2006年11月15日
オーストリアからオーストリーへ
今日は法律とは離れたお話。だいぶ前ビルマがミャンマーに変わったように、今度はオーストリアの呼び名がオーストリーに変わったようです。
Osterreich 日本語表音表記 の変更について 残念ながら、日本ではヨーロッパに位置するオーストリアと南半球のオーストラリアが混同され続けております。 (オーストリー大使館商務部のウェブサイトより引用 |
昔、ロイターに入社したての頃、オーストリア改めオーストリー大使館に仕事で行きました。場所は今の事務所の近く、
麻布十番の暗闇坂の途中にあります。
まだまだ新人、今までこの手の大使館などに行ったこともありませんから、緊張したまま面談が終わりました。
オーストリー大使館の担当はK氏(仮名)という30代前半の金髪の男性、流暢な英語を話します。
面談を終え、帰ろうとした時、K氏は私の名刺を裏返し、突然。
K氏「誉(ほまれ)って書いて正誉(マサタカ)って読むんですね。」と言ってきました。
私「えっ?」
K氏「これは中々読めませんね(笑)。」と笑いかけてきました。
しばらく何が起こったか固まってしまいました。
私「日本語話せるんなら、始めにおっしゃって下さい(怒)。」
K氏「原田さんが始めから英語で話されるから、英語で話しただけで、ドイツ語ならドイツ語、日本語なら日本語で話しましたよ(笑)。」
とにっこり。
「誉」という字を知っていただけでなく、出身が宮崎だというと「日本書紀」の話になるぐらいの日本通の方でした。
(映画も油断すると日本語の字幕スパーを読むと言っていました(笑)。)
自宅が近所だったこともあり、K氏とはその後、たびたび遊ぶようになりました。私の自宅にも遊びに来て、「この部屋の有様じゃ、
コンタクトレンズできませんね(笑)。」と部屋を片付けられない私は、いじめられたりしていました。
ある日、K氏が家に遊びに来る予定がありました。朝早い時間の約束だったのですが、つい寝坊してしまいました。
当時まだ同居していた妹に、
K氏から連絡があったか尋ねました。(妹は彼の存在を知りません。)すると、しつこい変質者なら電話も訪問もあったとこと。
私「変質者?」
妹「だって「クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ(仮名:K氏の本名)と申しますが、お兄様はご在宅ですか?」
って日本語で言うから。」
妹「そんなのいたずらでしょ。そんな日本人いないし。」
彼の流暢すぎる日本語が、数ヶ国語を操る国際人をただの変質者にしてしまいました(笑)。
そんな彼も数年後、アルプスの素晴らしい景色の故郷に帰っていきました。あれから20年経ち、
手紙のやり取りもなくなってしまいましたが、K氏は元気でやってるのかな?彼なら、司法書士という日本語は知っていると思います(笑)。