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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2012年03月02日

誰でもボケる可能性はある


小学校低学年の頃の総理大臣は田中角栄氏でした。たぶん物心ついた頃の総理大臣ということもあり、かなり印象に残っています。
どこのクラスにもいそうな田中君をからかっていた記憶が薄らあります。

今の若い人は知らないと思いますが、田中元総理大臣といえば、ロッキード事件。
「記憶にございません。」「ピーナツ」などは、流行語になってしまうくらいの大事件でした。

そんなロッキード事件を担当していた裁判長が殺害されました。

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ロッキード裁判長殺害事件で妻供述 認知症にいら立ち「頭叩いた」
(産経新聞 3月2日)
 東京都文京区の自宅で昨年2月、ロッキード裁判の裁判長を務めた元東京高裁判事で弁護士、半谷(はんや)恭一さん=当時(78)
=を殺害した殺人容疑で逮捕された妻、俊子容疑者(81)が「(半谷さんの)頭をたたいたことがある」と供述していることが2日、
捜査関係者への取材で分かった。(略)
 捜査関係者によると、俊子容疑者は、半谷さんの認知症が進行していたと説明。「行動が鈍いので、いらだって、たたくことがあった」
と供述している。(略)

司法書士にとって、本人確認も大事ではありますが、申請意思の確認も大事。今の日本は、高齢化社会であり、
また不動産の多くはこれら高齢者が所有しているものもかなりありますから、
仕事で高齢者が絡む案件で本人がボケてないか気になる場面は多々あります。

「認知症の高齢者には、成年後見制度というものがあるじゃないか。」という教科書通りの意見もありますが、実際には、
認知症の高齢者がいたとしても、成年後見制度を利用せず、実質的に子供が管理していたりするケースが案外多かったりします。

ロッキード事件を担当していた立派な裁判長でも認知症になります。どんな立派な経歴を持っていたとしても、
ボケない保証はどこにもありません。

「時の流れというものは残酷なものだな。」と痛感もしますが、
本人の申請意思の確認を手を抜いてはいけないと再確認する事件でありました。

なんか真面目なシメになってしまいました。軽め軽めでいきたいですね。金曜日だし、ちょこっと飲みにでも行くかな。。。

2012年03月01日

バーチャルオフィスで悪さ


会社設立や本店移転でたまに見かけるバーチャルオフィス。登記簿上の住所利用可だったり、電話受付・電話転送やFAX受信、
郵便物の受け取り、会議室のレンタルを低額で利用できるサービスが多く、開業したてのビジネスマンには、
利用するメリットが大きいサービスではありますが、やはり悪用もされてしまう訳で。

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利殖詐欺法人の2割、仮想オフィス悪用
(読売新聞 3月1日)
 未公開株や社債などのもうけ話に誘う詐欺に使われた疑いがあるとして、
昨年1年間に都道府県警が金融機関に凍結を要請した法人口座の名義人949社のうち、約2割(181社)が都心の住所を貸し出す
「バーチャル(仮想)オフィス」を法人所在地としていたことがわかった。警察庁では、
全国のバーチャルオフィス運営会社に契約時の本人確認の強化を要請する。(以下略)

バーチャルオフィスの中には、都心の一等地の住所が利用できるものもありますから、そこを会社の本店所在地として、
HPやパンフレットに記載するとそこそこの信用力は得られます。「こんな立派なところの会社だから、投資しても安心。」
みたいな被害者も少なくないと思われます。

電話受付代行業者や郵便物受取サービス業者は、司法書士と同じで、犯罪収益移転防止法の本人確認が必要な事業者ではありますが、
警察庁でさらに徹底するといったところでしょうか。ちゃんと指導していれば、被害は少しは防げたかもしれません。

利殖詐欺法人の先手を打たないと意味ないですけどね。。。

2012年02月28日

うるう年に関する法律


私の出身中学校では、入学式の日にそれぞれの新入生が生まれた日の新聞がもらえるというイベントをやっておりました。
みんな喜んでいたようですが、私は運悪く、同じ誕生日の生徒が他にいて、誕生日の前日の新聞しか手に入りませんでした。

限りなく、自分のまさに生まれた日に近いけれど、本当の誕生日ではない新聞は、あまり有難味もなく、すぐどこかへやってしまいました。

たった1日違いでそううれしくない誕生日ですが、明日2月29日に生まれた人は、ぼぼ毎年そんな思いをされているんですね。

明日2月29日誕生日を祝える方は世界で500万人弱。日本には8万人くらいしかいません。1461分の1ですから、
思ったより少ないですね。当然私は明日誕生日という方にお会いしたことがありません。

