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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2004年04月05日

解散手続もお金かかりますよ。

特別研修の前半の大詰めです。
我々のグループはゼミナール提出用の訴状と答弁書作成といったところまで終りました。ちなみに休日は、土曜日3コマやりました。宿題のある受講者も大変ですが、チューターとしての3コマの予習も大変です。土日に集中して6コマ消化するグループもあるようです。受講者の予習復習の負担も多いと思いますが、それをこなせるチューターには頭が上がりません。
何が何でもチューターを断れば良かったというのも後の祭。ひたすらやるしかないですね。全国各地で似たような光景が繰り広げられていると思いますが、皆さん頑張って下さい。
時間がないので、ちょっと短くなりますが、会社の清算について。人間が死亡するように、会社も死亡させる事ができます。株式会社ですと、臨時株主総会を開催して会社を解散する決議をして、清算人を選任します。その後官報で公告し(債権者保護手続)、残余財産を株主に分配すれば精算結了(人間でいう死亡)となります。
人が死亡した場合、「死亡届を提出して終り」ではなく、通常お葬式等色々な費用がかかりますが、会社の場合も費用が色々かかります。(例えば官報公告だけで10万円程かかります。)また、債権者保護手続は2ヶ月を必要としますので、依頼頂いてから全てが完了するまで3ヶ月近くかかります。
これらの解散手続について、書類をちょっと法務局に提出すれば終りと勘違いされている方が多いようです。期間が3ヶ月と説明するとびっくりされますし、概算費用を説明すると、さらにびっくりされます。今から潰そうとしている会社に費用をかけたくない気持ちは理解できますが、官報の費用をおまけする訳にもいきません。中々納得されないかもしれませんが、自分で作った会社は最後まで面倒みてあげましょう(笑)。

2004年04月02日

ホームレス2

おとといのつづきです。
朝からそんな行動を取らざるを得ないホームレス生活者がホームレス生活者になってしまったの背景には何があるのでしょうか?
その殆どが借金苦だと言われています。借金苦から逃れる道として自己破産という手があります。徳政令のように借金がチャラになりますので、この道を選択する人が増えています。自己破産すれば、自分の借金はチャラになりますが、保証人の保証債務はチャラになりません。通常は、親兄弟・親戚・恩師・友達などに保証人になってもらっていますので、これらの方々に多大な迷惑をかけてしまう事になります。場合によっては、これらの保証人まで破産させてしまう事もありえます。保証人になったばっかりに、自宅を手放し、自己破産。当然主債務者を恨みに思うでしょう。主債務者の中には、平然とその恨みを受けとめて生活できる人もいるようですが、その恨みに耐えられずに行方不明→ホームレスとなってしまう人がいても仕方ない気がします。それ以前に自己破産すらしないで夜逃げしている場合も多いと思います。
また、7年間行方不明だと失踪宣告(民30条)すれば、死亡したことになります。その結果、保険をかけていれば保険金も入ります。また自分の債務も10年間で時効消滅します。このあたりの法知識が無いため、永遠にホームレス生活を続けている人がいるようです。我々に相談できれば、そんな生活から逃れられるかもしれません。そんなホームレス生活者など生活困窮者への法的支援を行っている司法書士の団体があります。「こんな日が来るのを待っていたんだ。」と涙ながらに相談する人もいるようです。
私のタバコを吸ったあの人が私に相談して涙する。そんな日が来るかもしれませんね(笑)。
追伸
グループ研修のチューターを甘くみてました。受講生より勉強しないと、教えられません。昨日引越しもしたのに、片付ける暇なしです(苦)。

