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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2005年04月07日

新不動産登記法の施行から1ヶ月

連日連日すみませんで、業務日誌か週報かわからなくなりつつありますが、見捨てないで下さい。来月になれば、ちょっとは落ち着くはずです。それまで暫しお許しを。

新不動産登記法が施行されてから1ヶ月たちました。1ヶ月経過しましたが、まだまだ実務上の運用が定まっていない部分がありますので、手探りで進んでいるような状態です。我々司法書士も苦労していますが、法務局も大変そうです。申請について法務局から問合せがあったり、登記が完了するまで普段より時間がかかったり(時期的なものもあると思いますが)、登記完了予定日に終わらないと連絡があったりしますので、新法での登記事務も相当苦労されているみたいです。

遠方の法務局に不動産登記の申請をしなければならない案件がありました。ご存知のように新法では当事者出頭主義ではなくなっていますから、事情が許せば郵送での申請も可能です。商業登記では、合併や設立などの申請日が決まってない場合などを除き、より郵送申請が許されるケースの方が多いので、最近ではほとんど郵送申請に切り替えました。

基本的に全て郵送で解決する商業登記申請と違い、不動産登記申請には、権利証の回収の問題が出てきます。登記完了後、新しく出来上がった権利証は、申請人のところに郵送されてはきません。申請は郵送で可能でも、登記完了時には回収に行かねばなりません。従来は、現地の司法書士に復代理申請をお願いし、その現地の司法書士に権利証の回収もお願いしていました。新法では、自分で郵送申請して、回収のみ現地の司法書士に頼む方法も出来そうです。(その方が現地の司法書士に払う報酬が安い(笑)。)研修でもそういった扱いは可能というような説明がありました。

今回この方法で申請できるか一応現地の法務局に確認したところ、「調べて連絡します。」とのお返事でした。数日待っても回答が得られなかったので、再度確認したところ、全国的に統一した見解が出るまで待って欲しいと伝えられました。待てるものなら、結論が出るまで待ちますが、お客様は待ってくれません。仕方ないので、従来とおりの復代理申請にしました。(この件、ご存知の方は教えて下さい。)このケースを始めとして、実務上の取り扱いが決まっていないことがまだまだあります。神経使うことが多くて嫌になりますね。

2005年03月04日

さらば旧不動産登記法

従来の不動産登記法も今日が最終日でした。とにかく今日中に申請できるものは、申請したいとお考えの司法書士の先生達も大勢いらっしゃたでしょう。ところが、あいにく東京は朝から雪が降ってました。あの雪の中、「今日中に申請だから。」と所長に言われ、駅から遠い法務局まで、こけないように歩いて申請に向かった補助者の方々も大勢いたことでしょう。本当にご苦労様でした。

不動産登記法は、明治32年6月16日に施行されてから、実に105年ぶりの大改正となります。明治32年に施行された当時、今回のオンライン申請など誰も想像できなかったでしょう。新不動産登記法もまた100年後、劇的に改正されているかもしれません。それこそ「昔は雪の中、歩いて申請に行ったもんだ。」と自慢できる(?)日が来るかもしれません。

時代の流れによる必要的改正ではありますが、受験生時代に、一所懸命に勉強した旧不動産登記法が変わるのは、少し寂しい気もします。権利証がなくなってしまう等、今までの常識が通用しなくなるほどの変化、勉強し直さなくてはならない受験生も大変でしょうけど、現場はもっと大変。来週月曜日、どんな大混乱が待ちうけているのでしょうか?

さらば旧不動産登記法!!

