2011年10月14日
オリンパスの代表取締役解任と続投の九州電力
(c) saki|イラスト素材 PIXTA
実務では「特別利害関係のあるため、議決に参加しなかった」みたいな記載のある取締役会議事録を目にすることは少なくありません。
しかし上場企業でしかも「代表取締役解任」となるとそうそうあるものではありません。(昔の三越は有名ですよね。)
代表取締役の異動に関するお知らせ 2011年10月14日(オリンパスHPより抜粋)
マイケル・シー・ウッドフォード氏と他の経営陣の間にて、経営の方向性・手法に関して大きな乖離が生じ、 経営の意思決定に支障をきたす状況になりました。
そのため、同氏の下での経営体制においては、「グローバル化のネクストステージへ」 をスローガンとする2010年経営基本計画の実現が困難であると判断し、本日、同氏に対する代表取締役・社長執行役員の解職 (代表取締役及び社長執行役員のいずれからも解職し、業務執行権のない取締役とすることを)を、 特別利害関係があるために議決に参加しなかった同氏を除く出席取締役の全員一致にて決議いたしました
ドラマなんかでよくある社長解任劇では、会長派VS社長派であったり、社長派VS専務派といった対立構造の中である話なので、「同氏を除く出席取締役の全員一致」というような結論にはならないのが普通です。
同社のHPで取締役の経歴を見てみると、社外取締役以外の方は、ほとんど同社の生え抜きの方々ばかり、マイケル・シー・ウッドフォード氏だけが浮いているような印象があります。社外取締役を含めて全員一致で決議という結果に至るには、さぞ色々な根回しなり駆け引きなりがあったと思いますが、株価の急落を受けて、仕方なく、急に決議したというのは無理筋のような気がします。
素早く関東財務局に臨時報告書も提出されたようですし、同社HPもすっかり変更されています。
どれだけ秘密裏に進んでいたのか興味深いものがあります。
P.S.
これとは真逆の結論は九州電力。なんだかなあ〜。