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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2004年01月23日

内容証明 その2

昨日のつづき。
ではなんで相手は内容証明を送ってくるのでしょうか?
[1]相手に心理的プレッシャーを与えるため
いろいろなところから頻繁に内容証明を受取っている人も中にはいますが(笑)、普通のかたは受取ったことがないですから、相当嫌なかんじを与えることができるわけです。このまま誤魔化し通せない状況に落し入れるのです。
[2]こちらが真剣であることを伝えるため
電話や普通のお手紙で伝えるだけでは、無視されたり、いい加減な変じをされたりします。ヘタしたら訴えられるかもしれないと相手に強く伝えることになります。弁護士の名前入りの内容証明などは、まさにこのためです。(通常弁護士に名前を入れてもらうと弁護士報酬が2・3万円アップします。)弁護士に依頼しなくても、「訴えてやる!」という意気込みを伝えるために、わざわざ裁判所の中にある郵便局から発送してもらうという姑息な手もあるようです。
[3]実際に裁判になった場合の証拠にするため
内容証明郵便を利用するといつ、どんな内容の文章を発送したかが公的に証明されます。通常は内容証明を配達証明付で出しますので、さらにいつ届いたかまでが証明されることになります。通常の取引では「意思表示は、相手方に到達して初めて効力が生じる」となってますから、この配達証明付が利用されるのです。そしてこの方法で取得した公的な証明を裁判の証拠とするのです。
原則は上記[1]〜[3]のために送られてくるのです。[1]や[2]でビビッて対応してくれれば、こちらの思惑どおりとなります。しかし簡単に言うことを聞いてくれない人に出している訳ですから、出しても対応してくれない場合も多いかもしれません。ビビッてくれない人にわざわざ内容証明を送るのは、専ら[3]のためです。[3]のための内容証明の文面の中には、ある意味「時限爆弾」が仕掛けられているのです。
つづく。

2004年01月22日

内容証明 その1

簡裁の代理権を取得してから、徐々にではありますが、裁判がらみのお仕事が入ってくるようになってきました。我々の代理権はあくまでも簡易裁判所におけるものですから、現行では訴額が90万円まで(平成16年4月1日より140万円まで)の範囲内のものです。この範囲内のものであっても、「代理権があるから、すぐに裁判しましょう!」とはなりません。だいたい最初は内容証明郵便を出すところからスタートします。
最近では、この内容証明もインターネット経由で出せたりできるようになりましたので、便利になりました。というのもこの内容証明郵便、すべての郵便局があつかっている訳ではありません。だいたい本局と呼ばれる大きな郵便局でないと扱ってません。ネット経由で内容証明を出せば、わざわざこれらの大きい郵便局に行かなくてすむのです。
この日誌を読まれている方は、過去にトラブルに巻き込まれたことのない平穏な生活を送っていらっしゃると思いますので、自分宛てに内容証明が送られてきた方は、あまりいらっしゃらないと思います。
もし万が一、将来内容証明を受取る事になっても、慌てなくてすむように、多少この内容証明についてお話したいと思います。
と書いたところで、つづきは明日。

