昨日の続きです。
会社法が施行されたばかりの頃は、今と違って探り探り実務を行っていました。会社法だけでなく、当然商業登記も探り探り。実務家向け、
特に司法書士向けの書籍もほぼ存在しない状況で、法務局によって対応が違ったり、かなり苦労した記憶があります。
株主総会や取締役会の書面決議もそういった探り探りな状況で少しずつ解決していました。
苦労した当時の実務のバイブル的な存在が「論点解説 新・会社法 千問の道標」。
総会の書面決議を行う場合に、提案内容について取締役会の決議は不要という根拠がその487頁に表として掲載されています。
株主総会決議の省略(319)の項目に298省略可能となっております。
またその千問の編著者で立法担当者でもある葉玉先生が書かれていたブログ「会社法であそぼ。」は、
当時の実務家には相当有益でありました。その「会社法であそぼ。」に総会の書面決議を行う場合に、
提案内容について取締役会の決議は不要という記載があります。
会社法であそぼ。 2006年08月04日より引用
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50934696.html
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Q8
先日、子会社の会計監査人の選任に関し、第319条の「株主総会の決議の省略」を利用する場合のことを質問させてもらった者です。
この問題に関し、またよくわからないことが出てきました。以下、ご質問します。
@ 第344条第1項第1号では、会計監査人の選任に関する議案を株主総会に提出する場合、監査役(会)の同意を得ることとされますが、
第319条第1項の「株主総会の決議の省略」は条文上、「提案」であり、「議案の提出」ではありません。この場合でも、この「提案」
に監査役(会)の同意は必要ですか?
A 第319条第1項の取締役とは代表取締役に限られますか?
B Aの場合、取締役からの提案は取締役会の決議(承認)を事前に受ける必要はないのでしょうか?Posted by R at
2006年08月02日 22:29
A8
@344条1項1号の議案の提出には、319条1項の提案も含まれると解されます。したがって、提案に監査役の同意が必要です。
A提案するのは、代表取締役に限られません。
B提案には、取締役会の決議は不要です。
また同様の内容について
会社法であそぼ。2006年08月05日
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50936940.html
会社法であそぼ。2007年11月23日 (金)
http://kaishahou.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_4d10.html
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Q8
319条1項で取締役の提案する株主総会の目的事項は、取締役会設置会社の場合、取締役会における決定が必要なのでしょうか。
298条1項の適用はないけれども、362条4項の「その他重要な業務執行の決定」にあたるとして、必要ということでしょうか。
ご教示願います。
投稿 企業戦士 | 2007年11月16日 (金) 20時43分
A8
319条1項の提案は、基本的には、取締役会の決議は不要です。
みんなが頼りにしていた「会社法であそぼ。」で、これだけ総会の書面決議を行う場合に、
提案内容について取締役会の決議は不要とありますから、当然これが実務のスタンダードですよね。のはずです。
しかし、問題が発生してきました。
つづく。