収への防衛策が新設される事になりそうです。最近どのニュースを見ていても、ライブドアVSフジテレビの日本放送株をめぐる買収合戦の話ばかり、絶妙のタイミングです。

一般の方もかなり興味を持ってこのニュースをご覧になっていると思います。今後の展開にも興味津々といったところでしょうか。連日の報道で、いろいろな商法の解説がされているので、一般の方にはいいお勉強になっているようです。あまりにもいろいろな商法上の用語が出てきますので、ひとつひとつ解説すれば、日誌のネタには事欠きません。1ヶ月ぐらいの長期連載になってしまいます(笑)。

商法に詳しい方からすれば、今回の新株予約権の付与という手法もありえる話だと思われていたと思いますし、ライブドア側が準備していたであろう裏技も想像できると思います。どちらの企業にどんなアドバイスができるかじっくり考えてみたいような気がしますが、でも実際にどちらかの企業に司法書士として今回の買収合戦に関与させられるとなると、大騒ぎになっているだけにちょっと苦しい気もします。さらに不動産登記法の改正直前で、これらの件に相当の時間を取られている司法書士の事を考えると、お気の毒としか言えません(笑)。

2005年02月10日

ダスキン株主代表訴訟

風邪が流行っているようで、お客様の中にも数日寝こんだという方がけっこういらっしゃいます。皆さんも本当に気をつけて下さい。私も本調子でないので、この連休でなんとか復活したいと思います。しかし本調子ではないと言いながら、昨日はしっかりサッカーを見ていました。最後まで諦めない良い見本を見せてもらいました。

見本と言えば、典型的な株主代表訴訟の見本のような判決が出ました。ダスキンの株主代表訴訟です。元専務らに106億円の支払いを命じる内容です。地裁の判決ですので、今後どうなるかはわかりませんが、高額です。この106億円、会社に払えと言っているのでなく、元専務ら個人に払えって内容ですのでお間違えのないように。

こんな判決がでますから、コンプライアンス、コンプライアンスというのも理解できます。サラリーマンの成功者として取締役に就任しても、こんなリスクをサラリーマン人生の最後に負わされたんじゃたまりません。そのリスク回避のため、一応数年前に商法の改正で責任免除の規定が置かれましたが、今回はそれに該当しません。最終的な勝者となるためには、最後までコツコツ諦めずに努力するしかないようです。

同社の元専務はもう肉まんも見たくないでしょうが、今日は暖かい安全な肉まんでも食べて元気になろうと思います(笑)。

2004年12月09日

会社法要綱案が決定

とうとう会社法要綱案が決定しましたね。以前参加させてもらったセミナーで、法制審議会会社法部会長の江頭先生がご説明頂いた内容とほぼ同じようです。(微妙に違う点が気になりますが。)

数年」から少しずつ改正改正された商法ですけど、今度のやつは、現代化された会社法になる総仕上げです。来年国会に提出され、2006年には施行予定です。来年は登記法改正、翌年は会社法と我々を取り巻く法律が次々と変容していきます。時代の流れとは言え、よく変わるもんです。改正部分があまりにも多いため、(いや改正が多いというより、もはや昔の商法の原型がなくなってしまいました。資本充実の原則はどこに消えたのか?(笑))一度にはご紹介しきれません。おいおい時間を見つけてご説明していきます。普段聞きなれない日本版LLCとか会計参与とかの用語を説明するだけで、数日分の日誌のネタになりそうです(笑)。

短いですけど、高校時代の友達が上京してきているので、今日はこのへんで。

2004年12月02日

未成年者と取締役

今日は、未成年者に関する話。

未成年者は、株式会社の取締役になれるでしょうか?答えはYESです。商法では禁止されていません。(商法254ノ2)商法の知識としては、この他の取締役の欠格事由(被成年後見人、被保佐人、破産宣告を受け復権していないもの等)を覚えておけばそれでいいのです(この部分も今度の商法改正で内容が変わるようです(泣)。)が、実際仕事で、「うちの子(未成年)を取締役にさせたいんですけど。」と相談されると色々考えてしまいます。

ちなみに、未成年者も取締役になれるからと言っても、小学生でもいいかというと、実務的にはNOです。意思能力がないと、未成年者は取締役になれません。一応18歳になっていれば、意思能力ありと考えられているようです。ですから18歳ぐらいであれば、親権者の同意書があれば、ちゃんと登記できます。

飛び級制度のある海外(最近は日本でもあるようですが)では、小学生ぐらいでも、大学を卒業してるすごい子供もいます。そこまでの天才じゃなくても、ちょっと仕事ができる18歳なら取締役になってもいいような気もします。が、取締役は責任が重いんです。未成年のことを考えると、この責任は可哀想です。こんな取締役としての責任や未成年の取締役としての報酬の問題(税務上の)などを考えると、「うちの子(未成年)を取締役にさせたいんですけど。」との相談に、「ううう〜〜ん。」と腕組みしてしまいます。

2004年10月26日

新株発行の効力発生日が変わりました。

昨日につづき、今日も改正商法の話。(一般の方は読み飛ばして下さい。)今月の1日より、新株発行の効力発生日(新株引受人が株主になる時期)が「払込期日の翌日」から「払込期日」に変更になりました。(商280ノ9条)
皆さん(司法書士・受験生です。もちろん(笑)。)そうだと思いますが、私も受験生時代「払込期日の翌日。払込期日の翌日。」と呪文のように唱えていましたが、この部分が改正されました。

今までの旧法下では、現実に金銭の支払いをしても、株主になるのはその翌日でした。旧法下では、金銭を支払っても株式の取得は同時ではありませんから、新株引受人にはリスクがあった訳です。ちょっと難しい言葉ですが、DVP(Delivery Versus Payment)決済という用語があります。DVP決済とは金銭の支払いと株式の引渡しを同時に行う決済方法のことで、この決済方法であれば、一方のみにあったリスクがなくなることになります。このために新株発行の効力発生日が現実に払込まれた払込期日に改正されたのです。一般の方には、むしろこちらのほうが馴染みやすいのではないでしょうかね。

受験生にとってビックリなこの改正ですが、受験生より当然司法書士の現場のほうが影響があります。この改正を知った時、「10月1日以降、全国の法務局でこの改正を知らずに、登記申請して失敗する先生は多いだろうなあ。」と思っていましたが、やっぱりというか、身近にも失敗した話がありました(笑)。これからの新株発行には気を付けて下さい。