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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2012年05月07日

鍵のかかった部屋 その2


連休はいかがお過ごしだったでしょうか?
連休中、ブログの更新しておりませんでしたので、今日も月曜日ネタ。前回のつづき。

月9の「鍵のかかった部屋」のお話。
第1話は、司法書士の現実的な実務の話や司法書士バッチなど、よく取材・調査されたという印象のあったお話でしたが、
2話目はちょっと問題が。

相続が絡んだ話だったので、人間関係を整理します。

密室の謎を解く話なので、殺人事件があります。殺されたのは兄。2人兄弟で妹がいます。

祖父・祖母ともに、たぶん数年前に死亡していて、4億円ほどの遺産を2億円ずつ、この兄と妹が相続しました。
祖父・祖母の間には、母と叔父がいます。
叔父には窃盗の前科があり、その関係で相続廃除されています。

孫である二人に遺産が残された理由として、「俺は企業法務しかやらない。」という拝金主義の弁護士(佐藤浩市)が堂々と
「母親は相続放棄したんだな。」との説明。その結果、4億円ほどの遺産を2億円ずつ、この兄と妹が相続したという内容になってました。

一般の方の相続のイメージだと、これで何もおかしくはないのでしょうが、現実には、母親が相続放棄すると兄弟が代襲相続
(親の代わりに相続すること)することはできません。

昔、大好きだった課長島耕作に商法の誤りがあって、とても残念に思いましたが、このお話も残念。密室のトリックは、
せっかくうまくできているのに、あとちょっと。

法律ネタのドラマや漫画には、それなりの監修者がいたほうがいいですね。

ということで、今日も月9。

2012年05月01日

鍵のかかった部屋 その1


世間はゴールデン・ウィークのようですけど、今日は5月1日。会社設立の申請があったので出てきました。とはいっても、
しっかり3日間はお休みを頂き、撮り貯めたドラマなんかを観ておりました。

以前のブログ「月9に司法書士が出るらしいが。。。」
http://shihoushoshi.main.jp/blog/archives/002473.html

で紹介した月9の「鍵のかかった部屋」もしっかり2話観ました。結局司法書士は1話にしか登場しませんでしたが、
司法書士役の堀部圭亮がちゃんと司法書士バッチらしきものをしていたのは、ちょっと驚き。誰かに借りたんかな(笑)?

ドラマでは、「俺は企業法務しかやらない。」という拝金主義の弁護士役の佐藤浩市が脇でいい味を出しています。
中小企業の社長の公正証書遺言書の作成に関与した司法書士がそもそもの謎を問いかけるという、本当にありがちな話で、
しっかりしてるなという印象を受けました。

で、2話も観たんですけど、ちょっとこれは問題ありまして、司法書士的には納得できないものでした。

が、それはまた次回。とはいえ今日も観るかな(笑)。

2012年04月26日

印鑑証明書添付は大変


商業・法人登記制度に関する意見書(日本弁護士連合会)


http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2012/opinion_120413_3.pdf

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商業登記規則第61条を改正し、
取締役会設置会社における取締役、監査役についても、設立又は就任時の登記の申請書には、
当該取締役等が就任の承諾をした事実を証する書面の印鑑につき、
市町村長の作成した印鑑登録証明書を添付しなければならないこととすべきである。

彼らの立場からすれば、もっともな意見ですし、そうしたほうが問題が起きる可能性は低くなります。

司法書士の方々は、この点どうお考えなんでしょうか?

取締役3名程度の取締役会非設置会社に関しては、現在も印鑑証明書を必要としているので、少人数の場合は、
あまり手続きに差がありません。

でもね。

株主総会議事録に代表印だけ押して、就任承諾書は議事録の記載を援用しているのがほとんどなので、
別途就任承諾書を作成しなければならなくなります。しかも印鑑の照合ができるように鮮明に押してもらうのは、それなりに大変。
印鑑証明書を準備してもらうのも、総務部や法務部の方からすると、かなりな負担。

規模の大きい会社になると、2週間内に登記できるか、結構ギリギリ。ましてや海外に取締役がいたりすると、準備が良くないと、
ほぼ2週間は守られないでしょう。

また、海外の会社が日本に進出する場合は、印鑑証明書を回避するために「取締役会設置会社」にするのが一般的ですけど、
これを全員サイン証明を準備して、就任承諾書を空輸してもらったりなんてことになると、ぞっとしてしまいます。

普段、とにかく実印での押印箇所が極力減るように減るように、工夫している立場からすると、これは大変。法務局も大変でしょうね。

弁護士が楽になると、こっちは大変。国民のためにある一定の工夫は必要だと思いますけど、
こればっかりは勘弁して欲しいのが司法書士の本音じゃないですかね?

2012年04月25日

すぐに役立つ 改訂新版 成年後見制度の法律と手続き

改訂版が出ました。

すぐに役立つ 改訂新版 成年後見制度の法律と手続き

ご興味ある方は、どうぞ。

2012年04月20日

オリンパスの臨時株主総会


例のオリンパスの臨時株主総会があったようです。

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オリンパス臨時総会で新経営陣の選任を可決、
元社長が決議無効の提訴も(ロイター 4月20日)
オリンパスは20日、東京都内のホテルで臨時株主総会を開催し、三井住友銀行元専務の木本泰行氏、
執行役員の笹宏行氏ら新経営陣の選任を賛成多数で可決・承認した。(略)一方で、総会で質問に立った元社長のマイケル・
ウッドフォード氏は、自身の解職理由に対する会社側の回答が不十分だとして、総会決議の無効を求める訴訟を検討する意向を示した。(略)

 

臨時株主総会の決議に関するお知らせ(オリンパス社HP)

http://www.olympus.co.jp/jp/corc/ir/data/tes/2012/pdf/nr20120420.pdf

 

あまり普段見ることのない「訂正後の計算書類の承認の件」が5期分で5議案あります。

総会の開催時間は10時、終了は12時59分。ほぼ3時間という長い株主総会だったようです。取締役には、
だいぶ居心地の悪い時間だったでしょう。

マイケル・ウッドフォード氏が会社側の回答が不十分としてるのは、
これのようです。↓

(取締役等の説明義務)
第三百十四条  取締役、会計参与、監査役及び執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、
当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、
その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。

 

司法書士の実務ではあまり問題にならない条文ですが、こういった背景のある役員変更登記は、気持ちよくやれるもんではないですね。

結局このまま終わるのでしょうか?