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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2003年04月14日

だから大安は昨日だって! -その2-

先週末のつづきです。
しょーがない。これで申請するか。と書類をまとめようとしたとき、定款を見てたいへんなことに気づきました。
なんと超有名企業と似た商号。しかも目的の一部が同じ。(類似商号の調査をするまでもない。)
一瞬固まってしまいました。
私「あの〜。この商号だと登記は無理ですよ。」
客「えっ?だって公証人がいいって言ってました。」
私「公証人は類似商号をわざわざ調べてくれませんよ。だってこの株式会社○○○○ってここの管轄にあるのご存知でしょう?」
もう今日提出は無理、申請はあきらめました。4時55分。
客「だってこれじゃないとダメなんです。」
これじゃないとダメって言われてもねえ。
客「なんとかなりませんか?」
私「目的が重複してる部分を削除しなくちゃいけませんね。」とその部分を指差す。
私「それか、この株式会社○○○○が商号を別なものに変更してくれれば、登記できますけど。」
客黙り込む。さらに追い討ち。
私「類似商号の調査なしで、定款の認証をやること自体が無謀ですね。定款認証もやり直さないといけませんよ。場合によってはまた認証費用(10万円弱)がかかるかもしれませんし。。。」
客「類似商号はだれが決めるんですか?」
私「法務局の登記官です。」
なあんだ。この人が決めるんじゃないんだ。とホッとした表情。
客「だったら登記できるかも知れませんね。」
そんな訳ないでしょう。
私「でも登記官も法律にのっとって判断しますから、結論は同じですよ。」
こんな融通の利かない人としゃべってもしょうがない。という雰囲気。
「でも登記官は私なんかよりずっと融通の利かないんですけどね。」と心の中でつぶやく。
よくよく書類を見ると銀行の出資払込金保管証明書にも株式会社○○○○の文字が。
銀行の担当者もよくこれで稟議あげたなあ。誰かが一言注意すればこんなことにはならないのに。
私「全部仕切り直したほうがいいんじゃないですか?」
客「月曜日に法務局で相談します。類似商号だと言われたらまた相談に来ます。」
「カンペキに類似です。」と心の中でまたつぶやく。
私「わかりました。またお待ちしてます。」(確信的に)
というやり取りが先週末ありました。
予定では今日法務局で相談してるはずなんですけど、今日お客様はお見えになりませんでした。
あの状況をどうにかするのは、素人の方には難しいと思うんですけど、どうしたんでしょう?
司法書士が関与してあの状況はありえませんから、どうやったのか私も聞いてみたいです。
本当に、このままあのお客様が再びお見えにならないとすると、株式会社○○○○が登記されるんでしょうか(笑)?
【登記一口メモ】
類似商号…同じ管轄の法務局で既に登記されている商号、目的(会社の事業内容)が同一の場合、その商号を使用することはできません。

2003年04月11日

だから大安は昨日だって!

ネタとして昨日の続きは厳しいなあと思ってましたが、今日午後4時40分にアポなし、飛び込みのお客さまがいらっしゃいました。この方が今日の日付けにこだわっていらしたので、めでたく昨日の続き。
登記申請の法務局の受付は一応5時までです。(といってもギリギリだと嫌がられますから4時30分までには申請することにしています。)
今日4時40分にいらっしゃったお客様は有限会社の設立希望のお客様でした。
有限会社設立書類セット(全部白紙)と認証済の定款、印鑑証明書、銀行の保管証明、実印をお持ちでした。以下お客様とのやり取りです。
客「法務局でOCR用紙(コンピューターで登記内容を読み取る用紙)にタイプしないとダメだと言われたので、作ってもらえますか?」
私「ああ、いいですよ。」
こういうお客もたまにいるなあと思いつつ、客の目を見る。
客「急いで下さい。」
私「えっ?まさか今日申請するつもりですか?」この時点ですでに4時45分。
客「そうです。これ(OCR用紙)ないとだめって、法務局の人に言われたので。」
机の上の全部白紙の有限会社設立書類セットに目をやり、
私「でもこれ(有限会社設立書類セット)全部白紙ですよ。」
客「間に合いませんか?」
間に合うわけないです。と思いながら、
私「どうしても今日申請じゃないとダメですか?今日大安じゃないですよ。昨日は大安でしたけど。」
客「今日じゃないとダメなんです。」
私「でもこの時間じゃどうやっても無理ですよ。」
客「でも法務局の人がこの近くの司法書士なら大丈夫って言ってましたよ。」
腕組みをして考えこむ。
私「来週の水曜日の大安とかじゃダメなんですか?」
客「今日がいいです。」
いったい今日にこだわる理由ってなんだ?と思いながら、さらに考えこむ。
私「残りの時間で完全な状態で申請なんて無理ですけど。。。」
【登記一口メモ】
ちなみに会社の設立日は登記申請をした日です。ある程度書類が揃っていれば、補正(申請後、書類などの不備の訂正・補完をすること)になるとしても(司法書士の申請で補正になるのは情けないです。)、今日申請すれば、今日の日付で受付られるますから、なんとか登記簿謄本には会社設立の年月日は4月11日と記載されます。
でもこんな白紙だらけで申請しちゃったら、「先生いいかげんにして下さい。」って登記官にメチャメチャ怒られるなあ。などと考える。時計に目をやる。4時50分。
私「どうしても今日なら、不可能じゃないですよ。」
登記官がひっくり返るような申請になっちゃうな。でもこんな場合じゃしょうがないしな。
私「ただ補正になるので、書類の補完に何度か足を運んでもらうかもしれませんよ。」
客「それでもいいです。」
しょーがない。これで申請するか。と書類をまとめようとしたとき、定款を見てたいへんなことに気づきました。
つづく

