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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2005年11月01日

司法書士試験合格者の皆さんへ

今日平成17年の司法書士本試験の最終合格者の発表がありました。(法務省の詳細内容のあるHPはこちら)口述試験では、落ちないと思っていても今日の結果が出るまで不安だった方もいらっしゃると思いますが、まずは、合格おめでとうございます。まだまだ心配な方は官報を買って自分の名前を確認して下さい(笑)。

法務省の詳細によると、
出願者数(A) 31,061名
合格者数(B) 883名(男636名・72.0% 女247名・28.0%)
合格率(B/A) 2.8%
出願者・合格者・合格率ともに例年よりアップしています。司法書士が883名増えることになります。800名弱・合格率2.5%ぐらいかなあと思ってましたが、思ったより多かったですね。883名のライバルの誕生です。

試験に受かった方は、中央・ブロック・単位会・特別研修(場合によっては配属研修)が待っています。新不動産登記法の実務を学ぶのもこれからでしょうし、現行の商法で合格された訳ですから、新会社法の勉強もこれからです。未知の世界だと思いますが、要件事実論を学び、弁護士やチューターにいじめられるのもこれからです(笑)。その他、裁判実務・クレサラ・成年後見と学ぶものは果てしないと思います。

「試験に合格したんだから勘弁してよ!」という声が聞こえてきそうですが、あなた方は、我々の立派なライバルです。正直合格しただけでは、我々との勝負になりませんが、これから日々努力され、それぞれの分野で活躍されることを祈っています。(私のマーケットをあんまり荒らさないでね。という気持ちもありますが(笑)。)

P.S.
1年前に退職して、受験勉強に専念していたスタッフが、試験に合格して、今日から職場に戻って来ました。彼女を入れて、司法書士ライセンス3名体制となりましたので、今後は、より高い品質のサービスが提供できるのではないかと思っています。どしどし質問して鍛えてあげて下さい。宜しくお願いします(笑)。

2005年10月24日

民法に誤訳?その2

先週末は、無料法律相談員、司牡丹の会と大忙しでした。予定通り(?)朝まで飲むこととなり、今日はこの時間まで、口に入れたのはコンビニの「ザルそば」のみという状態です。やはり日本酒は効きますね(笑)。

さて、先週の寄付行為のつづき。誤訳の根拠を探しているうちに、穂積陳重の「法窓夜話」(まだ読まれていない方は一度読んでみてはどうでしょうか?)に辿りつきました。その中に、「フランス民法をもって日本民法となさんとす」という夜話があります。その夜話によると(以下一部抜粋)、『江藤新平氏は初め制度局の民法編纂会が開かれた時、箕作麟祥博士をしてフランス民法を翻訳せしめ、二葉(によう)もしくは三葉の訳稿なるごとに、直ちに片端からこれを会議に附したとの事である。また江藤氏が司法卿になった後には、法典編纂局を設け、箕作博士に命じてフランスの商法、訴訟法、治罪法などを翻訳せしめ、かつ「誤訳もまた妨げず、ただ速訳せよ」と頻(しき)りに催促せられたとの事である。』とあります。

そうです。この「誤訳もまた妨げず、ただ速訳せよ」との催促の結果、フランス語のacteを「規則」と訳さず、そのまま「行為」としてしまったのではないでしょうか?私は民法学者でもなんでもありませんので、ただの想像にしか過ぎないのですが、この理由が一番しっくりきます。本当のところをご存知の方いらっしゃいましたら、是非ご訂正下さい。

2005年10月20日

民法に誤訳?その1

ネタ探しに2時間使ってしまいました(泣)。書き始めるまで、結構苦労した今日は、寄付行為のお話。一般の方には『寄付行為』という言葉はあまり馴染みのないものだと思いますが、民法の勉強をしている人にはお馴染みの用語、総則の前半で出てきます。寄付行為とは財団法人のルール、社団法人や会社にとっての定款のことです。

私が民法を勉強し始めの頃、この「寄付行為」という言葉に違和感を持っていました。「なんで社団法人は定款なのに、財団法人では寄付行為なの?」どうしても寄付行為=財団法人の規則に思えなかったからです。

そんななぞが、先日ある程度解明しました。ある知り合いの司法書士に、「あれはフランス語のアクトをそのまま訳してあるから、行為になったらしいよ。噂だけどね。」その時は、これはいい日誌のネタを頂いたと思ったのですが、いざ今日その根拠を探そうとして2時間経過してしまいました。。。