追伸
新法施行後、こんな運用に参った、やられた等の情報がありましたら、是非お教え下さい。

2005年02月21日

新不動産登記法の対応

先週末は失礼しました。さて今日も新不動産登記法の話。新法の施行日まで10営業日を切りました。改正対応は司法書士の皆さんお済みですか?今から依頼されるお仕事の中には3月6日までの申請ができないケースもあるのではないでしょうか?うちの事務所も徐々にではありますが、新法施行に備えて準備をしています。

登記原因証明情報も準備しないといけないし、権利証の素材も考えなくてはいけないし、通常の登記の準備だけでも大変です。そんな通常の登記を準備しながら、「保証書制度も廃止されるけど、権利証なくしたなんてこのタイミングである訳ないよ。本人確認情報の提供とかかなり面倒そう。」とか思っていたんですが、来る時には来ます。
「権利証ありません。」

とにかく申請を3月6日までの旧法時代にするしかありません。まだ誰もやった事のない本人確認情報の提供なんてやりたくありませんから(笑)。「何が何でも3月6日までに。」そんな事を考えているからでしょうか?通常業務では滅多にお目にかからない登記案件が続々と集まってきます。千客万来で喜ばしい事ではありますが、「この微妙な時期だけは避けて。」と贅沢な悩みを抱えています。もし6日に間に合わなかったとしても、新法の経験値は上がると思います(笑)。

2005年01月24日

少額訴訟債権執行手続

土日は予定通り働いていました。中には事務所に来られたお客様もいて、全くの通常業務でした。(基本的に土日は休みです。念の為(笑)。)そんな訳で疲れが取れないままの月曜日です。

先週は、司法書士関係のイベントが連続でありましたので、司法書士と会う機会が多い1週間でした(支部セミナー、法人後見委員会、支部新年会)。それぞれの機会にいろいろな司法書士と飲みに行くのですが、どこに行っても、誰と話しても話題の中心は『改正不動産登記法』です。

そもそもどの事務所でも基本的には業務の中心は不動産登記です。その中心業務に関る法改正ですし、申請書類自体が変わりますから、みんなの話題になるのは当たり前です。そんな中、今年の4月から司法書士には追い風の法改正があります。不動産登記法の改正さえなければ、話題になりそうな話なのですが、まだ誰ともこの話をしていません。それは『民事関係手続の改善のための民事訴訟等の一部を改正する法律』です。長い名前ですが、少額訴訟債権執行手続が創設されます。

司法書士が簡裁の法廷に立てるようになりましたが、債務名義を取得しても、その債務名義で強制執行することはできませんでした。裁判に勝っても、強制執行は自分でやるか弁護士に頼んで下さいという変な状態でした。これが限定付きですが、少額訴訟により取得された債務名義のみ執行手続を行えるようになります。

国民にとってはいい改正だと思いますが、司法書士にとって、やっぱり中心業務は不動産登記。改正のある3月7日以降にゆっくりこの話をしましょう。

2004年12月22日

無限責任

今日司法書士法人に勤務する司法書士と会いました。また先日東京司法書士会から司法書士名簿の追録が送られてきましたが、その名簿にも司法書士法人が増えてきました。(ちなみに大阪に出張した際に訪れた事務所も司法書士法人です。)あまり珍しくなくなってきたこの「司法書士法人」ですが、だからと言って急激に増えてる訳ではありません。

司法書士法人になると、支店が持てますし、施設や設備の共有による経費削減の効果もあります。また多少ですけど、税制上の有利な部分もあります。一番のメリットは、お客から見ると多くの司法書士が勤務している事務所に対する安心感などから来る収益の向上の部分にあると思います。(また年末年始ぐらいしか休めない私と違って、何人も司法書士がいれば、オフシーズンの旅費の安い時期に海外にだって行けてしまいます。)

羨ましいことが多いこの法人化ですが、だったらなぜ増えないのでしょう?以前この日誌でご紹介したように、司法書士法人の司法書士が全員無限責任を負ってしまうからです。長年の付き合いがあり、お互いに信頼していれば、この無限責任を負ってもいいかもしれません。しかし、法人化のメリットを最大限に享受するためには、かなりの司法書士が必要になります。お互い良く知らなかったり、お互いの仕事が見えなかったりすると、不安が多くて法人化できません。

弁護士法人を始めとして法人化や巨大化は、時代の流れかもしれません。しかし様々な場面で連帯保証を求められる中小企業の社長(本来は、有限責任のはずのただの大株主)と同じように無限責任が大きな障害として残っています。