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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2005年10月07日

だれでも取れる住民票

結局行く暇もなく愛知万博は終わってしまいましたが、マスコットだった『モリゾー』『キッコロ』の特別住民票交付サービスが愛知県瀬戸市役所で始まったそうです。自分の名前を入れられるこのサービスは、当然誰でも交付してもらえます。こんなほのぼのしたニュースと対極ではありますが、「戸籍法改正の要綱案をを法制審議会に諮問」というニュースがありました。
モリゾー&キッコロの住民票と違って、戸籍謄本は原則非公開となるようです。個人情報が保護される時代ですから、当然といえば、当然の改正です。今、我々司法書士は、職務上請求書なるものを使用すれば、他人の戸籍謄本を取得する事ができます。相続登記のお仕事では、戸籍を集める作業は欠かせませんから、この職務上請求書は重宝します。誰の戸籍謄本も取得できる便利な職務上請求書ではありますが、不正使用が問題となっています。
弁護士でも問題になっていましたが、司法書士でも大問題です。不正使用が発覚すると、弁護士も司法書士も、業務停止処分などになってしまいます。これだけの厳しい処分があるにもかかわらず、不正使用が発覚するのは残念でなりません。
今後ますます貴重になっていく個人情報、士業のプライドにかけても守っていかねばなりません。(←完璧優等生発言です(笑)。でも本音。)

2005年06月23日

不仲の兄弟 その2

「なるほどね。」戸籍を見てようやく揉める理由がわかりました。兄弟二人の生年月日が同じだったんです。つまりは、双子。幼い頃から兄弟喧嘩しないように、着る服も一緒、食べるものも一緒、買ってもらうオモチャも一緒。ところが二人が住んでいた実家だけは仲良く半分に出来なかったのでしょう。なんとなく次男の「納得すべきだろうけど、納得できない」気持ちが分かったような気がしました。

双子の場合、今は早く産まれた方が兄となっていますが、昔は逆だった時代もあるようです。そもそも「どっちが本当の長男なの?」という区別は案外いいかげんなものなのかもしれません。

身の回りには、双子って結構いますよね。学校だと、だいたい1学年に1組ぐらいはいましたよね。現代では珍しくない双子ですが、日本史の中では、あまり登場してこないです。戦国武将で双子なんて皆無です。どうやら、家督相続で揉める前に悲しい手段が選択されていたようです。普通の双子も揉めるくらいですから、大名の跡取となると。。。それを考えると揉めるだけ、今はいい時代なのかもしれません。

2005年06月22日

不仲の兄弟

支部長の仕事は手を抜けば楽だし、頑張れば苦しいという意味が少しずつ分かってきた今日この頃です。雑務で午前中つぶれてしまいました。

さて、今日は久しぶりに相続のお話。相続が発生し、法定相続分ではない割合で相続財産を分けることを遺産分割といいます。最近は法定相続の割合で分割することが多いような気がしますが、田舎では本家の土地建物は長男が取得するという分配の仕方もまだまだ多いようです。先祖代々の土地を売って、その代金を相続人で分け合う方法はこんな時代でも抵抗があるのでしょうね。

不公平な分け方なのかもしれませんが、「先祖代々の土地だし。」とか「長男だから.」とか「ここで裁判みたいなことをしたくないし。」など様々な理由で不公平だけど、お互いの納得する内容の分配に落ち着くことの方が多いようです。

もちろん中には「これじゃ納得できる訳がない。」となる場合もあります。先日兄弟2人なのに散々揉めているケースに遭遇しました。次男が一歩も譲らないのです。昔は一緒にカブト虫とか採りに行った兄弟なのでしょうが、こうも兄弟仲が悪くなるのか、ちょっと不思議でした。そんな時、戸籍を見ていて、次男の譲らない理由が分かりました。

つづく。

2005年02月15日

楽勝ムード

今日中に申請、今日中に内容を確認、今日中に資料作成等などの「時間に追われる仕事」が多い司法書士の業務の中で、「相続登記」という仕事は独特のものがあります。

相続登記にはお亡くなりになった方の生まれたときからお亡くなりになるまでの戸籍が必要です。生まれたときからの戸籍が必要になるのは、もちろん相続人を確定するためです。(この戸籍集めの作業をしていると、相続人が知らない「隠し子」が見つかったりする事があります。)この戸籍集めは、1日中やらなければならない仕事ではありません。ある市役所に戸籍の請求をしては、次の市役所に請求するという繰り返しの作業です。郵送でやり取りしますから、ある役所に請求したら、その返事が来るまでは作業は一旦お休みです。

戸籍を集めきるまで、通常2〜3週間かかりますので、時間に追われて苦しい思いをする事もありません。ゆったり構えられる仕事なので、割りと好きな業務です。それに相続人間に争いがなかったり、法定相続とおりの内容だと安心して仕事ができるというメリットもあります。

先日この好きな業務の典型である法定相続(実際は相続人は一人)という案件がありました。相続人は一人ですから、ややこしい話にもなりません。「楽勝、楽勝。」とすっかり油断していました。詳しく話を聞くとその唯一の相続人は「認知症の老人」でした。返事もできない状態だそうです。当然その老人から登記申請の委任を受けれる訳がありません。せっかくの楽勝ムードも吹っ飛び、苦労する業務に突入してしまいました(笑)。

2005年01月13日

同時死亡の推定

この業務日誌をお読みの方であれば、誰が相続になるかという基本はもうお分かりだと思いますので、今日はちょっと特殊な例を考えてみます。

例 (家族構成 夫A、妻B、子供C。夫には母Dがいます。)
飛行機事故で同乗していた夫Aと子供Cが亡くなられた場合を考えてみましょう。

「ケース1」もしAがCより先に死亡すると、
原則通りAの相続人は妻Bと子供Cです。その後Cが死亡してしまうと、Cの相続人はBだけとなります。つまり全ての財産は妻であるBのものになります。

「ケース2」もしCがAより先に死亡すると、
これもまた原則通りです。Cの相続人は当然両親であるAとBです。その後Aが死亡したので、Aの相続人はBとD。Bが3分の2、Dが3分の1を取得します。めぼしい財産がAの不動産だけとなると嫁と姑の共有という結果になります。

たった1秒でもどちらかが早く死亡したことが判明している場合は、上記の結果になります。しかし飛行機事故などどちらが先に死亡したか不明な場合も起こり得ます。このような場合はどうなるのでしょうか?民法には同時死亡の推定(32条ノ2)というものがあり、どちらが先に死亡したか不明の場合は、同時死亡者相互で相続は発生しません。今の例では、皆さん「Cは幼い子供」をイメージしていたかもしれませんが、Cがかなりの資産家だとイメージしてもう一度考えてみて下さい。どちらが先か同時かで相当結果が変わってきます。