2004年04月01日

4月1日のニュース

あっという間に4月になりました。
今日、4月1日から我々の簡裁代理権のカバーできる範囲が90万円から140万円に広がりました。正確に言うと簡易裁判所の事物管轄(カバーしうる範囲)が今日から140万円になりました。)これで業務範囲が広がる事になります。
また少額訴訟も今までの30万円から60万円まで引き上げられました。これで一般の方(一部のお金持ちを除く)の敷金返還請求はたいていカバーできる事になります。特に敷金返還は少額訴訟に馴染むものですが、30万円を超えている場合、今までは簡裁の通常訴訟で対応しなければなりませんでした。結構やりやすくなります。普通敷金は家賃の2ヶ月分ですから、1月の家賃が30万円までの事案に対応できる訳です。これを超える敷金返還の事案も実際にはあると思いますが、「そんないい所に住んでいる人は、(ほとんど会社の経費で支払っているんだと思います。)敷金ぐらいでチマチマ言うな。」ってのが私の本音です(笑)。
また登記情報交換システム経由での登記簿謄本及び印鑑証明書の取得手数料がそれぞれ100円ずつ値下がりしました。
【登記一口メモ】
平成16年4月1日より登記情報交換システム経由の取得手数料は
登記簿謄本(登記事項証明書)1100円→1000円
印鑑証明書600円→500円
となりました。これでどこで取得しても料金は同一です。
今日は、久しぶりちょっといいニュースが二つありました。
4月1日のニュースのためホームレスのつづきは明日やります。失礼しました。

2004年03月31日

ホームレス

東京は昨日雨が降りました。時間によっては、結構な雨量だったので、これはもう桜は散ってしまったかな。と思っていましたが、今日外出先のあちこちで見事な桜を見ることができました。新入社員時代に朝から花見のスペースを確保するお仕事をやらされていたのを思い出しました。最近では、ホームレス生活者が場所を確保し、そのスペースの使用権を販売しているそうです。いい時代なのか悪い時代なのか?
ホームレス生活者の話題になってしまったので、最近遭遇した「悲しいとき」を感じたことでも書きます。
先日の朝、雨が降っていました。バス停でバスを待っている間タバコを吸っていました。すぐにバスが来たので、バス停に置いてある灰皿に吸殻を投げ込みました。灰皿の中には、雨がたまっていたので、すぐに火も消えるだろうと、思った瞬間、横からものすごい勢いでホームレス生活者が飛び出てきました。雨には濡れていましたが、まだ火のついているタバコを灰皿の中から取り出すと、うまそうにタバコを吸い始めました。一瞬の出来事でしたが、ホームレス生活者と間接キスした結果になりました。淡い初恋の間接キスとは、程遠い結末に、朝から思いっきり悲しくなってしまいました(泣)。
これだけでは、単なる笑い話なので、明日はホームレス生活者を取り巻く法律関係についてお話します。
つづく。

2004年03月30日

土地管轄

いよいよ今日からグループ研修が始まります。チューターの名に恥じないようにちょっと予習しました。そんな中で見つけた今日のネタは、「土地管轄」。
例えばAさん(住所:東京)がBさん(住所:福岡)にお金を貸しました。Cさん(住所:大阪)がBさんの連帯保証人になりました。その後Bさんがお金を返してくれないので、Aさんは裁判をする事になりました。さてどこの裁判所に訴えればいいのでしょう??
民事訴訟法に、その説明があります。原則は被告の住所地です。(民訴第4条)(例でいくとBの住所である福岡の裁判所です。)これに加えて民訴第5条に財産権上の訴えについては義務履行地でもいいことになっています。金銭消費貸借契約における債務は持参債務(民484条)なので、原告Aの住所地である東京でもいいことになります。またAさんが保証人であるCさんも併せて訴える場合は大阪でもいいことになります。裁判は原告の主導で始まりますから、原告または原告の訴訟代理人が便利な裁判所に訴えるのが通常です。わざわざ飛行機代を負担して福岡まで行くお人好しはいません(笑)。逆に言うと、被告は受け身ですから、移送(裁判所の管轄が変更されること)されない限りは、交通費を負担してはるばる東京に出てこなくてはいけないのです。
この手の裁判の相談を受ける時に「にやっ。」となるのが、相手が遠方の時です。もともと簡易裁判所の案件ですから、訴額も大きくありません。相手方が遠方の場合は、わざわざ飛行機に乗って裁判所に出てきません。裁判を欠席すると裁判に負けてしまいます(例外あり)から、訴額と相手住所を聞いた所で、裁判に勝ったも同然となるケースがあるのです。こんな時はどうしても「にやっ。」としてしまいます。
細かく言えば例外がいろいろありますが、一応一般の方に理解してもらえる内容にしました。