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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2006年05月17日

これから司法書士試験を受けようと思っている方へ

 『東京・港区の支部長の業務日誌&本音コラム 業務日誌も4年目に突入。
司法書士と漫画家のコラボレーション・ブログの行方は?』


この文章に見覚えのない方は、こちらをクリック。ya_01.gif人気blogランキング

 

 

 


司法書士という職業に興味を持ちまして、いろいろ調べた結果、私もなりたいと思ってしまいました。


年収200万とか300万という話も聞く中、家族を持っている私にはとても不安があるのですが、原田先生から見て、
いまさらと思いますか?


私は32才の会社員です。


先日こんなメールを頂きました。直前期の受験生は、
迷わず司法書士試験に向かって欲しいと思いますが、司法書士に興味を持ち始めた方、これから受験をしようかなと考えている方、
みんなそうですが、不安があるようですね。今日は、この方にお返事を書くつもりで。

 


司法書士という職業。このブログを読んで頂いている読者には、
ある程度の司法書士の仕事の中身は伝わっているんじゃないかな?と思っています。守秘義務の関係で細かくお伝えできない事がありますが、
それでも当たり障りのない範囲で説明しているつもりです。しかし私がブログに記載している業務はそのうちのほんの一部です。
私が一度も取り組んだ事のない業務を中心にやっておられる司法書士もいっぱいいます。

 


幅が広がった司法書士業務ですが、
地方では何でも対応できるジェネラリストとしての司法書士が求められると思いますし、
今後都心部ではある分野に特化したスペシャリストとしての司法書士が求められる時代になると思います。

 


また同じ司法書士でも所長、番頭、雇われなど立場が違えば、同じ分野でも、
仕事の中身はまるっきり違ってきます。また求められる資質も違います。また司法書士業務の中でも
面白そうな仕事=稼げる仕事とは言えない」
事情など、いざ自分が司法書士になって現実の世界を見ると「あれ?こんなはずでは。。。」みたいなことも色々出てくると思います。
うちのブログ(まず気合で全部読んで下さい(笑)。)だけではなく、司法書士という職業を十分研究してからでも遅くありません。
学生であれば、アルバイトして実際に働いてみるのも手ですね。今、サラリーマンをやっている方は、思い切って会社を辞める前に、
もっと司法書士という職業、司法書士試験を調べて調べて調べて判断されるべきです。
一度この世界を目指すと勉強に数千時間を費やしてしまいますから、焦らず研究して下さい。そして、
そこで分かったいろいろな要素を十分考慮して、司法書士を受験するか判断して頂きたいと思います。

 


明日は、余程のネタがない限り、
メール頂いている方の関心事でもある司法書士の年収は200〜300万円か否か、そして司法書士試験について説明します。

 


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今日はたくさんクリックありがとうございます。


応援クリックしたからといって、とんでもないサイトに行ったり、
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2006年05月16日

大きな非公開会社と小さな公開会社 完

このブログは4部作です。
4日前の分からお読み下さい。

 


私「ゆっくり聞いて下さいね。(理解させられるか???)」

 


私「整備法53条で、旧株式会社が、旧商法特例法上の小会社(旧商法特例法第1条の2第2項)
である場合の新株式会社の定款には、監査役の監査範囲を会計に関するものに限定する旨の規定(会社法第389条第1項)
があるものとみなされるんですが、旧商法特例法上の小会社でかつ公開会社、つまり御社のような会社については、
監査役の監査範囲を会計に関するものに限定する旨の規定を置くことが認められていません。つまり御社の場合、
御社の監査役の監査範囲が会社法施行と同時に会計監査のみならず、業務監査まで拡大してしまうのです。
そうなると会社法施行時の監査役は、その会社法施行と同時に任期満了となります。(会社法第336条第4項第3号)
会社法が施行されたら、登記しなければならない典型パターンでした。6ヶ月以内に登記しなければいけません
(←運用ではこうするそうです。)ので、今度の総会の時に処理していたら、間に合いません。。。」

 


(みたいな内容をゆっくり、分かりやすく説明しました。いや、
説明したつもりになりました(汗)。もちろん非公開会社への変更手続きもご説明しました。)


私「分かりにくかったですか?」


お婆ちゃん「いいえ、よく分かりましたよ。
今回は監査役の変更登記だけする事にします。」


私「事前にご案内すべきところ、申し訳なかったです。」


お婆ちゃん「いえいえ、今分かって良かったです(笑)。
それに任期を10年にしてしまうと、
二度と先生にお会いできなくなりますから(笑)。


私「・・・」(相変わらず寿命ネタだ。。。)

