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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2005年03月28日

遺言書が2通 その4

イラン戦は残念でしたが、まだまだ序盤。今度こそです。

さて連載もののつづき。
遺言には大きく分けて自筆証書遺言と公正証書遺言があるのは、ご存知のとおりですが、遺言の撤回はどうやればいいのでしょうか?遺言の撤回は遺言によってやるのが、原則です。例外としては、この世に1通しかない自筆証書遺言を破いて捨ててしまう方法や遺言の中で長男にあげるはずのものを別の人に贈与する(遺言内容と抵触する生前処分)などの方法もあります。

遺言の撤回も遺言ですから、公正証書遺言を自筆証書遺言で取り消すことも可能です。しかしながら専門家、公証人が関与した公正証書遺言を専門家に相談することもなく、自筆証書遺言で撤回するのは、とても危険です。せっかく揉めないために公正証書で作成したのであれば、撤回も是非公正証書でされることをお奨めします。公正証書作成の時にある程度遺言についての知識は得たからと軽く考えないで慎重に対処して下さい。

撤回の理由も色々あるとは思いますが、離婚してしまった前妻への遺言などを撤回もせずに放置して置くのは危険この上ないです。大急ぎで撤回して下さい。(公証人役場に行く途中で事故に遭われませんように(笑)。)

2通目の遺言はなかなか見せてもらえません。どうなっているんでしょうか?

つづくはず。。。

2005年03月23日

遺言書が2通 その3

疲れ果てておりますが、先週のつづき。

そもそもなんで遺言の撤回ができるんでしょう?人間途中で気が変わることもあります。遺言を書いたとたんに、孝行息子の態度が急変してしまっても遺言の撤回ができないのでは、遺言者も辛いでしょう。結局遺言者の最終意思を尊重するためでもあるのです。今回のケースでは、長男に感謝しつつも、できの悪い長女が気になったのかもしれません。意地悪く考えると長女にしてやられたのかもしれません。そもそも遺言能力はあったのでしょうか?

あれこれと遺言者の最終意思を想像してみても、こればっかりは「死人に口なし。」です。有効な遺言書に基づいて、淡々と事務を進めるしかありません。「今日明日にも登記してくれ。」と言っていた長男ですが、あれからしばらく連絡がありません。こちらとしては、あれこれ親族間の争いを想像して待つより他ありません。

「あの興奮状態では、冷静な話しもできないだろうな。」

つづく。

2005年03月18日

遺言書が2通 その2

とりあえず3連休があるので、ここででなんとか仕事を処理したいと思ってます。(ちなみに来週は今週以上に厳しい週になりそうです)

さて昨日のつづき。
遺言書がある場合、その財産の中に不動産があると、「これ(遺言書)で名義を変えて下さい。(被相続人からの所有権移転登記をして下さい。)」とかで司法書士に依頼してきます。昨日の長男もすっかり自分のものになると信じて、うちの事務所に来ました。

遺言書があれば万全と思われているのか、2通目の遺言書の存在を知っていても、すっかり自分のものになると思っているようです。たとえ遺言が撤回できると知っていても、「母(被相続人)の老後の面倒を看てきたのは俺(長男)だし、生前母はずっと俺に感謝してきた。だからあんな遺言(1通目)を書いたんだ。妹(長女)は、母に散々迷惑をかけていたし、妹にあれこれ言われても遺言の内容は俺に不利になるものじゃない。嫁に行く時だって色々してもらってたじゃないか。」

長男の言い分は「ごもっとも」です。実際老後の面倒は長男が全て看ていたのかもしれません。長女は迷惑をかけるだけのダメな子供だったのかもしれません。でも「できの悪い子供ほどかわいい。」という言葉もあります。こればかりは2通目の遺言を見てみないと分かりません。「2通目の遺言を見たってしょうがない!」と叫ぶような、ちょっと興奮気味の長男に、「手続が進まないので、2通目の遺言書を持って来て下さい。」と伝えました。事務所に来られた時のウキウキ気分はすっかり無くなっています。ものすごく興奮した状態で帰られました。

つづく。

2005年03月17日

遺言書が2通

相変わらず「働けど」です。依然としてライブドア騒動が続いてますが、久しぶりに遺言の話。

この日誌の読者であれば、本人がしっかりしている段階で、本人主導の遺言書が作成されるのが理想だというのはお分かり頂けると思います。しかし現実問題としては、遺言書を本人が進んで作成するよりも、その遺言書で得する人が主導して作成されるような場合もありがちな話だと思います。

「全財産を長男○○○○に相続させる」そんな遺言を公正証書で作成してもらったら、思わず顔がほころんでしまいそうです。「専門家に頼んで作成してもらったし、公正証書にしたし、これで一安心。」そんな長男の呟きが聞こえてきそうです。

しかし現実はそう甘くありません。どこかで遺言書を作成した話を聞きつけた長女がちょっかいを出してきました。ご存知のように遺言は遺言者の生存中であればいつでも撤回することができるからです。長女は遺言者に遺言を撤回させることに成功したようです。その結果この世には、遺言書が2通。どう考えてもトラブルになりそうです。

つづきは明日。

2005年03月08日

ソニーのトップに初の外国人

日本企業の代表格ともいえるソニーのトップに初の外国人が起用されました。出井会長の後任となるハワード・ストリンガー氏のインタビューを見ていて思ったのですが、英語で日本人を○○sanと呼ぶところなど昔のサラリーマン時代を思い出してしまいました。ニックネーム(呼び捨て)に慣れていない日本人を呼ぶには、やはり「○○san」がいいような気がします。

軽視した相手を呼び捨てにすることの多い(もちろん微妙なニュアンスで違いますが)日本の文化に慣れ親しんだ当時の部長(英国人)は、社内で敢えて私だけに「Harada」と呼び捨てにしていました。(かなり敵意を感じていました。)

そんな殺伐とした社内でしたから、社内人事には一喜一憂していました。他人事では済まされませんから、お客を向いてする仕事より、社内人事に良い効果がでる仕事を優先していたりしました。やがて社内を向き続けた仕事が中心となり、仕事に魅力を感じなくなっていきました。結局このあたりが退職する理由のひとつとなり、司法書士という次の仕事を選ぶきっかけになりました。今現在は、自分の仕事に満足していますから、当時の部長には(ある意味)感謝しています(笑)。

ソニーはグローバル企業ですから、外国人がトップとなっても違和感はありませんが、実際に働いている社員はどんな気持ちなんでしょう?今後社外取締役がより機能していけばいいですね。日本の会社もこんなスタイルに移行していくのでしょうか?