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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2003年07月04日

誰にも聞けない質問

司法書士事務所によって得意分野・不得意分野は色々あります。「不動産登記」しかやらない事務所、「会社・法人登記」が中心の事務所、「裁判事務」、「破産」、「クレサラ」、「成年後見」と事務所・あるいは事務所所在地によって力を入れている分野は異なります。田舎の事務所で「うちは会社登記を中心に頑張るぞ!」といったところで、会社が少ない地方では生活していけませんし、「成年後見やるぞ!」と決めても後見人名簿に登載されていないと始まりません。また「訴えてやる!」と意気込んでも特別研修を受けて考査をパスしないと始まりません。
司法書士の仕事も色々ありますから、自分の不得意な事はそれを専門にしてる先生に教えてもらったりします。でも気軽に聞けるのはやっぱり、同期の先生です。
特種な事例の質問は、法務局や裁判所等と相談することもできますし、専門でやられてる先生に聞いても可笑しくはないです。でも初心者・受験生でも知ってそうなことは、今更誰にも聞けません。でも同期なら笑って教えてくれますし、同期には、大笑いして教えてあげます。
一般的な事務所は不動産登記が中心となりますから、会社・法人登記をしばらくやってない事も珍しくありません。今日もそんな会社法がらみの質問が同期からありました。聞くは一時の恥と言いますが、本当に誰にも聞けない質問でした。質問のやり取りを公開しようと思いましたが、同期の面目にも関ることですので、質問内容は省略させて頂きます(笑)。

2003年07月03日

もうすぐ司法書士試験

私の特別研修が終わり、暇になったので、大学の頃のゼミの同級生Sさんに連絡を取りました。「Sさん、飲まな〜〜い?」すると、「こっちは直前、試験終わったら飲もうよ。」とあっさり断られました。なんのこと?と思っていたら、司法書士試験を受けるみたいです。
例年だいたい第一日曜日に予定されていますので、本当に直前です。Sさんには受かってもらいたいところですが、不況で就職困難な時代ということもあり、2〜3%の狭き門。うまく突破できますやら?
司法書士試験はとにかく科目が多いです。憲法・民法・商法・刑法・不動産登記法・商業登記法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法の択一試験と、不動産登記法・商業登記法の事例問題をベースに申請書を書かせる、通称「書式」と呼ばれる記述式の試験が行われます。これに受かると口述試験。最終的に合格が確定するのは11月頃です。司法書士の実務に即した内容となっていますので、試験のメインは民法・商法・不動産登記法・商業登記法です。80%は最低でも取らないと受かりませんから、厳しい試験だと思います。私と一緒に試験勉強していた仲間も5年目ぐらいで諦め、皆就職してしまいました。とにかく人間の記憶力の限界に挑むような試験ですから、試験範囲をだいたいカバーできるまで2年ぐらい(専業受験生だと1日7〜10時間×2年)かかります。
2年も時間を投資していますから、回収しようとさらに数年をかけてしまって、泥沼にはまってしまいます。ちまたで評判のロー・スクールに行ったほうが早いかもしれません。年に一度しかチャンスがありませんし、精神的にもクタクタ・ガタガタになってしまいますので、あまりお薦めできる試験じゃありません。
もう一度やれ!と言われて絶対やりたくないのが、司法書士試験とキリマンジャロ登山です(笑)。受かるといいね。Sさん。

2003年07月02日

「不動産登記ネットでOK」

今日も日本経済新聞の一面より。毎日ネタが日経の一面にあると楽ですね。記事の見出しは「不動産登記ネットでOK」という軽い感じのものでしたが、業界的には大問題です。何が大問題かと言うと不動産登記申請がすべてオンラインに変更されるということです。現在不動産の売買があると、権利証・印鑑証明書・原因証書(売買契約書等)・住民票・委任状などを登記の申請書に添付して法務局に提出することで登記簿の内容が変更される仕組みになっています。オンライン申請になると、権利証がなくなり、登記識別記号(パスワード)に、委任状のハンコの代りは電子認証を付した委任データに変更されたものをネット経由で法務省に提出することになります。今でも権利証を紛失しましたなんて話は、たまにありますが、パスワードになると忘れちゃいましたという人が続出しような気がします。大規模な停電・サーバーのダウン・データの流出など問題点は数え上げたらキリがありません。司法書士事務所によってはまだネット環境にない所もまだまだありますし、一体どうなっちゃうんでしょうか??思ったよりも早めに導入されそうですが、安定稼動するまで業界内は不安でいっぱいといったところでしょうね。
今後は「パスワードを書いた紙を金庫に保管」なんてアナログなことになりそうです。
アナログな人が多いこの業界、とっても大変そうです。前職(ロイター時代)とは全く無関係な業界だったはずですが、ネットワークの知識が重宝しそうです。
P.S.
私の師匠のT先生の日課でもある「毛筆による権利証の宛名書き」が無くなるのかと思うとちょっと寂しい気がします(笑)。