2004年01月21日

弁護士報酬「相場」を公開

今日の日経新聞に『弁護士報酬「相場」を公開』という記事が載ってました。確かに一般の方からみると弁護士報酬は、わかりにくいものだと思います。新聞にも書いてありましたが、値段の表示のないお寿司屋さんのようです。しかも銀座のお寿司屋さんのイメージがありますね。弁護士に限らず、税理士などの多くの士業の報酬は分かりにくいものになっています。相場を小冊子にて公開するという日弁連の試みは、一般の方々の助けになると思います。以前お話しましたが、司法書士の報酬基準も昨年4月に廃止されましたので、現在では基本的にどの司法書士事務所が報酬をいくらにしようが自由です。現在のこの不透明な報酬体系は、一般の方にとってはちょっと不親切かもしれません。値段のないお寿司屋さん状態ですから、司法書士報酬に不安のある一般の方からお電話やメールで「父親が死亡したので、父名義の不動産の名義を変えたいんですけど概算でいくらですか?だいたいでいいんですけど。。。」という問い合わせがよくあります。丁寧に応対したいのですが、ぶっちゃけ「すぐにはわかりません。」抵当権の抹消など割りと簡単な内容のものであれば「2〜3万円ぐらいです。」とお答えできますが、この簡単なケースでもフタを開けると物件の所在がものすごく遠方にあったり(都合2回法務局に行きますから、実費交通費もけっこうかかります)、土地が一筆と言っていたのに、調べるとたくさんあったりと、金額が膨らんでしまうことがよくあります。相続なんかは、不動産の固定資産の評価証明書がないとまず計算できませんし、相続人が1人と50人では手間もずいぶん違ってきます。見積もり金額の大部分を占める登録免許税は、その不動産価格で決定されますので、司法書士会の小冊子は簡単には作れそうにありません。なかなか難しいですね。

2004年01月20日

可哀想な後見人

成年後見というと自己の判断能力の低下した(ボケた)方々をサポートする制度なんですが、可哀想なケースもあります。
何らかの事情で、第三者が自己の判断能力の低下した方と契約したい場合は、そのままそのボケた方と契約を締結しても意味がありません。そのボケた方の代わりに契約を締結できる後見人と契約することになります。契約したいのにこの後見人がいない場合は、後見人選任の申立てをすることになります。後見人には親族のだれかが選任される場合もありますし、我々のような職業後見人が就任する場合もあります。
徐々にこの成年後見の制度が広まりつつはありますが、まだまだ一般の方には馴染みのない制度です。あまりこの制度を理解されぬまま安易に後見人に就任してしまうと、裁判所から連絡がきたりしてビックリする事が多いようです。結構手間がかかることもいっぱいあります。
親族が後見人になる場合に、事前に「後見人の仕事、仕組み」を理解してもらうためにリーガル・サポートでは後見人養成講座を開いたりしています。これらの講座からこの制度を理解し、後見人に就任すればあまり戸惑うこともないと思います。
しかし、第三者がボケた方と契約したいためだけに、この制度を利用し、成年後見の仕組みも理解していない親族を後見人に就任させて、契約を締結して「後は知らんプリ」では、日々介護に追われる親族からしてみると負担が大きすぎます。介護の負担の重い親族が、裁判所に振りまわされる状態は本来の制度趣旨から大きく外れてます。ボケたお金持ちの回りには、いい人だけが集まることは少ないようです。(今日はちょっと真面目すぎましたね。)

2004年01月19日

無料法律相談

先週金曜日、新年賀詞交歓会に行ってきました。石原大臣など政治家もかなり出席していました。(遅れて行ったので会えませんでした。)司法書士もいかにも重鎮という方々が多く、私なんか場違いな雰囲気でした。
翌日司法書士会の法律無料相談があり、裁判関係の相談を受けてきました。うちの事務所に来られる方と違って無料相談ですから、相談にお答えすると、とても感謝されます。(有料のお客様が感謝しない訳ではない(笑)。)30分×6コマとかなりタイトなスケジュールでしたが、皆さん満足して帰っていかれました。敷金返還など少額訴訟案件が多く、費用をあまりかけられない事もあって、本人がなんとか自分で裁判を起こすための助言をするパターンが多かったです。相談に来られた方々はインターネットなどでこの無料法律相談を知って予約して来られたようです。実際このような無料法律相談がある事も知らず、泣き寝入りされる人もいっぱいいるんだろうと思います。
複雑な事案もあまりなく、うまく対応できました。しかし事務所で(当然有料で)やってる案件は、簡単なものだと思って安い見積もりを出したんですが、調べてみると結構複雑で、とても割りに合わない状態です。ちょっとはまってます(泣)。