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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2003年04月17日

住居表示から地番がわかる優れもの

今日港出張所に行くと、不動産部門に新しい端末が設置してありました。
住居表示から地番がわかる優れもの端末です。いろんな出張所に導入されているので、目にされることもあるかもしれません。タッチパネル方式でなかなか快適です。
「住居表示から地番がわかる優れもの」といってもピンとこないかもしれません。
一般の方だと住居表示と地番の違いがわかってらっしゃらない方が多く、住居表示さえわかってれば、すぐ謄本取れると思っておられるみたいです。実際地番がわかってないと謄本を取得するのも面倒なんです。遠い管轄の謄本を他の司法書士に取得してもらう場合も「え〜、住居表示?」と露骨に不快感を表す先生もいるぐらいです。でもこの端末さえあれば、だいぶ違ってくるんじゃないでしょうか。以前お話した他の管轄の謄本が取得できるシステム(登記情報交換)では地番がわからないと取得できません。地番さえわかっていえば、すぐそばの港出張所でとれるのに、わからないとわざわざ他の管轄まで取りにいったりしないといけないのです。謄本取得を頼まれるお急ぎの方は「地番」でお願いします。
このネタで笑いをとろうと思って考えたんですが、無理です。
それに今日は高校の同窓会があるのでこのへんで失礼します。
【登記一口メモ】
住居表示と地番の違い…普段われわれの呼んでいる「住所」と法務局で不動産登記簿謄本を取得する際の「地番」とは同一ではないのです。住所(○○区○○町○丁目○番○号)はあくまでも住居表示であり、登記簿謄本を取るのに必要な不動産の正確な所在地とは違うのです。住居表示しかわからないときは、事前に登記簿上の地番・家屋番号を登記済証(いわゆる権利証)により、あるいは、法務局に備付けの地図又はブルーマップ等により確認します。詳しくはQ&A登記簿謄本の取り方をご覧下さい。

2003年04月16日

ボケたらどうする?

昨日の続きです。今日の題名は書士会が配ってる冊子のタイトルです。
事務所にいっぱいあるので、持ってって下さい。
財産目録を作成するのが大変なんですが、今回は依頼者が財産目録をご自分で、しかもWORDとEXCELを駆使して作られていたんで助かりました。(←ふつうありえないです(笑)。)
【登記一口メモ】
任意成年後見制度とは身寄りのないお年寄りが老後(特にボケがきたような場合)の不安を解消する制度です。
ボケる前(本人の意識がしっかりしている段階)に任意成年後見契約と委任契約(任意代理契約)を締結します。(公正証書によります。)自分の意識がはっきりしている段階でだれに老後の財産管理などを任せるかを決めるのです。
契約締結後どうなるかというと、具体的にはまず、1月に1度後見人になった私が委任者であるお年寄りと面談します。日常生活に支障がない場合は、それだけです。
意識がしっかりしている場合でも突然の事故などに巻き込まれ、日々の生活に支障がでてきた場合、もともとの契約内容に記載されている範囲の代理権が私に付与されます。例えば入院した病院の入院手続・病院への支払をはじめ、各種の財産管理を私がすることになります。(これが委任契約(任意代理契約)です。)当然大切な財産を管理しますので、私をチェックするために社団法人成年後見センター・リーガルサポートが後見監督人となります。
突然の事故もなく、平凡に月1度の面接をしている内に「あれ、この人ボケたんじゃないかな?」という時期がきてしまった場合、医師と相談し家庭裁判所に対し任意後見監督人の選任を申し立てます。
この時点で、任意成年後見契約がスタートします。ちょっとわかりにくいと思いますが、委任契約(任意代理契約)の段階では委任者は正常な判断ができるのに対し、任意成年後見契約の段階では委任者は正常な判断ができなくなっています。その後は委任者がこういう風に生きたい、こういう風に財産を使いたい、残したいというご本人が決めたライフ・プランにそって財産管理などを行っていきます。

2003年04月15日

任意後見契約を締結してきました。

今日も類似商号のお客様はお見えになりません(笑)。
今日は、任意後見契約と委任契約(任意代理契約)を締結するため、委任者(依頼者)と監督人になる社団法人成年後見センター・リーガルサポートの代理人の先生と公証人役場に同行しました。平成12年にできたばかりの制度で、また港区で初めて社団法人成年後見センター・リーガルサポートを関与させての契約締結ということもあり手探り状態でここまできましたが、契約締結後、依頼者に「ようやくこれでホッとしました。」と言われました。
私が港区での契約締結1号となりましたが、新しいこの制度が知られていないだけで、必要とされる方はまだまだいらっしゃるように思います。司法書士の事務の負担が重く、なかなかやってくれる司法書士の先生があまりいらっしゃらない点も今後の課題としてあるように思います。また財産があまりない方がこの制度を利用し易くする点もなんとかして行かなければなりません。
「ホッとしました。」という言葉を裏切らないよう頑張ります。
今日はちょっと真面目な話でした。明日はこの制度を解説します。
と、ここで全体を読み返しました。文章堅すぎですね。だからって読み飛ばさないで下さい。

