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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2003年07月14日

司法書士の将来 その2

数年」までは「司法書士=登記」でした。実体的な権利変動を正確に公示する仕事です。ほとんどの事務所では9割ぐらいが不動産登記、片手間に商業登記1割といったかんじでしょう。ところが司法制度改革などの影響もあり、司法書士の職域も変化してきました。今では[1]不動産登記業務、[2]企業法務(商業登記)業務、[3]簡裁訴訟代理業務、[4]成年後見業務、[5]クレサラ(消費者問題)業務の5分野が司法書士の職域となりました。ここまで職域が広がると事務所によっては司法書士の仕事が全然違ってきます。それぞれの分野で仕事をするために、必要とされる知識・経験はより深くなってきています。広く・浅くでは安心して仕事する事もできません。専門性が高くなった分、専門化責任・多くの注意義務が問われる事も多くなり、ある仕事で失敗するとすぐ破産させられるなんて事もでてきました。報酬の割に、リスクの高いビジネスです。
もともとの登記業務も公益性の高いものですが、成年後見を初めとして、より社会に貢献していると実感する職業でもあります。
[1][2]の分野では今後オンライン申請により状況は一変していく可能性は多いですし、[3]〜[5]についてはロースクールを卒業してくる多くの弁護士と職域を争う可能性もあります。どの分野に特化していくかによって将来は大きく左右されるとも言えます。
私自身どの分野に特化すると未来が明るいのかわからないので、今はどの分野でも対応できるように(現時点では広く・浅くなってしまいますが)準備しています。よりお金儲けに走る司法書士も出てくるでしょうし、より社会に貢献しているという自分に陶酔する司法書士も出てくると思います。どの道が正解と言えません、ただ言えるのは「法令・実務に精通するために、日々努力を怠らない」司法書士の前にのみ道が開けていると思います。偉そうなことを書いてしまいましたが、陰でこっそり努力してるつもりです。(←ウソっぽい(笑)?)

2003年07月11日

司法書士の将来 その1

昨日は失礼しました。毎日のつらいネタ探しから知恵熱がでたという噂もあります(笑)。
今日は掲示板にありがたいネタふりがありましたので、司法書士の将来についてのお話。
ここ数日司法書士試験の話題に触れましたが、司法書士試験は難しいです。自分が受かってるから断言する訳ではありませんが、大学受験の5〜10倍ぐらい大変だったと思います。高校生の頃、あれだけ頑張れば、後の人生楽だったと思います(笑)。合格率2%台の国家試験は他にあまり無いですよね。(50人はいる教室で1人合格する確率ですね。)合格も3〜5年の人が多いようですし、専業受験生だと1日10時間×2年は勉強しているんじゃないでしょうか。。司法書士という職業が一般の方のなじみが無いという事もあり(せいぜい一生に1回お家を購入する際にちょっと会うぐらい)、試験の難易度の割に、社会的に認知・評価されていない気がします。(弁護士・税理士などイメージし易い職業ではないですね。)
掲示板の書き込みにあったように、相当ハードな勉強をしている受験生にとっては、「ここまでこの試験に資本投下して割に合うのか?」といった疑問も当然出てくるでしょう。実際割りに合う商売なんでしょうか?(また長くなったのでつづく。)

2003年07月07日

司法書士試験おつかれさま

昨日司法書士試験が行われたようです。受験生の皆さんおつかれさまでした。自己採点されては一喜一憂されていることと思います。また怖くて自己採点されてない方もいらっしゃると思います。口述試験(もしくは来年?)に向けて頑張って下さい。受験したであろう友人のSさんの携帯に連絡しているのですが、折り返しがありません。大丈夫なんでしょうか??
試験では90点でも合格しますが、実務では100点以外は登記できないという業界です。絶えず100点取れるような申請書を提出できるように日々神経すり減らしています。今回の試験の商業登記の書式(記述式)で役員の名前が「己野さん」だったそうです。普通取締役甲野太郎とくれば二人目の取締役は「乙野」ですが、正解は「己野」。そんな細かい事どうでもいいじゃないか。というようなところでしょうが、実務でこれやっちゃうと登記簿が汚れてしまって、(いったん錯誤による更正登記を入れます。履歴事項にはしっかり残ってしまいます。)お客には怒られる或いは関与先が1社減ってしまう悲しい場面ですね。難しい論点を限られた時間の中で消化しながら解答していかなければなりませんから、こんな「己野さん」は見落としてしまいそうです。でも注意力がいやでも要求されてしまう業界ですから、合格者は案外みんな出来てるんじゃないでしょうか。昔の予備校の模試にはそういう配慮?からか鈴木さんならぬ「鈴本さん」や甲野一郎さんならぬ「甲野一朗さん」がよくあったなと思い出しました。こんなくだらない問題がメインではなく、試験では清算型包括遺贈とか厳しい問題が出たようです。
受験生の皆さん、ちょっと一休みして、口述試験に向けて頑張って下さい

