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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2005年07月21日

悪質リフォーム

地味にバタバタしています。夢真と日本技開の話は長くなりそうなので、今後の展開を見ながらご案内したいと思います。

今日は日経の社会面『悪質リフォーム 認知症や高齢者標的』のお話。最近話題によく出ている悪質リフォームですが、国民生活センターによると悪質リフォーム関係のトラブルに関する認知症や高齢者が契約当事者である相談件数がこの9年で8倍になったそうです。オレオレ詐欺のニュースが落ち着いてきたと思ったら、今度は認知症や高齢者狙いの悪質リフォーム。世の中には悪い人がまだまだいるようです。もう既にかなりの社会問題になりつつあります。

ライブドア騒動で企業防衛に対する世間の関心が高まり、法改正など議論する機会が提供されたのはご存知のとおりです。ライブドアのケースと同じように、今回の悪質リフォームで認知症や高齢者が標的にされているという点が大きく取り上げられれば取り上げられるほど、これらの社会的弱者である認知症や高齢者の保護のための成年後見制度に注目が集まります。

成年後見制度は広く利用されるべき制度であると思っていますが、残念な事にまだまだ社会的に認知されていません。今回問題となっている悪質リフォームも成年後見制度を利用されていれば、当然被害は少なかったと思われます。被害に遭われた方には気の毒ですが、世間の目が成年後見制度に向けられるいいきっかけになったような気がします。活発な議論により、より良い方向へ制度が導かれれば良いのですが。

2005年07月15日

あれから1年

この時期クーラーをつけたまま寝てしまうのが悪いのか、年度末からの疲労の蓄積か、夏風邪をこじらせてしまいました。そのせいで日誌も2日飛ばしてしまいました。(精神的にも疲労しているから(笑)?)ご心配かけました。

去年もこの時期風邪を引いたなあ、と過去の日誌を見てみると、確かに引いていました。後見人をやっていた鈴木さん(仮名)がお亡くなりになった頃です。(ご参考までにその日の日誌。テンション低くなるので興味のある方のみご覧下さい。)早いもので、あれから1年たちました。鈴木さんにとって私のこの1年は満足いくものであったでしょうか?この1年で司法書士として、どれだけ成長したかは定かではありませんが、色々あったような気がします。

「これから支部長会です。風邪気味ですけど、行ってきます。」という報告に、「後見人は体が大事。」と鈴木さんからまたお叱りを受けてしまいそうです。この3連休で完全復活しようと思います!

2005年02月08日

認知症

まだ本調子ではありませんが、インフルエンザではないようです。流行っているみたいですから、気をつけて下さい。

体調不良という事もあり、今朝はタクシーで事務所に向かいました。タクシーに乗り、「新一の橋を右に。」と行き先を説明しました。新一の橋までは1本道なので、それ以上の説明もいらないはずです。ところがタクシーは中々発進しません。「???」しばらくするとゆっくり走り始めました。すると突然、そのタクシーは信号もなにもない所で急にUターンしました。前方から来た車と接触しそうです。「何事!!!」ビックリした私はそこでタクシーの運転手をまじまじと観察しました。個人タクシーではありますが、運転手はすごい高齢です。私が、懸命に「新一の橋。」と叫んでいるのも聞こえないようです。

もしかしてこの運転手、呆けてるかも。いや、運転手ではなくて、もともとこの人は呆け老人、何らかの事情で勝手にこのタクシーを運転しているのかも。運転手の顔写真は確かに、この老人です。でもこれまでの様子や、ふらつく運転、急停止など危なっかしくてどうしようもありません。「止めて、止めて。」やっと私の声が聞こえたのかタクシーは中途半端な場所に停車しました。「ここで降ります。」これ以上の恐怖には耐えられません。お釣りも諦めて、次のタクシーを拾いました。あまりの恐怖に運転手の名前など確認する暇はありませんでした。

