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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2014年10月27日

株式の譲渡制限に関する変な規定 その2

株式の譲渡制限に関する変な規定のつづき。

実は、この変な規定がある会社が株式の譲渡を行うとか、お仕事でこの規定について何らかの処理をしなければならないとか何にもありません。

ただの個人的な興味のみです。
こんな変な規定の入った可能性としては、登記簿のコンピューター化による移記ミスか?

個人的興味で謄本代の自腹を切るのは、

昔のブログ 「話題の例の島、所有権移転。実際に閲覧してみた」
http://shihoushoshi.main.jp/blog/archives/002538.html

以来のこと。

謄本で確認してみたところ、昭和50年代に設立されてからず〜〜〜とこのまま。

当会社の株式を譲渡するには、すべての取締役会の承認を要する

 

昭和50年代には、実務やられていた先生に聞いてみたのですが、結局わからず。

現時点では、変な(?)設立登記申請して、そのままの文言で受理されてしまっただけというしょーもない結論に達しました。

調査した割にたいした結果出ず。。。

万が一この事情をご存じの方いらっしゃいましたら、個別に教えて下さい。

では。

 

2014年10月24日

株式の譲渡制限に関する変な規定

会社法になってから、株式の譲渡制限に関する規定も画一的ではなくなりました。

商法時代は
「当会社の株式を譲渡するには取締役会の承認を要する。」
というのがお決まりでしたが、

今は、
「当会社の株式の譲渡による取得については、株主または取得者は取締役会の承認を受けなければならない。」
とか
「当会社の株式を譲渡により取得するには、当会社の承認を受けなければならない。」
とアバウトなものや

「当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を受けなければならない。」
といった取締役会非設置会社風のものや

「当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を受けなければならない。 ただし、
株主または従業員持株会が譲渡により取得するには、株主総会の承認があったものとみなす。」
といった昔の有限会社風のものまで色々あります。

で、今回発見した株式の譲渡制限に関する規定が

当会社の株式を譲渡するには、すべての取締役会の承認を要する

「あれ???」

「すべての?」

「すべてのって何だ?」ということになりまして、調査することになりました。

つづく。

 

2014年10月08日

10月1日の登記の話

10月1日の登記の話。

不幸の間違い電話はありましたが、無事に終わりつつあります。

やっと楽しい酒が飲めます(笑)。

と思いたいところですが、11月の組織再編の準備が待ってます。

こちらは合併分割期日を延期したもので、多少変わり種の案件です。

余裕があれば書ける範囲でご説明します。

では。

 

2014年09月10日

新株引受権付社債のお話 その4

昨日のつづき。

それから

平成11年発行の商事法務NO.1534のP106
こちらは、お題そのままずばり。
実務相談室
「分離型新株引受権付社債における社債の全部償還後の新株引受権の行使期間の変更の可否」

結論は「変更は可能」
当然まず取締役会の決議、それから既存の株主への影響が大きいため、株主総会の特別決議。社債は償還されているので、
当然社債権者集会は不要。

一番気になる総新株引受権者の同意については、下記のような微妙な解説がありました。

行使期間を延長する場合には、新株引受権者が不利益になるものではないので、
現存する総新株引受権者の同意が必要であるとは必ずしもいえないと考えます。

なんと微妙な表現(笑)。

結局これを根拠に管轄法務局と調整し、総新株引受権者の同意は不要ということになりました。

 

2014年09月03日

新株引受権付社債のお話 その2

ちょっと話は前後しますが、事務所内でのやりとり。
この内容を理解するためには、当時の商法を知らなければなりません。

私「とりあえずこのへん読んどいてね。280条ノ19のあたりだから。」と古い六法を渡しました。
スタッフ「うげっ、カタカナ。」
私「???」
スタッフ「漢字とカタカナが。。。」

なるほど。最近の若い子は、漢字とカタカナ混じりの条文は知らないのか。。。

ちなみにこんな感じ。
第二百八十条ノ十九 会社ハ定款ニ定アル場合ニ限り正当ノ理由アルトキハ取締役又ハ使用人ニ新株ノ引受権ヲ与フルコトヲ得
A前項ノ場合ニ於テハ定款ニ之ニ関スル定アルトキト雖モ新株ノ引受権ヲ与フベキ取締役又ハ使用人ノ氏名、
其ノ者ニ与フベキ新株ノ引受権ノ目的タル株式ノ額面無額面ノ別、種類、
数及発行価額並ニ新株ノ引受権ヲ行使スルコトヲ得ベキ期間並ニ新株ノ引受権ノ行使ニ付テノ条件ニ付第三百四十三条ニ定ムル決議アルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テハ取締役ハ取締役又ハ使用人ニ新株ノ引受権ヲ与フルコトヲ必要トスル理由ヲ開示スルコトヲ要ス

今思うと、よくこんなので勉強してましたな(笑)。
古文や漢文が嫌いだったといううちのスタッフは理系出身。

スタッフ「こんなだったら、そもそも司法書士試験の勉強しなかったですよ。」

古文や漢文は大好きではなかったけれど、嫌いではなかったので、私はこんな条文で勉強していたんですな(笑)。