2006年05月03日
架空増資で司法書士逮捕2
ゴールデンウィークですが、どうやらクライアントは出社している模様。
とてもありがたい重いファイルがいくつも添付されたメールが次々に届きます。。。これはまるで、「俺も出社してるんだから連休は休むなよ。」
というメッセージか(笑)。?
最近は、5月1日から会社法がスタートしましたので、
どうしても会社法関連の記事が多くなってしまい、ある肝心のネタに触れずここまできました。一応司法書士のメジャー化を目指していますので、
「司法書士の年収っていいんだよ。」とか「司法書士の仕事って面白いよ。」などのプラス面を取り上げる事が、
司法書士のメジャーへの第一歩と考えているのですが、綺麗な部分ではないマイナス部分を今日はあえて取り上げたいと思います。
司法書士業界関係者(業界に詳しい方は特にお分かりですよね。。。)
には厳しいニュースですが、これだけの社会問題になった耐震強度偽装事件、ブログで取り上げない訳にもいきません。先月末、
姉歯元1級建築士を含む容疑者8人が逮捕されました。その中に司法書士がいたのはご存知でしょうか?
逮捕容疑は公正証書原本不実記載。この
「公正証書原本不実記載罪」という用語は、一般の方には馴染みのない言葉だと思います。
刑法第157条「公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、
戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、
又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、
五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」
今回の例で言うと、法務局にあるイーホームズの会社登記簿(公正証書原本)
に事実でないウソッぱち(架空増資)を記載さてしまった容疑で司法書士が逮捕されたのです。
虚偽の登記の代表選手のような「架空増資」ですが、
今回の増資資金の還流工作について一般の方には分かりにくいと思いますので、さらに今回の架空増資のスキームについて説明します。その前に、
架空増資についてのある程度の基本的な解説は、過去のブログ「丸石自転車の架空増資」
で触れていますので、そちらをご理解頂いた上でご覧下さい。
お読み頂きましたか?では解説。
まずは、今回の事件の背景から。
問題となっているのは2001年10月の資本金2300万円から5000万円の増資の部分です。
そもそもイーホームズはなぜ(架空)増資する必要があったのか?
つづく。