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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2012年06月05日

非弁で司法書士逮捕 最悪


また司法書士の不祥事。

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非弁活動容疑:司法書士ら逮捕 過払い金返還請求
(毎日新聞 2012年06月05日)
 警視庁は5日、弁護士資格がないのに消費者金融に過払い金の返還請求をしたなどとして、東京都豊島区南大塚の債務整理会社社長、
小島辰夫(55)、中野区新井の司法書士、甲斐勝正(67)ら8容疑者を弁護士法違反容疑で逮捕したと発表した。
グループの大半は大手消費者金融をリストラなどで辞めた元社員ら。元勤務先の債務者名簿を持ち出し営業していたとみられる。(以下略)

報道だけでは、よくわかりませんが、大手消費者金融をリストラなどで辞めた元社員らが司法書士事務所の補助者であるなら、
逮捕まではされないはず。司法書士としての問題がありそうなのは、「元勤務先の債務者名簿を持ち出し営業していた」の箇所。
でもそれだけじゃ8容疑者も逮捕はないでしょう。

問題なのは、「債務整理会社」という会社の存在でしょうか?「債務整理会社」がバンバン過払い金の返還請求をしていたとすると、
それは間違いなく非弁。報道によると司法書士が140万円を超える和解をしていたとしてますが、それは非弁。

8容疑者を弁護士法違反容疑で逮捕というからには、債務整理会社社長が主導していたのかも。現段階ではよくわかりませんが、
いずれ月報司法書士なりに詳しく出るでしょうね。

この司法書士のHPがまだ閲覧可能な状態であるので、見てみましたが、司法書士の30年の実績とやらは、どっかに消えましたね。

弁護士との職域の微妙な問題で、逮捕までされた影響が、司法書士にとって少ないとは決して言えません。
頑張ってる多くの司法書士の足を引っ張らないで欲しいと思います。

情けない話。

2012年06月01日

「野村ホールディングス」の定時株主総会招集がすごすぎる件


株主総会の時期が近づいてきました。今日の日中も招集通知の内容を確認したりしていました。昨年と大きな変更もないので、
刺激のある業務とは言えません。

業務終了後、いつものように、ブログのネタを探しておりまして、2ちゃんねるで定時総会のネタがあったらしいので、
その話題の会社の招集通知を読んでビックリ。

話題になっているのが
「野村ホールディングス」の定時株主総会招集ご通知

第2号議案から第19号議案まで、株主提案のようですが、ぶっ飛んでいます。

第3号議案 定款一部変更の件(商号の国内での略称および営業マンの前置きについて)
提案の内容:当社の日本国内における略称は「YHD」と表記し、「ワイエイチデイ」と呼称する。
営業マンは初対面の人に自己紹介をする際に必ず「野菜、ヘルシー、
ダイエツトと覚えてください」
と前置きすることとし、その旨を定款に定める。

 

第12号議案 定款一部変更の件(日常の基本動作の見直しについて)
提案の内容:貴社のオフィス内の便器はすべて和式とし、足腰を鍛練し、
株価四桁を目指して日々ふんばる旨定款に明記する
ものとする。
提案の理由:貴社はいままさに破綻寸前である。別の表現をすれば今が「ふんばりどき」である。
営業マンに大きな声を出させるような精神論では破綻は免れないが、和式便器に毎日またがり、下半身のねばりを強化すれば、
かならず破綻は回避できる。できなかったら運が悪かったと諦めるしかない。

 

個人的に一番のヒットが13号議案。

第13号議案 定款一部変更の件(取締役の呼称について)
提案の内容:取締役の社内での呼称は「クリスタル役」とし、
代表取締役社長は代表クリスタル役社長と呼ぶ旨定款に定める。
提案の理由:
取締役という言葉の響きは堅苦しい。また昨年の株主総会で気がついたのだが、
取締役会では支配下の子会社の業績に関して全く取り締まっている様子がない。トマト栽培が儲かっていないという報告があった場合、
取締役会では「なぜ儲からないのか」「どうやったら儲かるか」を諮らねばなるまい。しかし「利益はそれほど出ていません」
で済ませるのは取締役会ではない。従って呼び方はいい加減なもので済ませることとする。

 

代表クリスタル役社長(笑)。

 

招集通知とにらめっこしている中で、代表クリスタル役社長なんて出てきたら、笑い転げて仕事になりません。

 

何で、天下の「野村ホールディングス」の招集通知が、こんなことになってしまったかというと、株主提案権というものを濫用されたから。

会社法の条文ではこうなっています。
(株主提案権)
第三百三条  株主は、取締役に対し、一定の事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。次項において同じ。)
を株主総会の目的とすることを請求することができる。
2  前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、総株主の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、
その割合)以上の議決権又は三百個(これを下回る数を定款で定めた場合にあっては、その個数)以上の議決権を六箇月
(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主に限り、取締役に対し、
一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。この場合において、その請求は、株主総会の日の八週間
(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。

一応株主なら誰でもできる訳ではなくて、上記の制限があります。(お金持ちなら、何してもいいとも読めますが。。。)

 

ぶっ飛んだ株主提案もだらだらとした長文だと困りますよね。会社法施行規則第 93 条にそこらを排除する方法があります。
こんなの実務であまり問題にならないと思ってましたが、こういう時に役立つんですね。

天下の「野村ホールディングス」、さすがに株式取扱規程で制限しています。

同社の株式取扱規程
(株主提案議案の株主総会参考書類記載)
第 13 条 株主総会の議案が株主の提出によるものである場合、会社法施行規則第 93 条第
1項により当会社が定める分量は以下のとおりとする。
一 提案の理由  各議案ごとに 400 字