そんな珍しい2月29日ですが、でも単純に4年に1回うるう年になる訳ではありませんよね。
どういう時にうるう年になるかちゃんとした法律がありました。

明治三十一年勅令第九十号(閏年ニ関スル件)

神武天皇即位紀元年数ノ四ヲ以テ整除シ得ヘキ年ヲ閏年トス但シ紀元年数ヨリ六百六十ヲ減シテ百ヲ以テ整除シ得ヘキモノノ中更ニ四ヲ以テ商ヲ整除シ得サル年ハ平年トス

 

今年は、神武天皇即位紀元皇紀2672年。
2672÷4=668 4で割り切れますからうるう年。

 

ちなみに西暦2000年は神武天皇即位紀元皇紀2660年ですから、

(2660−660)÷100÷4

これは割り切れますから、400年に1度のうるう年。

 

ややっこしいですけど、明治31年には、ちゃんとこんな法律もあったんですね(笑)。

2012年02月27日

休眠会社の売買


まだまだ寒いですね。ちょっと風邪気味ではありますが、今日は、休眠会社の売買のニュース。

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<休眠法人>ネット転売横行 暴力団が購入し資金源に(毎日新聞
2月27日)
 休眠状態の会社などの法人格が転売され、違法行為に悪用されるケースが相次いでいる。
全国で暴力団排除条例が施行されて排除の機運が高まる中、暴力団が資金集めの隠れみのにしたり、違法収益を移す資金洗浄
(マネーロンダリング)に使う例もあるとみられる。法人格はインターネット上で販売されており、警視庁などは「暴力団の犯罪インフラ
(基盤)として利用される恐れがある」と警戒を強めている。(以下略)

暴力団排除条例が施行され、排除の機運は以前と比べると、かなり高まっていると思います。そうした中、司法書士は、
全国で暴力団排除条例が施行される前から、マネーロンダリングなどの対策として、犯罪収益移転防止法による本人確認をしっかり行っています。
(行っているはず。)

犯罪収益移転防止法による本人確認は、司法書士にとってかなり負担ではありますが、その負担が多少なりとも違法行為の歯止めとなれば、
それも司法書士の使命と割り切れるはずです。

通常、休眠会社の売買は、株式の譲渡、譲渡承認、定款変更、本店移転、役員変更等がセットとなり行われます。
定款変更や役員変更がありますから、司法書士が関与すると、当然に犯罪収益移転防止法による本人確認が必須となります。

しかし犯罪収益移転防止法による本人確認も本店所在地に郵便物が転送不要の書留で届けばいい扱いですし、代表者等の本人確認も、
「私が担当者です。」という担当者の運転免許証上の住所に郵便物が転送不要の書留で届けば、一応それで問題ないという扱いです。

ですから実際にダミーの担当者なりを立てられてしまうと、マネーロンダリング対策には程遠いものとなってしまい、
歯止めにはなかなかならないと思われます。

また休眠会社の売買は、犯罪とは無関係の方々の中でも、普通に行われていますし、定款変更とセットで増資があったとしても、
それだけで暴力団の犯罪インフラと断定するのは難しく、犯罪抑止の対策が対策として機能していないとも言えます。

しかしながら、何もしないよりは、犯罪収益移転防止法による本人確認を行っているほうがまだマシだとも言えますので、
今の負担を減らす訳にもいきません。他に我々司法書士ができることと言ったら、アンテナを張り、
暴力団の犯罪インフラとなる可能性のある案件をより注意深く観察するしかありません。

色んな意味で限界を感じてはいますが、念には念を。注意していきましょう。

ニュース記事の全文は、ツイッターのリンク先からどうぞ。

2012年02月22日

登記識別情報通知の偽造事件


最近権利証や運転免許証の偽造の話が多くて困ったところではありますが、

ついに

登記識別情報通知の偽造事件があったようです。

一見して改竄したと分かるものだったようですが、精巧に偽造したとしても12ケタの番号が一致しない限り、偽物は偽物。

登記識別情報の有効性の確認さえ、きちんと行っていれば、偽造も簡単に見分けられます。しかし、有効性の確認を行わず、
データではない紙としての登記識別情報通知を従来の権利証のように扱い、司法書士が気合で(?)
申請するとなると事故になる可能性は0ではありません。

元々偽造対策としては、権利証より登記識別情報通知のほうが優れているという話でしたが、
必ずしも有効性の確認を行わないケースもありますから、危ないといえば危ない。

有効性の確認は、決済の時間が長くかかったりしてしまいますが、このあたりの事情をご理解頂き、ご協力をお願いしたいと思います。

いつかは、こんな事件が起こると思っていましたが、とうとう起っちゃいましたね。
お互い気をつけましょう。