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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2004年03月01日

負の遺産 その2

先週のつづき。(認可地縁団体の事は考えないで下さい。)
「あっちゃー。。。」私は頭を抱えてしまいました。昭和6年当時、ひいおじいちゃんは、この任意団体の代表者だったようです。代々代表者が死亡する前に若い世代名義へ登記すべきところ、たぶん戦争のドタバタで忘れ去られていたようです。
もちろん所有者である「ひいおじいちゃん」は、私が生まれるずいぶん前に亡くなっています。新代表者に変更する登記は、「ひいおじいちゃん」の相続人全員が協力しないと登記できません。
ご存知の通り、昔は子供が6・7人いてもおかしくない時代です。うちの親の世代(「ひいおじいちゃん」から見た孫)も7人兄弟です。「ひいおじいちゃん」の子供(つまり私のおじいちゃん)もずいぶん前に亡くなっています。またそのおじいちゃんの子供(私のおじ・おば)も何人かは亡くなっています。(相続人である子供が死亡していると、その子供・孫が代襲相続人となります。)
したがって、ねずみ算式に相続人が増えており、相続人確定のための戸籍等を集めるのも大変です。またおじいちゃんが亡くなった時に、遺産相続で相当もめた話を親に聞いているので、簡単にハンコももらえそうにありません(泣)。かなり大変な相続でも、赤の他人であれば、事務的に「ここに押印して下さい。」と淡々と作業を進められるのですが、身内となると、かなり厳しいです。報酬もかなり高額になりそうですし、小さな団体にはその予算もなさそうです。
つづく

2004年02月27日

負の遺産 その1

昨日の中間法人の話で、法人化のメリットについての説明が少し足りなかったなあと思っていたところ、今日それに関連する話がありました。
私の実家は宮崎です。実家の近くに小さい公民館があります。市民会館などと違って小さな地域の公民館です。(ちなみに小学校の頃、そこの敷地でラジオ体操などをしていました。)この公民館の建物・敷地の他に、お米を精米する精米所の施設など地域の人々が使う施設や土地がいくつかあります。これらの不動産の所有者は実質的にはこの小さい地域の人々の共有財産です。昨日説明した同窓会のように、この小さな地域の財産を管理する団体には、法人格がありません。(もちろん中間法人を設立すれば別ですが)。
不動産登記法では、法人格のない任意団体名での登記はできないことになっており、仕方ないので、その任意団体の代表者名義で代々登記してあります。
この代表者が死亡し、相続が発生してしまうと、その代表者の相続人全員が登記手続に協力しなくてはならなくなります。(印鑑証明書を準備したり、実印を押印したり)
そこで今回その代表者が高齢になってきたこともあり、相続が発生する前にこの不動産の名義を若い代表者に変更しようという話がありました。
いくつかの土地の登記簿謄本を取得し、内容を確認していると、その登記簿謄本に見覚えのある住所が記載してありました。なんと実家の住所です。驚いて所有者の名前を見るとそこには私の「ひいおじいちゃん」の名前がありました。
つづく。

2004年02月26日

同窓会も法人化?

昨日は同窓会出席のため、日誌の更新ができず、すみませんでした。「同窓会だったんだから、大目にみて下さい。」と言いたいところなんですが、実は高校の頃の同窓会といっても、我々の同窓会は各地で年10回以上開催されています(笑)。数十年に一度行われるような同窓会とは違いますので、とてもお気軽なものです。
せっかく同窓会の話になりましたので、今日はこの同窓会について。
同窓会といっても高校のクラスが一緒だったメンバーによる同窓会と早稲田大学などのマンモス大学全体の同窓会(早稲田だと「稲門会」)とは規模が違います。規模が大きくなればなるほど、事務所を設けたり、事務員を雇ったり、かかる経費も高額になってきます。ちょっと前までは、この同窓会には法人格が認められていませんでした。同窓会は営利を目的としていませんから、株式会社のような会社組織にはできません。また公益性もないので、財団法人や社団法人といった法人格も認められません。
法人格が認められていないので、事務所になるべき不動産を購入しても、その所有者は○○○○同窓会ではなく、その同窓会の代表者の個人や同窓会メンバー全員の共有となっていました。この状態で代表者などが死亡してしまったりすると大変なことになってしまいます。
ところが、平成14年4月1日に中間法人法が施行され、営利目的でもなく、公益性がなくてもその団体に法人格が認められるようになりました。任意団体であった同窓会も「有限責任中間法人○○○○同窓会」という法人を作れるようになりました。最近少しずつではありますが、この中間法人も増えてきました。
とはいえ株式会社のように課税されるので(最低でも年均等割りの7万円)、例え私が無料で設立手続をやるといっても、私の高校の同窓会は、法人化されないと思います(笑)。

2004年02月25日

ごめんなさい

今日は外出と面談で1日が終ってしまいました。地味なデスクワークが出来なかったので、本来は残業すべきところですが、こういう日に限って高校の同窓会があります。しかも既に同級生が事務所まで迎えに来ています。
そんな訳で今日はここらで失礼します。明日よろしくです。

2004年02月24日

過料の制裁

3回目の簡裁代理権取得の特別研修の日程が決まり、2回目の研修の考査の合格者も来月1日には発表になります。今でこそ代理権を持っている司法書士は少数ですが、3回目の研修後はかなりの数の司法書士が代理権を取得する事になります。泣き寝入りの多い少額の案件に対応される司法書士が数多く輩出される事を期待したいと思います。
さて今日は過料のお話。商法の中で異常に長い条文があります。第498条がその長い条文で、過料について説明してあります。ここでその条文を引用してしまうと、ものすごい行数かせぎと非難されそうなので、ここでは全文は紹介しません。(ご興味ある方は六法にあたってみて下さい。)
様々な場面で過料が発生すると説明されていますが、一番多いのは登記懈怠だと思います。Q&Aの中でも紹介していますが、役員変更の登記をサボっていると取締役は100万円以下の過料の制裁を受けることになります。実際の過料の額は懈怠している期間などで前後するようですが、まともに司法書士に報酬を払っているほうがずっと安上がりです(笑)。
この過料は取締役個人に対しての制裁になりますので、当然会社の経費にはなりません。
「裁判所から罰金を払うように言ってきました。なんとかなりませんか?」とご相談される方がたまにはいらっしゃいます。一応この制裁について異義を述べることが出来るのですが、異義が認められるのは特殊なケースのみです。したがって、ほとんどの場合は諦めて払うことになります。
「なんとかなりませんか?」との質問に「ずっとうちの事務所に頼んでおけば、良かったのに。。。」と冷たく答えたいところですが、素直に異義が認められるケースを説明したりしてます(笑)。