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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2003年06月06日

笑う相続人

「笑う相続人」という言葉を聞いたことありますか?
子供のいない夫婦で夫が死亡すると、相続人は奥さんと直系尊属(おじいちゃん・おばあちゃん)になります。夫が高齢の場合、直系尊属はすでに死亡していることが多いので、その場合は夫の兄弟姉妹が相続人になります。さらにこの兄弟姉妹が死亡していると甥・姪が代襲して相続人となります。
しかしここで困ったことが起こります。例えば
1.夫のお兄さん(義兄)が若い時に結婚
2.子供が生まれた後、離婚。
3.子供は義兄の別れた前妻が引き取る
4.その後義兄が再婚し、また子供ができた
5.その後奥さんが夫と結婚
こんなケースだと奥さんは義兄が過去に離婚したことすら知らないことが多いですし、義兄の前妻との間に子供がいることも夫の親族から知らされないままということがある訳です。
逆に義兄の前妻との間の子供(甥・姪)からすると生まれてから一度も会ったことのない、場合によってはその存在すら知らない人の相続人になってしまうのです。死亡した人を知らず、葬式があったことも知らず、ある日突然あなたが相続人です。と連絡があるのです。
このような相続人を業界では「笑う相続人」と呼びます。
唯一の財産が奥さんの居住している建物(夫名義)だけだと、場合によっては奥さんと笑う相続人の共有財産になってしまいます。子供のいない夫婦間の相続ではこんなことがありますので、やっぱり遺言を作成するに限りますね。

2003年06月05日

キリマンジャロ−その10(完結編)

テレビで「おい、眠るな!」と言いながら相手の顔をひっぱたく遭難シーンがありますが、それと同じで、すっかりクタクタの私は眠くなってきました。「10分眠る。あとで起こして!」と冒険野郎見習に吐き捨てるように言うと雪の中に座り込み寝てしまいました。
「Masa , wake up!」どうやら10分たったようです。見ると自分の体全体を雪が覆ってました。「こりゃ、眠ると死ぬな。」テレビのシーンは本当みたいです。
歩いても歩いてもキャンプ地に到着しません。
日も暮れそうになった時、遠くにいたシェルパが我々を見つけてくれました。やっと寝れる。そんなことをぼんやり考えてました。自分では遭難というより、ちょっと迷子になったぐらいに思っていたのですが、キャンプ地につくと大騒ぎになってました。皆さんに謝った後、グッスリ寝てしまいました。
小1時間たった頃、無理やり起こされました。「疲れていても高度が低いところに移動したほうがいいから。」というもっともな理由で、すぐに降りることになりました。ふらふらになりながらも、数日前にいたマンダラハットに到着。カップラーメンを食べて、すぐ吐いて寝てしまいました。
次の日ようやくゲートに到着。山を降りる時の記憶はあまりありません。ただ麓のホテルで数日ぶりに浴びたのシャワーが気持ち良かったことだけ憶えています。やっと娑婆に戻れた感じがしました。(完)
P.S.
結局10日分の大作になってしまいました。「どこが業務日誌じゃ〜!」とお叱りを受けそうな内容が続いてしまいましたが、明日からは従来の形式に戻ります。またネタ探しに悩まされる日々が続きそうです。

2003年06月04日

キリマンジャロ−その9

でもここまで来たら行くしかないですよね。カップのふちをしばらく歩くと太陽が昇ってきました。真っ暗だったあたりが急に明るくなりました。回りの風景はクールミントガムの包装紙のようです。(イメージ湧きますか?)あちこちに青白い巨大な氷の壁があります。
赤道直下なのに南極のような景色です。途中で一度足を滑らせました。大きな雪の塊がすり鉢の中を転げていきます。後で聞いたところによると、他のグループは私が落ちたと思っていたそうです。くわばら、くわばら。半歩半歩あるくのが苦しく、気のせいか手にはめたグローブや上着が重く感じられます。よっぽどグローブと上着を捨てようかと思いました。今考えるとどうにかしてますね(笑)。
キボハット出発して9時間ぐらい経過したでしょうか。とうとうウフルピーク(5,895m)に到達しました。そこには小さな看板があり「Highest point in Africa」と書いてありました。冒険野郎たちは待ちくたびれた様子でした。ベテランのシェルパはこの頂上でなんと煙草を吸って待っていました。(こっちは酸素がないっていうのに信じられません。)育った環境でスゴイですね。
あとはひたすら降りるだけです。気分もどんどん良くなるはずです。
冒険野郎はこの高度なのに走って降りて行きました。結局イギリス人の冒険野郎見習と降りることになりました。登りと違って下りは楽です。しかし私の体調が良くないので、他の人たちと離されてしまいました。そのうち、他のグループをすっかり見失ってしまいました。3時間も降りればもとのキャンプ地に着くはずです。ところが4時間たっても5時間たってもキャンプ地に到着しません。どうやら降りるルートを間違ったみたいです。
イギリス人の冒険野郎見習とは口論が続きます。人間って極限では本性でますね。相手をいたわる気持ちが無くなってきます。
冷静に考えても考えなくても我々は遭難したみたいです。