2003年07月01日

パスポートの再発行

6月末の債権譲渡登記も終わり、とうとう7月です。今日からタバコ税が値上りしましたが、ヘビー・スモーカーの皆さんは買いだめされましたか?私はたっぷり買いだめしときました。
7月になり、なんやかんや苦しみながらも業務日誌はめでたく5ヶ月目に突入しました。(業務日誌というより、最近コラムのようになりつつあるのが気になりますけど。)今後ともご贔屓に。
今日はまた恒例の成年後見の面談の日。2週間ほどイタリアに旅行に行くので、日本を留守にしますとのこと。ロイターの社員の頃と違って、すっかりドメスティックになった今、海外旅行は夢のまた夢。羨ましい限りです。老いてますます盛んな様子にちょっと安心しました。海外でトラブルに巻き込まれないことを祈るばかりです。
海外でのトラブルといえば、ロイターに入社して初めての出張でクアラルンプールに行った時のこと。いよいよ帰国という最終日にパスポート・お財布・航空券を盗まれたことがあります。一緒に出張に行った同僚が次々と帰国して行くのを寂しく見送り、日本大使館でパスポートの再発行をしてもらいました。大使館からの帰り、交通事故に遭うし、自分の運のなさにクラクラした記憶があります。とはいえ、結局パスポートの再発行に1週間かかったので、公休扱いになり、のんびりとバカンスを楽しめたので良かったのかもしれません。ただ、久しぶりに出社した時、部長のトムに「お前誰?」とか「あのままクアラルンプール・ロイターにいれば良かったのに。」と言われたりしたので、自分の将来がすごい不安になりました(笑)。

2003年06月30日

「1円起業、無条件に」

今日の日経新聞の第一面に「1円起業、無条件に」という記事が掲載されました。お読みになった方もいらっしゃると思います。
【登記一口メモ】現行では株式会社の最低資本金は1000万円、有限会社は300万円です。この最低資本金のハードルが高いため、なかなか起業しづらい環境にありました。そこで今年2月より最低資本金規制の特例が設けられ、ハードルは多少低くなりました。(詳しくは事務所のHP)
この制度も設立後5年以内に最低資本金まで増資したり、場合によっては有限会社などに組織変更しなければならないという制約がありました。この部分に抵抗を感じる起業家の方もかなりいらっしゃいました。アメリカでは1ドルからでも会社設立できます。それを見習ったのかどうかはわかりませんが、2005年予定の商法改正により、無条件の1円会社の設立が認められそうです。
今1円会社を設立しても、この改正があれば5年以内の制約を受けないことになります。ますます起業のハードルは低くなり、産業の活性化に繋がっていくと思います。その反面、未熟なビジネスプランに基づく安易な起業も数多くなされるでしょう。しっかりとプランを練った上で慎重にこの低いハードルを越えてもらいたいと思います。
お前は何様じゃと怒られそうな建前の意見はこのくらいにして、ここから本音トーク。
正直この記事を見た時、やられたな。と思いました。最低資本金特例のお勉強、準備、実務にかなり時間を割きましたから、「おいおい、あれだけやらせといてなくなっちゃうのかよ。」と思いました。また5年以内に増資や組織変更または解散という登記手続が時限爆弾的に仕込んでありますから、我々司法書士にはおいしい仕事だった訳です。(←滅茶苦茶本音です(笑)。)
しかし冷静に考えると、単純に会社を設立しようという人がかなり増えますから、仕事量的には変わらないか、むしろ増えるのかなとも思います。フタを開けてみなければ分かりませんが、今後も商法には振り回されそうです。