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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2005年03月03日

ホリエモンのお手柄

ちょっと前までは、「新株予約権」といっても一般の人のほとんどが知らない用語だったのに、今ではほとんどの人が理解していなくても、聞いたことがある用語になりました。街頭で「この言葉を知っていますか?」みたいなインタビューがありますが、この一連の買収騒ぎがなかったら、少なくとも女子高生が知っている用語ではなかったはずです。でも今なら、数人は「聞いたことある。」と答えるのではないでしょうか?

同様に、この日誌で「今日は新株予約権のお話。」とか書いたら、以前ならすぐに読み飛ばされそうなテーマだったはずです。また以前よりは、新聞に商法に関する部分が丁寧に解説されたりしてきているようです。多少ではありますが、商法に関心を持つ人が結果的に増えたのは間違いない事実で、こればっかりは、ホリエモンのお手柄でしょう。

一応このサイトの基本コンセプトは、「一般の方にも分かりやすく法律をテーマにした内容をお届けする事」です。買収騒ぎのようなインパクトがなくても、一般の方が興味を持てる内容を提供していきたいと思います。最近ネタにいいオチがなくてちょっと気にしています(笑)。

話は変わりますが、明日は旧不動産登記法最終日です。ややこしい案件は明日中に申請しましょうね(笑)。

2005年03月02日

ライブドアの株式取得の経緯 つづき

昨日は失礼しました。おとといのつづき。
大学4年で履修した法哲学は、内定が決まった学生達には脅威でした。そもそも難しい上、採点も非常に厳しかったからです。かなりの割合の学生が追試を受けていました。せっかく内定をもらっても、留年してしまってはどうしようもありません。当時の就職が決まった4年生は、かなり前から法哲学のみの試験勉強をしていました。私も例外ではなく、そんな学生の一人でした。

そんな勉強の中で、法と道徳についての説明があったと記憶しています。「他人に迷惑をかけない。」「なにかの好意に対してはきちんとお礼をする。」これらの道徳は一般人のだれもが共通して持つ認識です。この広い道徳の中に「法」が存在する。といったような事が、法哲学の教科書の中に書いてあったと思います。他人には迷惑をかけないという道徳(決まり)をより狭めたもの、例えば「他人を殺してはいけない。」は人が決めた「法」という縛りとなる訳です。

話をライブドアの株式取得の経緯(立会外取引)に戻します。立会外取引という手法は決して誉められるものではありませんが、上記の法哲学の定義によると、広い道徳と狭い法の中間にあるものです。道徳的にはどうなの?という非難を浴びても、狭い「法」を擦りぬける手法ですから、すぐに違法とも言えない気がします。あらゆる分野への影響も大きい問題ですから、正当な判断がなされる事を期待したいと思います。

2005年03月01日

すみません。。。

昨日のつづきのはずですが、今日はこれから東京司法書士会港支部の役員会です。ちょっと更新厳しいです。すみません。

2005年02月28日

ライブドアの株式取得の経緯

どのチャンネルを見ても「ライブドアVSフジテレビ」のニュースが毎日のように放送されています。テレビでの露出が多いので、ライブドアを知らない人はほとんどいなくなったのではないでしょうか?うちの駅の広告とちがってすごい広告効果ですね(笑)。

幸い(?)なことにこの2社との間に守秘義務はありませんので、思ったことを書こうと思います。フジテレビ側の主張を支持する方の中には、ライブドアの株式取得の経緯(立会外取引)を指摘されているようです。

ちょっと話が逸れますが、昔私が学生だった頃(今は違うようですが)、早稲田大学の法学部では、法哲学が4年生の必須科目でした。4年生の必須科目ですから、当然3年生の頃に単位を取得する事はできません。早稲田の単位は割りと楽に取れていたのですが、この法哲学に関していえば、そんな事はありませんでした。試験範囲がありませんでしたし(学生からは大ブーイングでしたが)、過去10年同じ問題すらでていませんでした。「法」だけでも難しそうなのに、「哲学」まで付いている科目です。その難解さといったら、想像をはるかに超えるものでした。

話がさらに大きく逸れてしまいますが、事務所にその当時使っていた教科書(「法哲学」井上茂著)があったので、その「はしがき」部分をご紹介します。

本書は、法を対象とし哲学を方法とする法哲学を、「法の原理的考察」として展開するものである。すなわち、方法としての原理的考察は、対象にかかわる基本的なもの−法秩序の体系性と過程性−に向かってゆく。この探求は体系的明晰化の作業であって、法秩序体系の根底にある社会的・人間的要因が分析され、それらを素材として再構成することによって、体系内の過程構造が明確にされる。実定法秩序を貫いて機能している「原理」を把握するために、その定立・実現にかかわる要素の論理性に視点が向けられるだけではない。その過程では人間の思考と行動とが決定的な意義をもつのであって、法秩序化における倫理的契機を考察の射程内に、人間と法との基本関係としての、法に従う実生活者の批判的立場が活かされるのも、本書の大きな特長の一つになっている。

どうですか?読みたいですか(笑)?長かった学生生活の中で最も理解不能な学問でした(笑)。ライブドアの取得についての前提のお話のつもりだったのですが、あまりにもずれてしまいました。
つづく。

2005年02月25日

登記法改正のいいところ

新不動産登記法の施行まであと1週間となりました。司法書士の誰と会ってもこの話。未だ手続の詳細が分からず、不安な日々を送っています。憂鬱な新不動産登記法の施行でありますが、ちょっとだけいい事があります。

オンライン申請を前提とした今回の改正ですが、オンライン申請ができる訳ですから、当然当事者出頭主義も廃止されます。さいたまの上尾出張所以外はまだオンライン庁ではありませんから、それ以外の法務局には郵送で申請ができるようになります。不動産登記では申請だけでなく登記済証の回収がありますので、100%郵送で終わりという訳にはいきませんが、商業登記の部分は100%郵送で終了します。

というのも商業・法人登記では申請だけでなく、原本還付も受領証明書の交付も郵送できるからです。また郵送では、いつ受け付けられたかわかりませんから、申請ごとに法務局に確認しなければならないのかと思っていたら、なんと東京法務局管内では、受付日・受付番号・登記完了予定日が代理人のところへハガキが届くような運用をしてもらえるようです。(登記官のお話では1年ぐらいはハガキを出しますとおっしゃっていました。)うちの事務所は場所がら他の司法書士事務所と比べて商業登記が多いので、この部分に関しては大助かりです。

遠方の会社の登記も対応可能になりますので、東京以外の法人の方もお気軽にお問い合わせ下さい。(さりげなく営業中(笑)。)