 


お婆ちゃんの会社の登記は無事に申請しました。
(また自転車に乗って来られました(笑)。)しかし、慌ててこの手のパターンになる会社がないか関与先を調べてみたら、
あるはあるはゴロゴロと出てきました(汗)。歴史ある会社の多くは登記懈怠にならないように、運用されている会社も多く、
こちらサイドからすると、安心なお客さんなのですが、さすがに今回のこのポイントまではご存知ないようです。
またこちらも目の前にある仕事の対応に追われ、うっかりしていました。ご迷惑をおかけしない内に、ご案内したいと思います。
時間かかりますが、司法書士、税理士の皆さん、今一度関与先をご確認あれ!!

 




2006年05月15日

大きな非公開会社と小さな公開会社 その3

 


次々に色々な壁にぶつかりながら、
また次々と新しい運用を知りながら新会社法による商業登記実務と向き合っております。当分色々落ち着かないでしょうね。
今日購入した本を含めて、最近購入した会社法・商業登記法の本に、次々と誤りを発見し続ける日々です。何を信用すればよいのやら?
数箇所間違いがあると、もう読む気しないです。。。

 


会社法の本の話といえば、前ブログでもご紹介した大学の同級生だった
「たーさん(仮称)」
から電話がありました。働きながらの司法書士受験生ですので、
忙しくてこのブログをあまり読んでいないようです。

 


たーさん「もしも〜し。」


私「はいは〜い。」


たーさん「本屋さんで、会社法の本を探してたら、びっくりしたよ。
見たことある名前を見つけちゃった。」


私「見つけたという事は、買ってないね(笑)?」


たーさん「うん(笑)。この時期、新しいものに手を出すのは危ないからね。
でも本まで出しちゃったんだあ。」


私「うん、時間あったら、ゆっくり読んでよ(笑)。で、今度受けるの?」


たーさん「受けるよ。何か毎年恒例になってるけど(笑)。」


私「7月なったら飲みますか?」


たーさん「そうしましょ。司法書士試験終わったら、電話するわ。」


私「そーして(笑)。」


といったやり取りがありました。次々とネタを仕入れてしまいますので、
会社法関連のネタが続きますが、そろそろ司法書士試験ネタもやりますね。

 


さて前置きが長くなりましたが、先週のつづき。


大急ぎでお婆ちゃんに電話しました。

 


私「もしもし、さっき言ったこと、忘れて下さい。」


お婆ちゃん「???」


私「てっきり御社に株式の譲渡制限に関する規定があるもんだと思っていました。


お婆ちゃん「???」


私「御社の設立年月日は昭和30年代ですよね。」


お婆ちゃん「はい。そうですよ。」


私「御社の登記簿謄本で確認したところ、
通常はあるべき株式の譲渡制限に関する規定がないんですよ。」(何を言わんとしてるか分からんだろうなあ。。。)


お婆ちゃん「???」


私「設立が古い株式会社に、
株式の譲渡制限に関する規定がないケースが多いのを失念しておりました。」


お婆ちゃん「はい。はい。」


私「御社のような会社を公開会社と呼ぶのですが、公開会社である小会社、まさに御社の監査役の任期は、会社法施行、つまり5月1日に満了しています。


お婆ちゃん「???」


私「ゆっくり聞いて下さいね。」


つづく。(前置き長くなりすぎですね。)

たーさんの見た本は

2006年05月12日

大きな非公開会社と小さな公開会社 その2

 


「新会社法、新会社法」とかかってくる電話はほぼ会社法がらみ。
知り合いの司法書士からの電話も全部「新会社法」。彼らの質問に私が細かい点まで即答してるのは、
ちょっと前にお客に聞かれて散々調べたばかりだから(笑)。みんな悩むところは一緒です。私は、新会社法マスターではありません。
ご安心あれ!でも
嫌でもそのうち慣れるかな
(笑)。

 


さて昨日のつづき。お婆ちゃんから電話があったところから。


お婆ちゃん「先生〜、お元気ですかあ〜?」


私「ああ、お元気ですか?」


お婆ちゃん「ええ、
まだ生きてますよ(笑)。


私「・・・(笑)。(愛想笑い)。。。」
(この時期に電話してきたの初めてだな。ん??)