2003年06月03日

キリマンジャロ−その8

夜12時に起きて朝食を取りました。(ビスケットと紅茶)が、すぐに吐いてしまいました。
とても登れるかんじではありません。しかし「一生何もできない奴(ヘタレ)」になりたくない一心で登ることにしました。基礎体力なかったら、終わってたと思います。2度3度吐いてたら、いよいよアタックの時間になってしまいました。午前1時、あたりは真っ暗です。ここまでなだらかだった山が突然険しくなりました。斜面が急過ぎるので、ジグザグしながらでないと登れません。空気が薄く、深呼吸しても酸素が入ってきません。分厚い蒲団の中にもぐって口をタオルでふさいでいるようです。一歩一歩登ることもできなくなり、半歩ずつ登ることになってしまいました。あたりはすっかり深い雪山です。
途中チョコチョコ吐きました。みんなよりペースが遅いので、大分離されてきます。
キボハット側から登ると頂上はギルマンズポイント(5,685m)というところです。
ところがこの山とても意地悪な形をしています。
キリマンジャロの山頂はすり鉢(というよりカップ)のように中央がへこんでいます。へこみの部分は数百メートルの深さがあります。意地悪な形というのは、キボハットから頂上を目指す通常の登山ルートで行くとギルマンズポイント(5,685m)に到着するのですが、そこから見えるこの大きなカップの反対側のほうがちょっと高いのです。つまり本当の山頂(ウフルピーク(5,895m))に到達するには、高度5700メートルのカップのふちをエンエンと半周(約4キロほど)歩きつづけなくてはならないのです。しかもカップのふちは5メートルから20メートルぐらいの幅しかありません。落っこちたら簡単に死んでしまいます。この山の一番厳しいところです。そんな事情のせいかここまで来て引き返す人たちも結構います。(ちょっと言葉で表現するの難しいです。ご理解頂けましたでしょうか?)
P.S.
考査終わってるのに、ダラダラとキリマンジャロのネタばかりじゃないかとお叱りを受けてしまいそうですが、もう少しで終わりますのでお付き合い下さい。
今日考査問題をアップしました。要件事実の勉強をしっかりやっていれば、簡単だという人もいますし、深読みすると難しいという人もいます。興味ある人はトライしてみて下さい。
お読みになったご感想を是非お聞かせ下さい。

2003年06月02日

キリマンジャロ−その7

夜テントで中々眠れません。いらいらしてきます。他のグループの人に脈を計ってもらったところ、安静時なのに180です。安静にしているのに短距離走直後のような脈拍はきつ過ぎます。これで登り始めたら脈拍は200を簡単に超えてしまいそうです。めちゃめちゃ頭痛もしてきました。まさかこれが高山病か?普通に生活していると高山病かかることもありませんが、とにかく苦しいです。水を飲むと楽になるといわれ、ひたすら水分補給しました。
水を飲むとトイレに行きたくなります。近くにトイレはありませんから、その辺ですることになります。テントから50メートルほど離れたところに茂みのようなところがあり、そこで用を足せばいいのですが、歩くのがキツいのでテントを出てすぐのところでしてしまいました。とても気分の悪そうな私に、同行している冒険野郎たちは「こんな近くでするなよ!」とか文句言いませんでした。気の毒だと思われたようです。他のグループでは、脱落者が出て山を降りていきました。高山病は治すにはただ山を降りれば治るそうです。モスクワを経由してここまで来ているのに、これで降りて帰ると一生何もできない奴(ヘタレ)になりそうな気がします。「失敗したら」と考えれば考えるほどヘコんでしまいます。あまり気分が悪いと言ってると山を降りることになりそうだったので、結局静かにしていました。自分の心臓の鼓動だけがテントの中に響きます。
P.S.
昨日の考査で特別研修は全て終了しました。どんな問題が出るかわからない試験を受けるのってキツイですね。試験問題は持ちかえり可でしたので、2回目以降の人達はだいぶ楽になりそうです。(時間があったら問題をUPしておきます。)ご高齢の受験者は何十年ぶりの試験だったと思います。問題を解いている様子が痛々しかったです。結果は7月ぐらいに発表されるみたいです。この頃になっても結果に触れないようでしたら、そっとしておいて下さい。
私のお客様の中には、考査終了まで質問を遠慮して下さった方(ありがとうございます。)もいらっしゃいました。が、今日から皆さんが一斉に質問されるので、考査が終わったのにかえって忙しくなってしまいました(笑)。