英語のactはフランス語でacte。このacte、日本語では@行為A証書、法律などの意味があります。「本来Aの意味なのに@の行為と誤訳した、それがそのまま民法で寄付行為として定着している。」もっともらしい説明です。散々調べてみましたが、そのものずばりの根拠はどこにもありません。

あえてそうだろうなあと推測される記事が穂積陳重の「法窓夜話」にありました。長くなりそうなので、つづく。

せこくつづくにしてしまいましたが、苦労してます。

2005年10月20日

口は災いの元

寄付行為のつづきのはずですが、インパクトのあることがありましたので、今日はそのお話。いや本当に口は災いの元です。

現在、結構複雑な相続の案件を抱えており、今日は、その件で、税理士事務所で打ち合わせがありました。打ち合わせ場所の事務所には、既に弁護士さんも来ておりました。三人寄れば文殊の知恵と言いますが、さすがに三士業が集まると、打ち合せが早い早い。半端ない速度で、それぞれの役割分担が決まります。かなり複雑な事案も、少しずつほぐれていきます。

あっという間に、打ち合わせも終わり、エレベーター・ホールへ。皆さんもご経験が、おありだと思いますが、エレベーターが来るまでの間、会話がないと気まずくないですか?私は、ほとんどの場合、当たり障りのない話題(お天気の話など)をすることにしています。今日はその税理士事務所に、普段見かけたことのないスタッフが働いていましたから、
私「あれ?新しい男性スタッフが入ったんですね?」
すると、しばらく沈黙が。。。やがて他のスタッフの笑い声が聞こえてきました。
私「???」
ちょうどその時、エレベーターがフロアに到着したので、エレベーターに乗りこみました。
税理士「妹だよ。」
私「え??」
税理士「俺の妹。」
私「あっ。。。げっ。」言葉にならない言葉を残して、エレベーターは閉まってしまいました。思いっきりやっちゃいましたね(笑)。打ち合せがうまくいっても、これじゃあ。。。どうしてわざわざ「男性スタッフ」と言ってしまったのか。普通に「スタッフ」と言えば良かったんですけど。

たった一言ですが、やっぱり口は災いの元ですね。皆さんは似た失敗ありますか(笑)??

ちなみに明日は午後1時より、司法書士会館にて無料法律相談の相談員をやります。相談が終わると、幹事をさせて頂いている司牡丹(高知県の日本酒)の会に出席します。(なぜ宮崎出身の私が高知県の司牡丹の幹事をやっているかは、こちら。)ちょっと忙しい週末になりそうです。(飲み会は朝まで続く予定です(笑)。)

2005年10月19日

タイで『徳政令』

今日、日経を読んでいたところ、『徳政令』の文字が目に入りました。タイのタクシン政権で『徳政令』が出されるようです。私は昔、大学受験で日本史を選択していたこともあり、多少の日本史オタクな部分があります。(日本史オタクの素養があったから、日本史選択だったという方が正しいかも(笑)。)そんな私ですから、日本史っぽい用語などには、ついつい敏感に反応しています。

日本史の勉強も大学受験までだと思っていましたが、大学で『日本法史』なるものを選択していました。文字通り日本の法の歴史でありますから、古くは「ツミ」「ハラヘ」に始まり、飛鳥浄御原朝廷律令、大宝律令等があり、鎌倉時代には、御成敗式目。そして永仁の徳政令が登場します。徳政令というと、対蒙古戦の後の永仁の徳政令が有名ですが、大学の頃のテキスト『概説日本法史(杉山晴康著)』によると、文永4年(1267年)、文永10年(1273年)にも御家人所領回復のために徳政令が出ているようです。

対蒙古戦で戦費などの負担が重くなり、疲弊していった御家人のための徳政令ですが、日本史上では、一時しのぎのものにしかすぎず、かえって御家人を経済的に追い詰める原因となり、また鎌倉幕府への不信感が増大していきます。そして結局は、六波羅探題の滅亡、新田義貞により北条高時が討たれ、鎌倉幕府は滅亡します。(懐かしい用語のオンパレードでしょう(笑)。>日本史オタク)

日本史上では、いい政策とは言えなかった徳政令ですが、タイでは、どう評価されるんでしょうね?

話は多少ずれますが、港区表参道にある根津美術館で、4年半ぶりの国宝「燕子花(かきつばた)図」(尾形光琳)公開中です。ご興味のある方は是非どうぞ。私の業務日誌の読者の中にいる日本史オタクのため、ちょっとマニアックな内容になってしまいました(笑)。