2003年04月10日

今日は大安

今日は大安です。不動産の売買や会社設立は大安に行われることが多いようです。
若い人は気にしないのかなと思ったりもしますが、さすがに昨日(4月9日仏滅)とかは抵抗があるようです。
日付のこだわりは人それぞれで、ゾロ目がいいとかカブがいいとかいろいろです。(さすがにカブがいいという人はそう多くはないですけど(笑)。)
そういう理由で、この業界では大安は忙しくなってしまいます。
日誌が短いのを大安のせいにするつもりはありませんけど、これで今日はおしまいです。すみません。っていうか今日は飲みに行きます。明日がんばります。
PS
ゆとりをもって打合せをご希望の場合は大安を避けて頂けると助かります。

2003年04月08日

印紙のお話

こういう商売ですから、変わったことがなく平穏無事に過ごせたほうがいいんですけど、平穏無事だと日誌のネタに困ってしまいます。
今日ちょっと高額な不動産の売買の登記申請がありました。高額物件だと今月から登録免許税が安くなったとはいえ、数百万円の印紙を申請書に貼って法務局に提出に行かなければなりません。法務局に行く途中にひったくりに会わないとも限りませんから、肩掛けのカバンをななめに下げます。まるでNYを観光している日本人旅行者のようです(笑)。
現金で数百万というと存在感がありますが、10万円の印紙で数十枚だと迫力はありません。(10万円の印紙は80円の切手とほとんど同じです。)
迫力なくても10万円は10万円ですから、紛失したりすると大騒ぎになりますね。幸いまだ無くしたことはありませんけど。
今日はこんなネタで申し訳ないです。
【登記一口メモ】
登記申請書の登録免許税は「収入印紙」を貼りますが、登記簿謄本なんかを取得する時は「登記印紙」です。登録免許税は財務省に、登記簿謄本の代金は法務省にということなんでしょうね。あと業界が違いますけど「特許印紙」ってのもあります。印紙を貼ると割印をしますけど、上記いずれの場合も割印しちゃいけません。ご自分で登記簿謄本なんかを取得される時は気をつけて下さい。

2003年04月07日

古い戸籍

今日は相続登記の話です。
被相続人に子供(直系卑属)がいない場合は直系尊属、直系尊属もいない場合は兄弟姉妹が相続人になります。この場合直系尊属が死亡している戸籍(めちゃめちゃ古いです。)も必要になります。
「文久」「慶応」あたりをはじめとして、生年月日が「文化」だの「安政」だの昔日本史でならった年号が戸籍に出てきます。文化(1804−1818)あたりが限界になるんでしょうか?私は個人的に日本史が好きなほうですから、「おっ、文化だ。」とか一人で感心しながら戸籍を見ますけれど、他の人には全く興味ないところのようです。「安政の大獄はねえ。。。」とつぶやいても回りがだれも反応してくれないのはちょっと寂しいですね(笑)。ご先祖様が偉い人の相続登記なんかやったりする日は来るんでしょうか?あったら仕事になんないでしょうけど(笑)。
【登記一口メモ】相続人とは・・・ある人(被相続人)に相続が開始した場合、誰が相続人となるかは、民法上、次のように規定されています。
第一順位 直系卑属
※直系卑属とは、被相続人の子、孫、曾孫等です。
第二順位 直系尊属
※直系尊属とは、被相続人の父母、祖父母、曾祖父母です。
第三順位 兄弟姉妹
となっています。配偶者はもちろん相続人です。