ちょっと前のニュースですが、司法書士会館がもてあそばれたニュースから。
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不明男性、名義貸しか 板橋の血痕『振り込め』トラブルの疑い
(2007年6月9日 東京新聞より)
東京都板橋区のマンション二階の一室などで血痕が見つかり、
遺体が運び出されたとされる事件で、居住者の男性(29)は振り込め詐欺グループの名義貸し人である疑いが強いことが九日、
警視庁捜査一課の調べで分かった。
(中略)男性名義の架空会社をつくり、
所在地を転々としていた振り込め詐欺グループが、板橋区に新拠点を設ける中でトラブルが生じたとみて捜査している。
男性が代表取締役の会社は昨年十月から今年五月までに、
新宿区の司法書士会館の一室など都内五カ所に計七社が登記された。(中略)
警察庁が把握する振り込め詐欺グループの入金先の住所と一致した。
一般の方の感覚では、「司法書士会館ってこの手の犯罪者に賃貸するの?」と思われるかもしれませんが、実際にそんなことはありません。
不思議かもしれませんが、会社の本店所在地は、実際にその場所になくても、
あるいはその所在地にあるビルとの賃貸借契約がなくても登記可能です。
零細企業なのに「東京都千代田区大手町一丁目1番1号」や赤レンガのある「千代田区霞が関一丁目1番1号」
などありえない場所で登記できてしまいます。これは会社設立時や本店移転の際に、実際にその場所にある証明書を提出しなくても済むからです。
ですから借りれるはずのない「東京都新宿区本塩町9番地3 司法書士会館○階」といった場所に本店を置くと登記できてしまいます。
いくら架空でも可能とはいえ、「東京都港区東麻布五丁目1番1号」は登記できないかもしれません。さすがに港出張所(東麻布にある)
の登記官は「東麻布には5丁目は無い。」と知っていると思いますから。見過ごされるとそもそも地図上にない場所でも登記できてしまいます。
「じゃあ、何でもありじゃん。」と思われるかもしれませんが、不実の登記なら「電磁的公正証書原本不実記録罪(刑法第157条第1項)
」などには該当します。
そもそも振り込み詐欺をやらかす輩は、「電磁的公正証書原本不実記録罪なんて気にしない。どこでも登記しちゃえ。」
なんていう感覚かもしれませんが、架空住所がわざわざ司法書士会館。最悪の場合、この新会社設立に司法書士が関与しているかもしれません。
あるいは司法書士に敵意をもっている誰かが関与したのか(笑)。
明日ちょっとつづき書きます。