 


お婆ちゃん「TVで見たんですけど、新会社法が始まったそうですねえ。」


私「良く知ってますね。そうですよ。」


お婆ちゃん「先生、お忙しいんじゃないですか?」


私「ええ、かなり。。。」


お婆ちゃん「ところで、うちは何か登記をやらなくてはいけないのかしら?」


私「(確かおばあちゃんの会社は、普通の株式会社(旧法の小会社、
譲渡制限あり)だったよな。。。)会社法に定款を合わせるのは、今度の総会でいいから、特に、今急いでやる事はないですよ。ただ、
今度の会社法で監査役を置かなくてもいいし、取締役も1名で良くなったし、色々あるんで今度の総会前にでもご説明しますよ。一応、
見ときますね。」


お婆ちゃん「すいませんねえ。助かります。」

 


電話を切った後、嫌な予感。



「お婆ちゃんの会社、確か設立古かったよな??」
ちょっと心配になったので、
慌ててお婆ちゃんの会社の登記簿謄本を確認。

 


「・・・やっぱり・・・ない。」

 


そう、普通はあるべき「株式の譲渡制限の規定がない」んです。
お婆ちゃんの会社は、昭和30年代に設立された会社。そして株式の譲渡制限が商法に導入されたのは「昭和41年7月1日」から
業界古〜〜〜い先生しか知らない商法の41年改正前に出来た会社です。昭和30年代に設立された会社は、譲渡制限がない事が多いんです。
つまりお婆ちゃんの株式会社は小さな小さな「公開会社」
です
。昨日の大きな「非公開会社」の選択したシンプルな機関設計は、このままだと「なし」です。
それどころか。。。

 


大急ぎでお婆ちゃんに電話しました。


(つづく。)

2006年05月12日

大きな非公開会社と小さな公開会社

 


新日鉱ホールディングス株式会社の中核事業会社である株式会社ジャパンエナジー及び日鉱金属株式会社は、
新会社法施行で認められた手法を早速活用し、株式会社ジャパンエナジー及び日鉱金属株式会社の両社を「非公開会社」とし、取締役会・監査役会・
執行役員会を廃止
します。(詳しくは、新日鉱ホールディングス株式会社HP「中核事業会社における新機関設計の採用について

 


株式会社というと、取締役会は絶対あるものだという認識を持たれている方、
ちょっと前までは「正解」ですが、5月1日からは、取締役会を置かなくてもよくなりました。全ての株式に譲渡制限を付ければ(非公開会社)、
会社の規模に関わらず認められます。持株会社傘下の事業会社では、もともと株式が譲渡される事を予定していませんから、
取締役会などを置かないシンプルな機関設計も「あり」ですから、
意思決定が迅速になるこんな選択肢を採用する企業も今後増えていくのではないでしょうか。

 


こんな大手のお話ではなく、町の小さい会社でも同様のことができます。
今までの商法では、「株式会社は取締役は3名・監査役は1名置かなくてはいけない。」という制限がありましたから、おとうちゃん・
おかあちゃんの2人でやっている会社も、無理に4名を揃えなければなりませんでした。でも今後は非公開会社であれば、役員はおとうちゃん・
おかあちゃんの2人のみでもOKとなります。中小企業の中には、親戚にお願いして、あるいは、
税理士さんにお願いして4名を無理やり確保していたところも少なくないはずです。今回の新会社法を活用すれば、
実態に合った役員構成がやっと叶います。

 

 


6月の定時総会が終わった頃、2年に1回、
同じ港区でもかなり遠い場所から自転車に乗って議事録を持って来るお婆ちゃん(ある会社の取締役です。)がいます。

 


「先生、お元気ですかあ?今年も登記お願いします。まだ生きてましたよ(笑)
。」


「・・・」
結構笑えないジョークに毎回絶句です(笑)。

 


登記懈怠(役員変更があった日から2週間以内に登記しないで、登記を怠ること。
過料に処せられます。)にならないように、必ず7月第1週の暑い日ざしの中、自転車でやってくる姿は、
法令順守という言葉が虚しく響くどこぞの企業よりも美しく見えます(笑)。

 


今日、そんな六本木ヒルズ等には住んでいないお婆ちゃんから電話がありました。

 

 

つづきは明日。(タイトルで明日のオチが見え見えですけど。。。)

 

受験生買ってね!!