2003年07月04日

誰にも聞けない質問

司法書士事務所によって得意分野・不得意分野は色々あります。「不動産登記」しかやらない事務所、「会社・法人登記」が中心の事務所、「裁判事務」、「破産」、「クレサラ」、「成年後見」と事務所・あるいは事務所所在地によって力を入れている分野は異なります。田舎の事務所で「うちは会社登記を中心に頑張るぞ!」といったところで、会社が少ない地方では生活していけませんし、「成年後見やるぞ!」と決めても後見人名簿に登載されていないと始まりません。また「訴えてやる!」と意気込んでも特別研修を受けて考査をパスしないと始まりません。
司法書士の仕事も色々ありますから、自分の不得意な事はそれを専門にしてる先生に教えてもらったりします。でも気軽に聞けるのはやっぱり、同期の先生です。
特種な事例の質問は、法務局や裁判所等と相談することもできますし、専門でやられてる先生に聞いても可笑しくはないです。でも初心者・受験生でも知ってそうなことは、今更誰にも聞けません。でも同期なら笑って教えてくれますし、同期には、大笑いして教えてあげます。
一般的な事務所は不動産登記が中心となりますから、会社・法人登記をしばらくやってない事も珍しくありません。今日もそんな会社法がらみの質問が同期からありました。聞くは一時の恥と言いますが、本当に誰にも聞けない質問でした。質問のやり取りを公開しようと思いましたが、同期の面目にも関ることですので、質問内容は省略させて頂きます(笑)。

2003年07月03日

もうすぐ司法書士試験

私の特別研修が終わり、暇になったので、大学の頃のゼミの同級生Sさんに連絡を取りました。「Sさん、飲まな〜〜い?」すると、「こっちは直前、試験終わったら飲もうよ。」とあっさり断られました。なんのこと?と思っていたら、司法書士試験を受けるみたいです。
例年だいたい第一日曜日に予定されていますので、本当に直前です。Sさんには受かってもらいたいところですが、不況で就職困難な時代ということもあり、2〜3%の狭き門。うまく突破できますやら?
司法書士試験はとにかく科目が多いです。憲法・民法・商法・刑法・不動産登記法・商業登記法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法の択一試験と、不動産登記法・商業登記法の事例問題をベースに申請書を書かせる、通称「書式」と呼ばれる記述式の試験が行われます。これに受かると口述試験。最終的に合格が確定するのは11月頃です。司法書士の実務に即した内容となっていますので、試験のメインは民法・商法・不動産登記法・商業登記法です。80%は最低でも取らないと受かりませんから、厳しい試験だと思います。私と一緒に試験勉強していた仲間も5年目ぐらいで諦め、皆就職してしまいました。とにかく人間の記憶力の限界に挑むような試験ですから、試験範囲をだいたいカバーできるまで2年ぐらい(専業受験生だと1日7〜10時間×2年)かかります。
2年も時間を投資していますから、回収しようとさらに数年をかけてしまって、泥沼にはまってしまいます。ちまたで評判のロー・スクールに行ったほうが早いかもしれません。年に一度しかチャンスがありませんし、精神的にもクタクタ・ガタガタになってしまいますので、あまりお薦めできる試験じゃありません。
もう一度やれ!と言われて絶対やりたくないのが、司法書士試験とキリマンジャロ登山です(笑)。受かるといいね。Sさん。