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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2003年09月11日

100年後に更正登記

不動産登記の世界で登記できる権利というと所有権・抵当権・根抵当権・質権・賃借権などがあります。これらの割とメジャーな権利に比べると地上権・地役権・先取特権・永小作権・採石権などはマイナーな部類です。(逆にいうと今あげた権利以外は登記できません。入会権など)今日マイナーな部類の登記の調査をしました。(マイナーという言葉で勉強不足を誤魔化しているような気もしますが(笑)。)
不動産登記法という法律は昭和35年に大改正されました。改正」の不動産登記法は業界50年を超えている」いた事務所のT大先生とかでないと知らないと思います。(ここからちょっと業界トーク。一般向けに説明しません、一般の方が知っても何の得もありませんので(笑)。)普通乙区の権利が移転する場合は付記登記で入りますけど、今調査している物件の乙区は主登記で移転してます。ものすごい違和感があったので調べてみたところ、当時は(昭和35年以前)は主登記で移転してたそうです。乙区1番で明治37年に設定され明治41年に乙区2番に移転しています。その後3・4・5・6・7・8番に移転し昭和39年にやっと8番付記1号で移転しています。昭和35年改正後は確かに付記で移転してるなあと感心しました。
ところが平成11年に乙区2番付記1号で変更登記が入ってます。内容は「共同登記変更物件」。改正後に生まれた私にはなんのことやら??というかんじです。
法務局で確認したところ明治41年の登記に遺漏があったので平成11年に登記官が職権で更正したそうです。ほぼ100年後に更正登記入れられていると私なんかにはさっぱりわかりません。
私にはすごいマイナーな事ですけど、地方の先生には常識なんでしょうか??
しかしながら100年ぶりってすごいですね。こんなの知ってる先生いたら是非掲示板に書きこみして下さい

2003年09月10日

特別代理人  その2

昨日またしてもせこくつづくにしてしまいました。でも書くネタが決まってるとかなり楽です。
昨日に続いて、特別代理人の選任のお話。
家庭裁判所には特別代理人を選任する場合の書式をFAXしてくれるサービスがあります。ところが昨日FAXサービスの調子が悪く書式が取れません。
私「FAXの調子悪くて取れません。。。FAXサービスで対応できないようなので、なんとかうちの事務所にFAXを入れて下さい。」
担当者「そのような場合でもFAXをお送りするのはできません。」
わざわざ裁判所に行くのも面倒なので、
私「そこをなんとかとお願いします。」
担当者「無理です。」
しょうがないから裁判所行ってくるか。と思ったところ、最後になって、
担当者「FAXじゃなくてインターネット上でも書式ダウンロードできますよ。」
私「。。。(絶句)。」
頼むから最初に言ってくれ〜〜。ネットで拾えんのか。とがっくり。
さらに担当者「アクロバット・リーダーというものを事前にダウンロードしないとご利用になれません。」とご丁寧に教えてくれました。どうやらFAXサービスごときで格闘しているので、インターネットも初心者に思われたみたいです。アクロバット・リーダーぐらい持ってます(笑)。
P.S.
先月「なにわ金融道」の映画ロケの話をしましたが、先日作者の青木先生がお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。

2003年09月09日

特別代理人

苦労してお家のローンを払ってる方いっぱいいらっしゃると思います。結婚して、子供ができて、マイ・ホームを手に入れる。素晴らしいです。反面35年なんかでローンを組んでしまって、ローンの完済は70歳なんて方もいると思います。(私も家のローンに苦しめられている一人です。)
でもこの世の中(資本主義社会)やっぱり公平にはできていないらしく、未成年なのにすごい不動産などの資産を持っている子もいます。うらやましい限りです。
このような子供の不動産登記は、色々特別な手続が必要になります。不動産の売主になると印鑑証明書が必要になりますが、だいたい15歳にならないと実印の登録もできません。
どうするかというと親権者(父母)である法定代理人の印鑑証明書を使用します。
ここで新たな問題が生じる場合があります。
【登記一口メモ】
利益相反です。例えば父が死亡し、相続人間で遺産分割協議を行う場合に、相続人が配偶者とその子供(未成年)だと、配偶者である子供の母はその子供と利害が対立します。このケースで母が子供の親権者として遺産分割をするのは公平ではありませんよね。
またこんな例もあります。親がお金を借りて子供の不動産に抵当権を設定する。思いっきり子供に不利益ですから、親は代理できません。じゃあどうするの?家庭裁判所に特別代理人の選任することを請求します。そこで選任された特別代理人がその子供を代理します。
ちょっとつづく。

2003年08月07日

四十肩

突然左肩が痛み始めました。まさかこれが噂に聞く『肩関節周囲炎−いわゆる四十肩』なんですか?最近運動不足なので腕立て伏せでもやらないと、とやり始めたところでした。明日にでも痛みが引くといいんですけど、40歳に近づいている自分を実感させられました。
話は変わって登記のお話。最近登記の話が少ないですけど、久しぶりに。登記申請は決まりきった書式通りの申請ばかりではありません。商法改正になった直後など、当然雛型がありません。不動産でも特殊な案件ですと処理に困ることがあります。こんな場合は所轄の法務局に相談に行きます。今日もちょっと変化した案件があり、相談に行きました。無事解決したのですが、その後法務局の担当者から電話がありました。まさか相談結果が覆ったのかと一瞬不安になりましたが、「先程の件、こちらの手違いで既に対応が済んでおります。申請の参考にお使い下さい。」とご丁寧に資料をFAXして頂きました。ここまで親切にしてもらっていいのかなあと思いつつ、ありがたく頂戴しました。毎回こちらの都合のいいような結果が出ればいいのですが、厳しい登記内容の時に限って厳しい結論を出されたりします。(泣きそうになりますけど(笑)。)ちなみに今日の相談は相続人がいない不動産の取り扱いでした。詳細はまた機会があったらご紹介します。
P.S.
今日はまた支部の役員会です。最近連日の飲み会で、アルコール漬けになりそうです(笑)。

2003年07月02日

「不動産登記ネットでOK」

今日も日本経済新聞の一面より。毎日ネタが日経の一面にあると楽ですね。記事の見出しは「不動産登記ネットでOK」という軽い感じのものでしたが、業界的には大問題です。何が大問題かと言うと不動産登記申請がすべてオンラインに変更されるということです。現在不動産の売買があると、権利証・印鑑証明書・原因証書(売買契約書等)・住民票・委任状などを登記の申請書に添付して法務局に提出することで登記簿の内容が変更される仕組みになっています。オンライン申請になると、権利証がなくなり、登記識別記号(パスワード)に、委任状のハンコの代りは電子認証を付した委任データに変更されたものをネット経由で法務省に提出することになります。今でも権利証を紛失しましたなんて話は、たまにありますが、パスワードになると忘れちゃいましたという人が続出しような気がします。大規模な停電・サーバーのダウン・データの流出など問題点は数え上げたらキリがありません。司法書士事務所によってはまだネット環境にない所もまだまだありますし、一体どうなっちゃうんでしょうか??思ったよりも早めに導入されそうですが、安定稼動するまで業界内は不安でいっぱいといったところでしょうね。
今後は「パスワードを書いた紙を金庫に保管」なんてアナログなことになりそうです。
アナログな人が多いこの業界、とっても大変そうです。前職(ロイター時代)とは全く無関係な業界だったはずですが、ネットワークの知識が重宝しそうです。
P.S.
私の師匠のT先生の日課でもある「毛筆による権利証の宛名書き」が無くなるのかと思うとちょっと寂しい気がします(笑)。