2003年10月09日
また権利証がない
最近どうも権利証がないっていう案件が多くて困ってます。司法書士が犯罪に巻き込まれるのもそのほとんどが保証書(権利証の代用)案件ですし、司法書士が損害賠償を求められる事件も保証書事件です。
開業したての頃は権利証がないだけで、相当ビビッてましたが、今も結構腰が引けてます。印鑑証明書の偽造や印鑑の偽造、あげくに運転免許証の偽造までかなりレベルが上がってますので、権利証がないと相当慎重にならないといけません。中には権利証の偽造もあります。(聞いた話ですが、30年前の古い和紙なども手に入るそうです。)
今日初めて来た不動産業者も権利証がない案件でした。外見がヤバイ人ではなかったので、とりあえず話は聞いてみる事にしました。
ま、権利証を紛失するってのはあっても不思議じゃないです。親族間の売買もある話です。
でもおかしいなあと思う点がいくつかありました。
まず、不動産業者には免許番号があり(例(1)12345号)かっこの中の数が多いほど登録が長い業者になります。この業者は相当古いはずなのに、どうして知ってる司法書士を使わないんだろう??聞いてみると返事が曖昧でした。
次に権利証。複数回にわたって不動産の持分を取得してましたから、権利証も複数あります。1番古いものだけないならともかく、全部ないとの事。さらに怪しい感じがしてきました。
さらに売主の住所が遠方で、私が本人の意思を確認できないようです。確認はできますか?と尋ねると、「事前に複数の委任状は預ってますから大丈夫です。」との事。でもそれじゃ全然大丈夫じゃないです(笑)。
本人の意思確認ができないと困りますと伝えると、「やっぱり、気味が悪いですか。」と言うとお帰りになりました。実際は心配し過ぎなのかもしれませんが、この腰が引けたスタンスは変えないでおこうと思います。