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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2014年09月18日

専門家の心構え

依頼者の希望に沿ったゴールを目指す場合に、通る道順がいくつかあることがあります。障害は少ないけど手間や時間のかかるAのルート、
普通の弁護士や司法書士が考える平均的なBのルート、障害は多いけど最短距離で行けるCのルート等々。

当然それぞれのルートによって費用も変わります。どのルートを選ぶかは最終的には依頼者なんですけど、「Aがいいですよ。」とか
「Cがいいですよ。」とか提案するのは専門家。

難しいケースだと依頼者が判断するのも難しくなり、結局は専門家の提案通りになったりします。

事務所が儲かるのがAルート、儲からないのがCルートだとしても、意識的にAルートを勧めることをせず、
客観的に依頼者の利益になるルートをフラットに提案できる専門家でありたいと思います。

きれいごと書きましたが、全く事務所が儲からない提案をしたばかりなので、なんとなく書いてみました(笑)。
 

2014年09月12日

医療法人の吸収分割

ずいぶんと前のニュースですけど、覚えておいででしょうか?

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医療法人の分割制度新設、
15年以降に 与党・維新の協議決裂 (2014/5/14 )
 政府・与党が検討している医療法人の分割制度の新設が、2015年以降に先送りされる見込みとなった。(略) 医療法人の分割は、
株式会社の「会社分割」に似た制度。法人傘下の病院を、不採算部門とは切り離して別の医療法人に譲渡しやすくなるなど、
病院の柔軟な再編を後押しする効果を見込む。(以下略)

この頃は、「そうなんだ。ふ〜〜ん」でニュースを斜め読みして終わっていましたが、実務で関係してくるとなると話は別。

親族等の後継者への代替わりを含めた病院の柔軟な再編ができるこの「医療法人の分割」制度。スムーズに可決されていれば、来月には、
施行されていた模様。今回絡んでいるケースは、この「医療法人の分割」がばっちりハマりそうだったのに。

施行されてみないと許認可や税務の問題も具体的には、分からないし、タイミングとしては実に微妙であります。

仮に施行されるとしても、見えない問題点が噴出しそうでもありますし、安心して提案できるのは、
まだまだ先ということになりますでしょうか。

3連休楽しんで下さい。
 

2014年09月10日

新株引受権付社債のお話 その4

昨日のつづき。

それから

平成11年発行の商事法務NO.1534のP106
こちらは、お題そのままずばり。
実務相談室
「分離型新株引受権付社債における社債の全部償還後の新株引受権の行使期間の変更の可否」

結論は「変更は可能」
当然まず取締役会の決議、それから既存の株主への影響が大きいため、株主総会の特別決議。社債は償還されているので、
当然社債権者集会は不要。

一番気になる総新株引受権者の同意については、下記のような微妙な解説がありました。

行使期間を延長する場合には、新株引受権者が不利益になるものではないので、
現存する総新株引受権者の同意が必要であるとは必ずしもいえないと考えます。

なんと微妙な表現(笑)。

結局これを根拠に管轄法務局と調整し、総新株引受権者の同意は不要ということになりました。

 

2014年09月09日

新株引受権付社債のお話 その3

やっと新株引受権付社債の話のつづき。

「分離型新株引受権付社債が全部償還した後に、新株引受権の行使期間を延長することができるか?」

結論としては「できる」が正解なのですが、添付書類を含め、だいぶアバウト。何とか古い資料を探すことに。

思い当たる先は、昔修業していたT先生(もうお亡くなりになりましたが)の登記研究。昭和26年の創刊号からあったような。。。

ということで、久しぶりに私の教育係だった番頭のKさんに会いました。

調べてみると、ありました。

平成6年発行の登記研究554号P60

さすが業歴長いだけのことはあります。

つづく。

 

2014年09月05日

旅館宿泊の先取特権

新株引受権付社債の話のはずですが、また脱線します。

漢字とカタカナ混じりの条文の話が出たので、強烈に変化した例をご紹介。

司法書士試験には、あまり出ない条文ですが、旅館宿泊の先取特権なるものがあります。

第317条
「旅館の宿泊の先取特権は、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、
その旅館に在るその宿泊客の手荷物について存在する。」

宿泊客が逃げても旅館が救済されるニュアンスは伝わりますね。ひらがなと漢字は、さすがに読みやすいです。

でも私が勉強したいた頃の条文は、

「旅店宿泊ノ先取特権ハ旅客、
其従者及ヒ牛馬ノ宿泊料並ニ飲食料ニ付キ其旅店ニ存スル手荷物ノ上ニ存在ス」

読みにくいのは読みにくいですけど、従者と牛馬というとんでもない用語が入っています。

民法ができた明治31年という時代を感じさせる条文です。当時私が勉強していた頃は、
とんでもない時代錯誤な条文があるなぁといった程度ですが、今の受験生からすると、「とてつもない昔に勉強していたのね」
とどん引きされそうです(笑)。