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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2013年03月06日

丸源ビルの看板

丸源ビルの看板を何度見たことだろう。東京の方なら、ご存じでしょうが、繁華街に、あの看板は、よく目立ちます。
ちょっと試算してみたところ、4000日〜5000日くらいは、このビルの看板を見た計算になります。

私が、いかに繁華街に出没しているかという話ではなくて、今日は、この会社の登記のお話。まずは、ニュースから。

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丸源ビル、11社を設立・本店移転16回
(読売新聞 3月6日)
 東京・銀座などで「丸源ビル」を展開する不動産会社グループの脱税事件で、「丸源」(中央区)社長の川本源司郎容疑者(81)は、
グループ会社を少なくとも11社設立した後、計9回の商号変更と計16回の本店移転を繰り返し、
最終的に9社を清算していたことが分かった。東京地検特捜部は、税務調査での脱税発覚を免れるための工作だったとみて調べている。(略)

関連会社設立・・・11回
商号変更・・・9回
本店移転(たぶん管轄外)・・・16回
関連会社清算・・・9回

「こういう会社には、気をつけなさい。」のお手本のようなやり方。複数回の本店移転や商号変更も登記簿を見れば、誰でも分かります。
でもこういう方法で、本当に脱税発覚を免れられるんでしょうか?

閉鎖登記簿の確認くらい、調査の段階でやると思いますが、管轄が変わると継続的な調査ができなくなりやすいということなんでしょうかね?

報道からは、これだけの事実しか分かりませんが、実際はもっと複雑な仕組みなんでしょうかね。

2013年03月04日

平成25年4月1日から登記手数料が値下げ

平成25年4月1日から登記手数料が値下げされます。

登記簿謄本(登記事項証明書)の印紙代は、2年前に1000円から700円に値下がりしましたが、来月から更に安くなります。

登記事項証明書(通常の書面請求) 700円 → 600円
登記事項証明書(オンライン請求・送付) 570円 → 500円
登記事項証明書(オンライン請求・窓口交付) 550円 →480円
印鑑証明書 通常の書面請求 500円 → 450円
証明(地図等) 500円 → 450円

郵送料を考えると、窓口交付はもっと安くなってもいい気がします。窓口交付(うちの事務所の場合)は、今回もまた端数が出ます。
どうせなら400円くらいにしてほしかったですね。

ちなみに、一般の方への影響は少ないですけど、なぜか本支店一括登記申請は300円のまま変りません。

詳しくは、登記手数料についてのお知らせ(法務省HP)をご覧下さい。
http://www.moj.go.jp/content/000108361.pdf 

2013年03月01日

シューシュポスの神話

疲れています(笑)。

朝から晩まで議事録・議事録・議事録。
好きで選んだ分野なので、納得はしていますが。

やっと納品できたと思ったら受信トレイにまた議事録・議事録・議事録。
修正し納品。
受信トレイにまた議事録・議事録・議事録。

そういう作業を繰り返しているうちに、大学の英語の授業で読まされたカミュのシューシュポスの神話を思い出してしまいました。

ちなみにシューシュポスの神話は、神に逆らい罰として大きな岩を山の上まで運ぶというもの。
頂上まで運んでもすぐ頂上から岩は転がり落ちる。運んでは転がり落ち運んでは転がり落ちの無限の反復。
でも彼はそこに悦びを感じるというような話。

カミュの書く不条理は、大学当時は理解できないものでしたが、今もさっぱり(笑)。

悦びを感じるところには、至りません(笑)。

2013年02月26日

200〜900の会社が分割・再分割

またしても多重債務者が食い物に。

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<会社分割>制度悪用し架空会社 容疑の男逮捕 広島県警(毎日新聞
2月25日)
 会社分割制度を悪用し、架空会社を作ったとして、広島県警は25日、電磁的公正証書原本不実記録・
同供用の疑いで東京の男1人を逮捕した。(略)10社以上の社長に名義を貸したという生活保護受給者らによると、
報酬は1件当たり2000〜3000円だった。(略)買収した休眠会社などから、「ゲデュア」を含めて200〜900の会社が分割・
再分割されて設立された。(略) 法人登記簿によると、内装会社が半年後に20社に分割されたり、別の内装会社は11社に分割された後、
うち1社がさらに8社に再分割されていた。

通常の株式会社設立に比べて、かなり安く設立できる場合があるので、一時期会社売買のブローカーが多用していた方法です。
依頼者の無知につけこんで、新設分割した会社を渡すこともあったのではないかと思っています。

20社に分割された内装会社の登記簿は、異常と言うしかない状態なので、「この規模の会社なのに会社分割の記載がある。。。
ちょっと怪しい。」と思ったら、分割元の会社の登記簿を調査してみるといいかもしれません。

今回も代表取締役として、登記簿に記載された生活保護受給者も、実印押して、
印鑑証明書を渡して2000〜3000円で悪者に協力した人がいます。社会的な弱者を利用したひどい手口ではありますが、「実印押して、
印鑑証明書を渡す」ということがどういうことか社会的な弱者でも、十分反省すべき。

これだけ汚い登記簿となると、手続きに司法書士が関与しない本人申請のはずで、
犯罪収益移転防止法も役に立たないという残念な状態です。

なんかバラバラでまとまりがない文章になってしまいましたが、勘弁して下さい。

2013年02月22日

ペーパー会社にご注意

多重債務者がこんな形で食い物にされています。

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投資詐欺悪用のペーパー会社売る「道具屋」
逮捕(読売新聞 2月22日)
 大阪府警は21日、虚偽の会社設立登記をしたとして、大阪市中央区伏見町、自営業筒井弘志被告(66)(詐欺罪で公判中)
を電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で逮捕した。(略)
 発表では、筒井被告は2011年5〜9月、東京都内の法務局に、多額の資本金があるように偽造した通帳のコピーを提出し、
実体のない貿易会社など2社の設立登記をした疑い。容疑を認めているという。
 府警によると、筒井被告は多重債務者らを無断で代表者に据えて約50社のペーパー会社を設立。
会社名義の通帳約200通と携帯電話約200台を契約、詐欺グループなどに1社当たり100万〜200万円で転売、
約1億円を売り上げていたとみられる。

【多重債務者らを無断で代表者に据えた手口】
記事には、「多重債務者らを無断で代表者に据えて」とありますが、株式会社の代表取締役として、多重債務者を登記するためには、
その多重債務者の印鑑証明書とその実印が必要になります。何らかの理由で預かった印鑑証明書と実印を悪用したようです。いかなる理由であれ、
他人に印鑑証明書と実印を渡すことのないように、気をつけてもらいたいと思います。

【多額の資本金がある会社を設立した手口】
株式会社の設立には、商法時代は、金融機関の発行した払込金保管証明書が必要で、偽造はそれなりに難しいものでした。現在の会社法では、
払込金保管証明書の代わりに、銀行の通帳のコピーの提出となりましたから、金額の改竄ははるかに容易になっています。しかもそのコピーは、
1社だけではなく、複数の会社のものとして使用しても、登記は可能ですので、
このような50社のペーパー会社を設立することも難しいことではなくなってしまいました。
ちなみに合同会社では、そもそも銀行の通帳のコピーも必須ではないので、適当に作成した領収証を悪用した可能性もあります。

司法書士が手続きに関与したとしても、通帳の原本の確認まではしないことが多いと思われますので、事件に巻き込まれてもわかりません。
高額な資本金による設立の場合は、このような可能性も考慮して、慎重な手続きを行う必要があるようです。