 

100を超える株主提案を吟味し、今回の招集通知に泣く泣く記載を決められた担当者の方々の苦労を想像すると、
何とも言えない気分になってしまいます。

 

ブログが400 字を超える長文になってしまうので、詳細は、「野村ホールディングス」の定時株主総会招集ご通知(↓)
でご堪能下さい(笑)。


http://www.nomuraholdings.com/jp/investor/shm/2012/data/report108.pdf

2012年05月31日

これも仁和寺の法師


ちょっと変わったニュース。

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仁和寺に慰謝料命令 茶店不許可
「本当は節税対策」(京都新聞 5月31日)
 御室桜で有名な仁和寺(京都市右京区)が宗教的理由で、花見客に長年すき焼きを販売してきた茶店の営業を認めなかったことをめぐり、
茶店経営者ら3人が営業権の確認や慰謝料を求めた訴訟の判決が30日、京都地裁であった。松本清隆裁判官(冨田一彦裁判官代読)は
「不許可にした本当の理由は節税対策で、茶店側への配慮を欠く」として寺に慰謝料計120万円の支払いを命じた。(以下略)

仁和寺といえば、皆さんのイメージはどうでしょう。京都好きの方なら、御室桜でしょうか?

私個人的には、仁和寺といえば、徒然草。徒然草(第五十三段)に、これも仁和寺の法師というのがあります。高校受験の頃、
深夜にこの演習問題をやった記憶があります。内容が奇天烈なので、憶えていたのですが、古典好きの方なら、
ご存じの方もいるかもしれませんね。

一応内容を原文にて

これも仁和寺の法師、童の法師にならんとする名残とて、おのおのあそぶ事ありけるに、
酔ひて興に入る余り、傍なる足鼎を取りて、頭に被きたれば、詰るやうにするを、鼻をおし平めて顔をさし入れて、舞ひ出でたるに、
満座興に入る事限りなし。
しばしかなでて後、抜かんとするに、大方抜かれず。酒宴ことさめて、いかゞはせんと惑ひけり。とかくすれば、頚の廻り欠けて、血垂り、
たゞ腫れに腫れみちて、息もつまりければ、打ち割らんとすれど、たやすく割れず、響きて堪へ難かりければ、かなはで、すべきやうなくて、
三足なる角の上に帷子をうち掛けて、手をひき、杖をつかせて、京なる医師のがり率て行きける、道すがら、人の怪しみ見る事限りなし。
医師のもとにさし入りて、向ひゐたりけんありさま、さこそ異様なりけめ。物を言ふも、くゞもり声に響きて聞えず。「かゝることは、
文にも見えず、伝へたる教へもなし」と言へば、また、仁和寺へ帰りて、親しき者、老いたる母など、枕上に寄りゐて泣き悲しめども、
聞くらんとも覚えず。
かゝるほどに、ある者の言ふやう、「たとひ耳鼻こそ切れ失すとも、命ばかりはなどか生きざらん。たゞ、力を立てて引きに引き給へ」とて、
藁のしべを廻りにさし入れて、かねを隔てて、頚もちぎるばかり引きたるに、耳鼻欠けうげながら抜けにけり。からき命まうけて、
久しく病みゐたりけり。

あらすじ
酔っ払った仁和寺の法師が、調子にのって鍋をかぶって騒いでたら、
その鍋が抜けなくなりました。最後は力任せに引っ張ったら、耳鼻欠けたけど、ぎりぎり助かりましたとさ。

羽目を外しすぎて、調子にのった法師がいたお寺ですから、こんなニュースがあっても驚きません。

吉田兼好がニュースを知ると、

さこそ異様なりけめ

とまた書くんでしょうか(笑)。

2012年05月30日

東京法務局目黒証明書センター


目黒出張所が、平成24年6月11日(月)をもって渋谷出張所に統合されるからだと思いますが、

目黒区役所1Fに

「東京法務局目黒証明書センター」

なるものが開設されます。

詳しくは下記URLにてご確認下さい。
http://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/static/megurosyoumeisyo.pdf

出張所がなくなった代替措置ではなく、便利ですから、他の区役所等にも設置が進むといいですね。

2012年05月29日

司法書士とニューハーフとの接点


外国人に在留資格を不正に取得させるために、ダミー会社を設立した云々で、以前行政書士が逮捕されていましたが、
また同じような事件がありました。今回も同じ手口ですが、外国人は外国人でもニューハーフ。

夜の街に繰り出さない限り、司法書士とニューハーフとの接点はありません。強いてお仕事で絡むとすると代表的なものは、
性別の取扱いの変更。

性別の取扱いの変更をご存じない方は、だいぶ前のブログの記事

性別の取扱いの変更
http://shihoushoshi.main.jp/blog/archives/001423.html

をご確認下さい。

これも司法書士の仕事っていえば、仕事ですが、案件が少なすぎるので、この手続きをやったという人は知りません。
もちろん私も知りません。

でもニューハーフ。当たり前ですけど、子供はできません。若い頃は、いいかもしれませんが、養子縁組でもしない限りは、
老後の問題や相続、祭祀継承など司法書士と絡む可能性は少なくないと思われます。

ニューハーフの在留資格不正取得がみえみえの会社設立はやれませんが、相続の相談なんかは、一度話を聞いてみたいと思います。
気付かなかった視点とかいろいろありそうです。