2007年05月10日
ロイター買収 その2
3日連続で朝ブログ、9時にはアップしようという期限があるのがいいプレッシャーになります。さて昨日のつづき。
報道は中立でなければなりません。どこかの企業の不祥事のニュースがあり、通信社がその報道を控え、
更には提灯記事を出すなんてことは考えられません。どんな外敵からも身を守れる「1株で過半数の議決権を持つ黄金株」の存在は、
報道の中立性を保つには頼もしい味方になります。
まだ法律の勉強もちゃんとしていない、経済のこともほとんど知らない新入社員の頃、このロイターの黄金株のことを知りました。
東証が今のスタンスになるずっと前の話ですから、「なんて無茶な株式なんだ。」というのが当時の感想。
黄金株が自分のメシのタネになるなんてことは想像もしていません。
単純に自分が大金持ちだとしても、ロイターを買収することはできない。入社時の役員に「クリストファー・ホッグ卿」
なる人物がいてイギリスの貴族のための会社かと思ったりもしていました。
ロイターでの社歴が古くなり、業績も上向き、他社を次々と買収していた時代に、私より後からロイターに入社したのが、
今回の決定をしたロイターの現CEOのトム・グローサーです。
「RAM(Reuters America)で叩き上げでもなく、また記者経験のない、
最近入社したばかりの弁護士がお偉いさんになるらしい。」と当時の同僚と噂話をしていたのを憶えています。
そんな彼がCEOになったのは私が退職した後のことです。M&Aが得意な彼に無意味な買収はやらず、
有意義なものに投資してもらいたいと元社員として思っていました。
普段の生活からREUTERSの文字が消えかけていた先月、Alex Hungate (Managing Director –
Asia, Reuters)からメールが来ました。
つづく。