2006年05月29日
成年後見人が預金着服
さて今日は、久しぶりに成年後見ネタ。先週24日は、
リーガルサポートの法人後見委員会に出ておりました。その前日の23日の日本経済新聞にドキっとする記事が出ていました。
「成年後見人が預金着服」
私は、リーガルサポートの法人後見委員。社団法人成年後見センター・
リーガルサポートが法人として後見人などに就任している全国の案件の中で、
自分の担当している地域の事案が問題なく処理されているかチェックしたりしています。
司法書士が個人として就任できない案件が法人後見に回ってきますので、通常の案件より問題が起こる可能性は少なくないといえます。
そんな困難事例が無事処理されているか見守るイメージの役回りです。
私は、担当の委員として、個々の案件を細かくチェックしたり、現場の司法書士
(実際に業務を担当している)からの要求を断ったりしています。即決して判断できないので、
法人としての判断が遅いなどのクレームが現場から上がってきたりしていますが、これも「成年後見人が預金着服」
などといった事件が起こらないため、成年後見制度を守るため仕方のないことです。
秋田で起こった「成年後見人が預金着服」という事件が、
リーガルサポートと無関係であると知って安心しましたが、今後もありそうな事件でした。日経によれば、86歳の認知症の親族の預金を、
正しく管理すべき後見人が約1800万円ほど着服し、秋田家裁が告訴したというものです。
後見人には、我々のような司法書士などが就任するケースの他に、
認知症の方などの親族が後見人になるケースがあります。今回の事件は、そんな親族後見の現場で起こったものです。
刑法をかじった方ならご存知だと思いますが、親族相盗という用語があります。「法律は家庭に入らず」といいますが、
親族相盗はまさにそれ。親族間で窃盗を行われても、直系血族・
配偶者および同居の親族間で行われたときは刑が免除されます。通常は「法律は家庭に入らず」が原則ですが、
今回は秋田家裁が告訴。いくら親族でも後見人が1800万円着服しては「法律は家庭に容赦なく入る」ようです。
今回は行き過ぎた事件ですが、親族だから、家族だから、
子供だからなどと甘えた事件は、今後も出てきそうです。親族が後見人に就任する場合の研修・教育などを、
もっときちんとしていかなくてはいけません。
今日はちょっと真面目すぎましたかね。。。