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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2004年08月06日

法廷デビューの道 その19

昨日は失礼しました。なぜにこの時期忙しいのか、訳もわからず働いています。お客様の中にはそろそろ夏季休暇を取られる方も出てきました。私は、来週13日(金)のみお休みを取ろうかと思っています。(無理か??)
つづきです。
前回は自白が成立したところでした。
刑事ドラマで良くある「すいやせん、だんな。あっしがやりました。」も自白ですが、民事上の自白とは異なります。
民事上、口頭弁論において、当事者の一方が主張するその相手方に不利益な事実を相手方が認めた場合の当該事実は、裁判所はもはや証拠により認定ができなくなります。つまり「原告の言うここの部分はその通りです。」と言ってしまうと「ここの部分」については自白が成立し、裁判所はもう証拠がどうだとか証人がどうとかやれなくなるのです。相手が認めてる訳ですから、そこは裁判所は調べないのです。
今回のように全面的に「原告の言う通りです。」と被告が認めてしまうと、それで原告の勝ちになります。しかしながら諸事情があり、勝訴判決より、和解を選ぼうとの打ち合わせもありましたので、裁判官の「代理人、和解受けてもらえますか?」の質問に「はい。」と静かに返事しました。
自白が成立してしまったので、私がいっぱい準備した証拠を調べてもらうこともありません。(ちょっと寂しい(笑)。)

2004年08月04日

法廷デビューの道 その18

去年の3月にはずみで始めたこの業務日誌もA4のワードファイル(フォント10.5)で200枚を突破しました。はずみで始めた割には、終わるタイミングを見失っています(笑)。懲りずにお付き合い下さい。
『法廷デビューの道』も長々やっていますが、やっと法廷の中に入りました。それでは、昨日のつづき。
傍聴席と法廷の間に小さな扉が2個あります。それぞれ原告と被告用です。当然原告の左の扉から中に入りました。ラウンドテーブル方式なので、中央に大きな丸テーブルがあるだけです。テーブルにどんな配置で座るかというと、『裁判官』から時計回りに『書記官』『被告(及び代理人、今回はいません。)』『原告及び代理人』『司法委員』の順に座ります。みんなが着席していよいよスタートです。
裁判官が訴状・答弁書をペラペラめくります。裁判が開始して30秒ぐらいでしょうか、裁判官が被告に「請求原因事実を全て認めますか?」と唐突に質問しました。被告は「はい。」との返事。
その瞬間私は、たーさんを突ついて「勝ったよ。」と囁きました。たーさんは、何が何だかわからないようです。
裁判官は答弁書の中で我々の主張に反論していない被告に念を押して、「請求原因事実を全て認めますか?(原告があーいう主張してるけど、そのとおりなんだね?」と質問してる訳です。これに「はい。(原告の言う通りです。反論ありません。)」と返事してますから、原告の主張が全部通ってしまう訳です。民事訴訟法でいう『自白』の成立です。

2004年08月03日

法廷デビューの道 その17

昨日は失礼しました。昨日まで、ゆったりとした8月モードだの、暇だったのでi-mode用のHPを作成しましただのとのんびりできたのも束の間、あっという間に忙しくなってしいまいました。精神的に楽な時期は、このまま真夏の夜の夢となってしまうんでしょうか(泣)。
先週末のつづきです。法廷の傍聴席にて。
私「爆笑だね。慣れてないの丸だしだよね。」
たーさん「でもこれ業務日誌のネタになるでしょ(笑)。」
私「そーだね。1日分は稼げたね(笑)。」
日誌のネタのためなら、このくらいのハプニングは大歓迎です(笑)。
私「でも普通の裁判なら出頭するのは本人か代理人だから、あーゆう書き方になるんだね。」これからやる少額訴訟では、1日で審理が終わるため、代理人がついても、極力本人を連れて来てと言われてます。今回も研修で説明されたように、原告と同行です。原告側が原告本人と代理人になりますから、出頭カードの狭い欄に2名分名前を書かなければなりません。
予定の時間が近づいてきました。司法委員はもう来ています。書記官が時計に目をやり、部屋を出て行きました。どうやら裁判官を呼びに行ったようです。
しばらくすると書記官と裁判官が入ってきました。
書記官はこちらに目をやると
書記官「こちらにどうぞ。」と手招きしました。
前回の司法書士法の改正がなければ、踏み入ることのできない法廷に入っていきます。もちろん研修中も見るだけの法廷です。たーさんに声をかけて傍聴席の柵の向こう側に入っていきました。いよいよです。

2004年07月30日

法廷デビューの道 その16

今日も時間があったので、QRコードを作成したりしてました。(←暇??)作ったはいいけど、うちの事務所に『携帯でピッと!』できる端末を持っている人がいないので、動作確認が取れません。情けないので、週末でも新しい携帯を買いに行こうかと思ってます。
つづきです。
私「じゃあさ、そこの出頭カードに記入してよ。」研修で習ったので、知ったかぶりで説明しました。裁判のために、法廷に来た人は出頭カードに名前を記入することになっています。
たーさん「どこに書けばいいの?」
見ると被告の欄には、既にたーさんが挨拶した取締役の名前が書かれていました。
私「原告のところに名前書けばいいのよ。」
たーさん「了解。ん?代理人は名前書かなくていいの?」
私「どーなんだろ??書かなくていいんじゃない?俺やっぱ素人丸だしだね(笑)。問題あったら、書記官に何か言われるから(笑)。」
出頭カードを良く見ると「原告又は代理人の氏名」「被告又は代理人の氏名」と書かれています。研修で出頭カードのことは習いましたが、わざわざ書き方まで教えてもらってません。原告又は代理人の氏名とありますから、原告であるたーさんの名前さえ書けば私の名前はいらないようです。(と、判断しました。)
たーさんが出頭カードに記入して、しばらくすると書記官が出頭カードを見に来ました。
書記官「あれ?代理人の原田先生来てます?」
私「あっ、はい。」手を挙げました。
書記官「出頭カードに記入お願いします。」
たーさんと私は顔を見合わせて大笑いです。でもおかげで、お互いの緊張がほぐれました(笑)。

2004年07月29日

法廷デビューの道 その15

今日は、日中時間がありましたので、原田事務所のi-mode版ホームページを作りました。この業務日誌も最新数日分は読めますので、通勤途中や家にパソコンがない方など是非アクセス下さい。改良して欲しい箇所がありましたら、ご連絡下さい。よろしくです。
またまたつづきです。
東京簡易裁判所には2ヶ所しかタバコが吸えるところがありません。しかも狭く閉ざされたところです。仕方がないので、そこで休憩しました。たーさんは口には出しませんが、ちょっと緊張してる風です。勿論デビュー戦の私も多少緊張してきました。今までかなりの回数裁判所には来ていますし、何度も傍聴してます。ラウンドテーブル形式の法廷で、一般の方に敷居が低いようになっていても、それでも多少緊張します。ただでさえ緊張しているのに、さっきの法廷は見学者が一杯です。勘弁して下さい(笑)。
和解になった場合の条件を最終的に打ち合わせして、いよいよ法廷に向います。法廷に入るとたーさんがそこにいた人に挨拶しています。
私「誰?」
たーさん「(被告の会社の)取締役だよ。」
そりゃそうです。今回は未払い給料請求事件です。当然相手方の会社で働いていましたから、そこの取締役は知ってて当然です。働いていた当時は仲良かったとしても、今はちょっと気まずそうです。
取り合えず相手方も来ましたので、裁判は始まります。さっきまで、大勢いた傍聴人もいなくなりました。ちょっとホッとしました。