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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2004年08月10日

法廷デビューの道 その21

この連載もそろそろ終了です。次回最終回になります。どうか最後までお付き合い下さい。
さて本題。
こちらの打ち合わせも済み、相手方が入ってきました。机をはさんで向かい合いますので、気まずい空気は相変わらずです。条件面での話し合いもまとまりました。
司法委員「じゃあ、和解調書を裁判官に読み上げてもらいましょう。裁判官に連絡取りますね。」そういうと司法委員は和解室から出て行きました。
狭く、暑い、小さな和解室には、たーさんと私と机の向こう側に被告。猛烈に気まずい空気です(笑)。目のやり場に困ってしまいました。
数分後、司法委員が戻ってきました。またみんなで法廷に移動です。
法廷には、すでに裁判官らが待っていました。再度ラウンドテーブルに着席です。
裁判官「じゃあ、読み上げますね。」と言って和解条項を読み上げていきます。
「1.被告は原告に対し、〜。」
中略
「6.訴訟費用は〜。」
裁判官「間違いなく払ってね。」と被告に念を押した後、「じゃあ、終わりです。」と言って我々の退席をうながしました。あっけないもんです。
法廷を出て、
私「債務名義(日誌にて既出)ゲットだね(笑)。良かったね。」
たーさん「ありがとね。でも大丈夫かな?」
私「あの内容なら大丈夫でしょう。」
そのままエレベーター・ホールに向おうとすると、たーさんが「まだ(被告が)いるから、ちょっと待って。」と言ってきました。そりゃそうです。裁判が終わって仲良く同じエレベーターに乗る必要はどこにもありませんからね(笑)。

2004年08月09日

法廷デビューの道 その20

今日は、長崎原爆の日。私の39回目の誕生日でもあります。来年40歳かと思うとクラクラしますが、30代最後の年を充実した年にするべく頑張っていきます。最近、さすがに「お兄さん」と呼ばれなくなってきましたが、それもそのはず、もういい年齢ですね(笑)。健康にも留意したいと思います。
昨日ようやく携帯を買い換えました。FOMAのおさいふ携帯『F900iC』です。名刺に印刷したQRコードも司法書士原田事務所のHP上のQRコードも動作確認できました。機能が多すぎて使いこなすのが大変ですけど、ぼちぼち使っていきます。
さて先週のつづき。
書記官と司法委員がどこの部屋で和解をやるか相談した後、その部屋まで司法委員について行きました。当然相手方も同行します。同じエレベーターの中にきまずい空気が流れます。
法廷の中も冷房のききが弱かったのですが、小さな和解室(四畳半ぐらい)はサウナのようです。
司法委員が先に被告と打ち合わせするというので、とりあえず、被告と司法委員を残して私とたーさんは別室に待機しました。何を話し合っているのか、ずいぶんと待たされます。
20分から30分待ってようやく呼ばれました。
法廷は全て公開されていますが、和解室の中は非公開です。中でのやり取りは省略します。(本当はここが面白いんでしょうけどね(笑)。)
司法委員とのやり取りは和気藹々といったかんじです。
法廷の中もそうでしたが、和解室でも全て質問は代理人である私にされます。
たーさん「代理人がいると、僕には何も聞かないんだね。」とちょっと寂しそうなことを言っていました(笑)。

2004年08月06日

法廷デビューの道 その19

昨日は失礼しました。なぜにこの時期忙しいのか、訳もわからず働いています。お客様の中にはそろそろ夏季休暇を取られる方も出てきました。私は、来週13日(金)のみお休みを取ろうかと思っています。(無理か??)
つづきです。
前回は自白が成立したところでした。
刑事ドラマで良くある「すいやせん、だんな。あっしがやりました。」も自白ですが、民事上の自白とは異なります。
民事上、口頭弁論において、当事者の一方が主張するその相手方に不利益な事実を相手方が認めた場合の当該事実は、裁判所はもはや証拠により認定ができなくなります。つまり「原告の言うここの部分はその通りです。」と言ってしまうと「ここの部分」については自白が成立し、裁判所はもう証拠がどうだとか証人がどうとかやれなくなるのです。相手が認めてる訳ですから、そこは裁判所は調べないのです。
今回のように全面的に「原告の言う通りです。」と被告が認めてしまうと、それで原告の勝ちになります。しかしながら諸事情があり、勝訴判決より、和解を選ぼうとの打ち合わせもありましたので、裁判官の「代理人、和解受けてもらえますか?」の質問に「はい。」と静かに返事しました。
自白が成立してしまったので、私がいっぱい準備した証拠を調べてもらうこともありません。(ちょっと寂しい(笑)。)

2004年08月05日

忙しくて。。。

ものすごく忙しいので、更新全然無理です。申し訳ない。はまってます(泣)。

2004年08月04日

法廷デビューの道 その18

去年の3月にはずみで始めたこの業務日誌もA4のワードファイル(フォント10.5)で200枚を突破しました。はずみで始めた割には、終わるタイミングを見失っています(笑)。懲りずにお付き合い下さい。
『法廷デビューの道』も長々やっていますが、やっと法廷の中に入りました。それでは、昨日のつづき。
傍聴席と法廷の間に小さな扉が2個あります。それぞれ原告と被告用です。当然原告の左の扉から中に入りました。ラウンドテーブル方式なので、中央に大きな丸テーブルがあるだけです。テーブルにどんな配置で座るかというと、『裁判官』から時計回りに『書記官』『被告(及び代理人、今回はいません。)』『原告及び代理人』『司法委員』の順に座ります。みんなが着席していよいよスタートです。
裁判官が訴状・答弁書をペラペラめくります。裁判が開始して30秒ぐらいでしょうか、裁判官が被告に「請求原因事実を全て認めますか?」と唐突に質問しました。被告は「はい。」との返事。
その瞬間私は、たーさんを突ついて「勝ったよ。」と囁きました。たーさんは、何が何だかわからないようです。
裁判官は答弁書の中で我々の主張に反論していない被告に念を押して、「請求原因事実を全て認めますか?(原告があーいう主張してるけど、そのとおりなんだね?」と質問してる訳です。これに「はい。(原告の言う通りです。反論ありません。)」と返事してますから、原告の主張が全部通ってしまう訳です。民事訴訟法でいう『自白』の成立です。