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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2005年01月17日

さすがプロ

先週の土曜日は、日本財団での遺言と成年後見制度の講演の受付をやりました。(前日かなり遅い時間まで新年会があったので、体調不良でしたが(笑)。)当日は雪こそ降りませんでしたが、寒く雨が降っていました。講座をお聞きになる方は高齢の方が多く、こんな日に来てもらえるだろうかという心配もありましたが、多くの方に参加して頂けました。

私には、いつも聞いている遺言と成年後見の話でしたが、いつもと違うところがありました。今回の講座は、聴覚障害の方にも参加してもらえるように、手話通訳の方を手配していたのです。「どんな手話になるんだろう。法的な用語もうまく訳せるのかな。」と思っておりましたが、さすがプロですね、講師の方の早い講義を次々に訳されていました。身振り手振りによる通訳ですから、普通の通訳より体力が必要のようです。15分でお二人の手話通訳の方が交代で対応されていました。

聴覚障害をお持ちの方のお申込はあったのですが、この寒い雨の中、来られなかったら、わざわざ来て頂いた手話の方に悪いなと思っていましたが、杞憂に終わりました。聴覚障害だけではなく、他の多くの障害を持たれた方にも将来的には参加して頂きたいですね。

2005年01月13日

同時死亡の推定

この業務日誌をお読みの方であれば、誰が相続になるかという基本はもうお分かりだと思いますので、今日はちょっと特殊な例を考えてみます。

例 (家族構成 夫A、妻B、子供C。夫には母Dがいます。)
飛行機事故で同乗していた夫Aと子供Cが亡くなられた場合を考えてみましょう。

「ケース1」もしAがCより先に死亡すると、
原則通りAの相続人は妻Bと子供Cです。その後Cが死亡してしまうと、Cの相続人はBだけとなります。つまり全ての財産は妻であるBのものになります。

「ケース2」もしCがAより先に死亡すると、
これもまた原則通りです。Cの相続人は当然両親であるAとBです。その後Aが死亡したので、Aの相続人はBとD。Bが3分の2、Dが3分の1を取得します。めぼしい財産がAの不動産だけとなると嫁と姑の共有という結果になります。

たった1秒でもどちらかが早く死亡したことが判明している場合は、上記の結果になります。しかし飛行機事故などどちらが先に死亡したか不明な場合も起こり得ます。このような場合はどうなるのでしょうか?民法には同時死亡の推定(32条ノ2)というものがあり、どちらが先に死亡したか不明の場合は、同時死亡者相互で相続は発生しません。今の例では、皆さん「Cは幼い子供」をイメージしていたかもしれませんが、Cがかなりの資産家だとイメージしてもう一度考えてみて下さい。どちらが先か同時かで相当結果が変わってきます。

2005年01月12日

リバースモーゲージ つづき

昨日の『リバースモーゲージ』のつづきです。
昨日説明したように、このリバースモーゲージを利用すれば、長年住み慣れた我が家を離れなくてもいいですし、何より安定した生活費が入ってきます。しかし先祖代々の土地を自分の代で手放すのは、抵抗がある人も多いと思います。また、何より愛すべき(?)子供に、自分の不動産を残したいのが普通ではないでしょうか?

でも配偶者や子供がいなかったり、相続人がいても笑う相続人(過去の日誌に既出、詳しくは画面右上の検索で!)しかいない場合だと、思いきってこの制度を利用できそうです。
なにせ自分の相続人がいなかったら、財産は基本的には国庫に帰属してしまいますから(例外は特別縁故者・共有物、またの機会に説明します)。国に持って行かれるくらいなら、自分で使ってしまおうと思うのが、普通かもしれません。(まあ、中にはユニセフなどに寄付する立派な方もいらっしゃるようですが。)

また「子供はいるけど、自分の老後の面倒をみてくれない、むしろ自分の相続財産を今か今かと待たれている。」と思われる方にも便利かもしれません。(相続人には、かなりの当てつけですけど。)

バブルが終わり、担保割れするようになって、利用されなくなったリバースモーゲージですが、今回はどうなるでしょうか?ちなみに昨日新聞に掲載されていた商品はかなりの資産家向けのようです。

P.S.
私は「老後の心配をする資産家」ってイメージ湧きません(笑)。

2005年01月11日

リバースモーゲージ

今日は予想どおりのネタですけど、リバースモーゲージのお話。(日経新聞の一面に載っていたので、この話題に触れない手はありません。)一般の方には、あまり馴染みのないこの『リバースモーゲージ』、その名前のとおり逆のモーゲージ、つまり逆になった住宅ローンです。この言葉は、個人的にはこの業界に入る前、ロイターのサラリーマン時代に、「ふーん。こんな金融商品があるんだ。」という程度には認識していました。

どんな時、どんな人にメリットのある商品なんでしょうか?
今後の超高齢化・少子化で受取れる年金はどんどん減っていきます。年金だけでは暮らしていけなくなるかもしれません。でもそんな状況に備えて、かなりの預貯金があればいいのでしょうけど、準備のいい人ばかりではありません。「俺の財産なんて何十年もローンを払って、やっと手に入れたこの家と土地だけ。」という方も多いかもしれません。そんな人が老後の生活資金を補完する方法、これが『リバースモーゲージ』です。

『リバースモーゲージ』は、手に入れた住宅を担保に分割して、老後の生活資金を融資する仕組みのことです。具体的には、利用者の住宅を担保に入れて、毎月年金の足しになる資金を分割して融資してもらい、利用者が死亡した場合に、その住宅を売却して返済する仕組みです。

ちょっと長くなりそうなので、明日につづく。

2005年01月06日

自動車事故 つづき

昨日のつづき。
妹によると、「いきなり目の前に車があった。」そうですが、そんな馬鹿な事はありません(笑)。どう考えても2台とも前方注視義務違反があったようです。緊張した面持ちの妹に明るく、「お前、一旦停止しろよな。」と声をかけ、すぐに警察、保険会社に電話をしました。

年末でしたが、保険会社もギリギリ営業しており、すぐに対応してもらえました。あまりにもテキパキと現場を仕切る私に、ショックからまだ立ち直れない風の相手の運転手(まだ若い女性)が、「す、すみません。」と声をかけてきました。その女性は自分の免許証と保険証書と携帯電話を私に渡し、「代わりに電話して下さい。。。」

「へっ???」
ヘタしたら対立当事者ですから、どうしたものかと思いましたが、怪我もしてないようですし、電話してあげる事にしました。

事故の概要を要領良く説明していると、最後に保険会社の担当者が、
保「あの〜、失礼ですけど、お電話されているのは、どちら様ですか?」と聞いてきました。(そりゃそうです。)
私「相手方当事者の兄です(キッパリ)。」
保「…」しばらく沈黙がありました(笑)。

でも私のお蔭かどうかわかりませんが、その日の内にほとんど解決してしまいました。まあ、みんな無事でなりよりでした。