2003年04月14日

だから大安は昨日だって! -その2-

先週末のつづきです。
しょーがない。これで申請するか。と書類をまとめようとしたとき、定款を見てたいへんなことに気づきました。
なんと超有名企業と似た商号。しかも目的の一部が同じ。(類似商号の調査をするまでもない。)
一瞬固まってしまいました。
私「あの〜。この商号だと登記は無理ですよ。」
客「えっ?だって公証人がいいって言ってました。」
私「公証人は類似商号をわざわざ調べてくれませんよ。だってこの株式会社○○○○ってここの管轄にあるのご存知でしょう?」
もう今日提出は無理、申請はあきらめました。4時55分。
客「だってこれじゃないとダメなんです。」
これじゃないとダメって言われてもねえ。
客「なんとかなりませんか?」
私「目的が重複してる部分を削除しなくちゃいけませんね。」とその部分を指差す。
私「それか、この株式会社○○○○が商号を別なものに変更してくれれば、登記できますけど。」
客黙り込む。さらに追い討ち。
私「類似商号の調査なしで、定款の認証をやること自体が無謀ですね。定款認証もやり直さないといけませんよ。場合によってはまた認証費用(10万円弱)がかかるかもしれませんし。。。」
客「類似商号はだれが決めるんですか?」
私「法務局の登記官です。」
なあんだ。この人が決めるんじゃないんだ。とホッとした表情。
客「だったら登記できるかも知れませんね。」
そんな訳ないでしょう。
私「でも登記官も法律にのっとって判断しますから、結論は同じですよ。」
こんな融通の利かない人としゃべってもしょうがない。という雰囲気。
「でも登記官は私なんかよりずっと融通の利かないんですけどね。」と心の中でつぶやく。
よくよく書類を見ると銀行の出資払込金保管証明書にも株式会社○○○○の文字が。
銀行の担当者もよくこれで稟議あげたなあ。誰かが一言注意すればこんなことにはならないのに。
私「全部仕切り直したほうがいいんじゃないですか?」
客「月曜日に法務局で相談します。類似商号だと言われたらまた相談に来ます。」
「カンペキに類似です。」と心の中でまたつぶやく。
私「わかりました。またお待ちしてます。」(確信的に)
というやり取りが先週末ありました。
予定では今日法務局で相談してるはずなんですけど、今日お客様はお見えになりませんでした。
あの状況をどうにかするのは、素人の方には難しいと思うんですけど、どうしたんでしょう?
司法書士が関与してあの状況はありえませんから、どうやったのか私も聞いてみたいです。
本当に、このままあのお客様が再びお見えにならないとすると、株式会社○○○○が登記されるんでしょうか(笑)?
【登記一口メモ】
類似商号…同じ管轄の法務局で既に登記されている商号、目的(会社の事業内容)が同一の場合、その商号を使用することはできません。

2003年04月11日

だから大安は昨日だって!

ネタとして昨日の続きは厳しいなあと思ってましたが、今日午後4時40分にアポなし、飛び込みのお客さまがいらっしゃいました。この方が今日の日付けにこだわっていらしたので、めでたく昨日の続き。
登記申請の法務局の受付は一応5時までです。(といってもギリギリだと嫌がられますから4時30分までには申請することにしています。)
今日4時40分にいらっしゃったお客様は有限会社の設立希望のお客様でした。
有限会社設立書類セット(全部白紙)と認証済の定款、印鑑証明書、銀行の保管証明、実印をお持ちでした。以下お客様とのやり取りです。
客「法務局でOCR用紙(コンピューターで登記内容を読み取る用紙)にタイプしないとダメだと言われたので、作ってもらえますか?」
私「ああ、いいですよ。」
こういうお客もたまにいるなあと思いつつ、客の目を見る。
客「急いで下さい。」
私「えっ?まさか今日申請するつもりですか?」この時点ですでに4時45分。
客「そうです。これ(OCR用紙)ないとだめって、法務局の人に言われたので。」
机の上の全部白紙の有限会社設立書類セットに目をやり、
私「でもこれ(有限会社設立書類セット)全部白紙ですよ。」
客「間に合いませんか?」
間に合うわけないです。と思いながら、
私「どうしても今日申請じゃないとダメですか?今日大安じゃないですよ。昨日は大安でしたけど。」
客「今日じゃないとダメなんです。」
私「でもこの時間じゃどうやっても無理ですよ。」
客「でも法務局の人がこの近くの司法書士なら大丈夫って言ってましたよ。」
腕組みをして考えこむ。
私「来週の水曜日の大安とかじゃダメなんですか?」
客「今日がいいです。」
いったい今日にこだわる理由ってなんだ?と思いながら、さらに考えこむ。
私「残りの時間で完全な状態で申請なんて無理ですけど。。。」
【登記一口メモ】
ちなみに会社の設立日は登記申請をした日です。ある程度書類が揃っていれば、補正(申請後、書類などの不備の訂正・補完をすること)になるとしても(司法書士の申請で補正になるのは情けないです。)、今日申請すれば、今日の日付で受付られるますから、なんとか登記簿謄本には会社設立の年月日は4月11日と記載されます。
でもこんな白紙だらけで申請しちゃったら、「先生いいかげんにして下さい。」って登記官にメチャメチャ怒られるなあ。などと考える。時計に目をやる。4時50分。
私「どうしても今日なら、不可能じゃないですよ。」
登記官がひっくり返るような申請になっちゃうな。でもこんな場合じゃしょうがないしな。
私「ただ補正になるので、書類の補完に何度か足を運んでもらうかもしれませんよ。」
客「それでもいいです。」
しょーがない。これで申請するか。と書類をまとめようとしたとき、定款を見てたいへんなことに気づきました。
つづく