初期の痴呆の高齢者が起こす交通事故(高速道路の逆行など)が年々増加しているようです。皆さんも十分気を付けてください。

今回「呆け」「痴呆」という用語を使用しましたが、誤解や偏見があるとの理由で、厚生労働省では「痴呆症」の代わりに「認知症」という用語を用いるようです。今は聞きなれない「認知症」という用語ですが、「痴呆症」のことです。ご参考までに。

2005年01月18日

高齢者虐待防止法案

今日のネタは東京新聞から。『市町村に救済義務、高齢者虐待防止法案、通常国会提出へ』とありました。一般の方は幼児虐待という言葉は知っていても、高齢者虐待という言葉には馴染みがないかもしれません。文字通り、高齢者を虐待することです。嫌な言葉ですね。言葉としては新しいかもしれませんが、昔からあったのかもしれません。シモの世話をしない、年金を勝手に使う等ありそうな話です。

超高齢化社会ですから、高齢者虐待も多くなっても不思議ではありません。また、昔と違って介護保険制度以降、第三者であるホームヘルパーさんが高齢者宅を訪れる機会が増えてきました。実際、成年後見の説明に高齢者のところに行くと、ホームヘルパーさんが同席されることが珍しくありません。こんな第三者の目が、以前まで闇の中だった高齢者虐待を見つけてしまうのでしょう。

こんな高齢者の保護のための高齢者虐待防止法案のようです。司法書士と直接関係がありそうな部分として、成年後見によるサポートが考えられます。虐待の情報を得た市町村は、判断能力のない高齢者保護のために成年後見の申立て等の措置が義務付けられるようです。虐待が行われている訳ですから、身内が後見人にはならない可能性は高いでしょう。我々が後見人に就任して高齢者を保護して行くことになりそうです。法案が通れば、成年後見の需要はより大きくなりますが、必ずしも裕福な高齢者ばかりではありません。我々も商売でやっていますから、厳しい事案も出てきそうです。金銭的に何らかの対応があるといいと思います。でも報酬面だけではなく、精神的に参ってしまいそうな悲しい事案には出会いたくないもんです。(最近、優等生発言が多いような気がします(笑)。)

2004年12月21日

任意後見契約における情報量の差

今日はちょっと思った情報量の差についてです。無料法律相談を始めとして色々な場面で任意後見について説明することがあります。身寄りがいなかったり、いたとしても遠方に住んでいたりしているような人って結構いるもんです。そんな人が自分の老後を心配するのは、当然のことです。「自分がボケてしまったら、どうしよう?」そんな不安を解消するのが、任意後見です。自分の判断力がしっかりしている段階で、ボケてしまったりした場合の対策や死後の事務(葬儀の手配、埋葬など)を決めてしまう訳です。

自分の判断力がしっかりしていると言っても、老後の心配をするのは、ほとんど高齢になってからです。本来は「様々な場面において、任意後見契約等を締結するとどうなるか?」を慎重に吟味してから契約すべきでしょう。また、契約上の疑問点があれば、事前に良く相談すべきです。しかし、ほとんどの一般の方は成年後見の事情に詳しくありません。高齢者にとって、大量の契約書を前にすると、契約の条項を1行1行確認していく作業は、かなりつらいものになります。

任意後見契約は一般人と司法書士などの法律でメシを食ってる専門家との間で結ばれます。当たり前ですが、一般人と司法書士とでは今から契約する内容についての理解力、成年後見分野の知識力には、圧倒的な情報量の差があります。その差を埋めるために、何度も司法書士と面談を繰り返すのでしょうけど、正直、高齢者だと厳しい気がします。

まだ若いうちに老後や死後の事を考える人は少ないかもしれませんが、圧倒的な情報の差を少しでも埋めるには、「まだまだ働ける。」と思っているくらいがちょうどいいのかもしれません。高齢者に大量の内容を根気良く説明しながら、そんな事を考えたりしていました。