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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2006年11月21日

中小企業の決算公告の実際

今日の日経にも、先日話題にした「近未来通信」の記事が出ていました。本社・支店を閉鎖してしまったようです。
今後大きな問題になりそうですね。

ここまでの報道で、「近未来通信」は確定的に悪っぽい会社との印象を持つ方が多いでしょうが、
先日の官報で決算公告をしていなかったというのは、実際どうなんでしょうか?

最新の中小企業庁の「会計処理・財務情報開示に関する中小企業経営者の意識アンケート」によると、決算公告を行っていると答えた方は、
全体の何%でしょう?

A  0.4%
B  4.4%
C 44.4%
D 94.4%

こんな問題を出していましたが、実態は4.4%です。
かなりのボリュームがあるアンケートに真面目に答えるような経営者が母体となっていますから、実際には更に下回る数字ではないでしょうか。

この4.4%という数字を見て頂いて、お分かりになるように、少なくともこの「決算公告」に関していえば、法令順守は遠い状況です。
有限会社から株式会社への移行してしまうと、デメリットとして、決算公告義務が考えられますが、本当にデメリットとなるまでは、
まだまだ遠い気がします。

「会社法976条2項 百万円以下の過料に処する。」が実際には、お飾りのような条文になっているのが、その原因のひとつです。
(取り締まりがなければ、野放しですからね。)

実際に官報を見れば、理解が深まるかもしれません。

これが今日の官報

画面右の正方形の枠に掲載されているのが、「決算公告」。左の長方形の枠が「資本金の額の減少公告」です。「資本金の額の減少公告」
を見て、違和感ありませんか?

そう、「資本金の額の減少公告」+「決算公告」になっています。
ちゃんと決算公告をしていれば、

「貸借対照表の開示状況は次のとおりです。」として、横に決算公告を掲載せず、
「掲載紙 官報 掲載の日付 平成 年 月 日 掲載頁○○頁(号外第○○号)」
と過去に掲載をした情報を載せます。

資本金の額の減少公告のように、決算公告をやっていないと登記できないとかの特殊事情がない限り、
中小企業の決算公告はやっていないというのが現実です。法令順守いずこに?

 


 

大企業となると、法令順守は中小企業とは段違いとなりますが、
先日セクハラで問題になった某大企業所属の某アナウンサーが他部署に異動するようです。

さて、問題。
このアナウンサーの移動先は?
A 人事部
B 総務部
C コンプライアンス推進室
D 経理部

正解は→C

2006年11月20日

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2006年11月17日

平成18年度司法書士試験合格者(官報)

今日は、支部長会でした。これで勘弁して下さい。

 


 

やっと官報に掲載されました。うちで働いていたZ君合格。おめでとさん!!


平成18年度司法書士試験合格者(法務省)

2006年11月16日

決算公告1度もなし


近未来通信、見せぬ経営実態…決算公告1度もなし

投資家から資金を募ってIP電話事業を行う「近未来通信」(東京都中央区)が、旧商法(現会社法)
で義務づけられた決算の公告を全く行っていないことが分かった。
近未来通信は、法人登記簿で公告を「官報に掲載する」としているが、官報に公告されたことはない。また、
ホームページで売上高の推移は紹介しているが、資産や負債の状況は一切明らかにしていない。

(2006年11月14日  読売新聞より引用)

 

こんなニュースご覧になるとどう思われますか?

「むむむむ。悪そうな会社だな。」「法律違反してる悪い会社だな。」という印象を持たれる方が多いと思います。

ニュースにある会社法とは第440条のことです。

第440条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、
定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。

これは旧商法でも同じでした。条文だけ見ると「株式会社は決算公告が義務付けられている」のがお分かりになると思います。会社法では、
「株式会社は」となっていますので、昔の有限会社、今の「特例有限会社」は含まれません。

ちなみに、公告はほとんどの中小企業は、この会社に限らず、「官報に掲載する」としている企業がほとんどです。
(ちなみに掲載費用は6〜9万円程度です。)

じゃあこの会社のように、決算公告しないとどうなるでしょう?

会社法976条2項 百万円以下の過料に処する。

となります。

6〜9万円の掲載費用をケチって、100万円の過料じゃたまりませんよね。

と、ここまで読まれると、「報道された会社は、やっぱり悪そうな会社」という確証になったのではないでしょうか。

「ちょっと待って、うちの会社もやってないよ。」という中小企業の方は、
この記事を読むとドキドキされるんじゃないでしょうか?

総務庁「事業所・企業統計調査」によれば、中小企業の会社数は約150.8万社、全会社数に占める割合は99.2%です。

さてここで問題。

最新の中小企業庁の「会計処理・
財務情報開示に関する中小企業経営者の意識アンケート」によると、決算公告を行っていると答えた方は、全体の何%でしょう?

A  0.4%
B  4.4%
C 44.4%
D 94.4%

法令順守はどれほどか?正解は→B

2006年11月15日

オーストリアからオーストリーへ

今日は法律とは離れたお話。だいぶ前ビルマがミャンマーに変わったように、今度はオーストリアの呼び名がオーストリーに変わったようです。

 

 


 

Osterreich 日本語表音表記 の変更について

 残念ながら、日本ではヨーロッパに位置するオーストリアと南半球のオーストラリアが混同され続けております。

この問題に対し、大使館では過去の文献などを参照し検討を行った結果、Osterreichの日本語表音表記を 
「オーストリー」 と変更する旨、ご連絡差し上げます。

 (オーストリー大使館商務部のウェブサイトより引用
)

 

昔、ロイターに入社したての頃、オーストリア改めオーストリー大使館に仕事で行きました。場所は今の事務所の近く、
麻布十番の暗闇坂の途中にあります。

まだまだ新人、今までこの手の大使館などに行ったこともありませんから、緊張したまま面談が終わりました。
オーストリー大使館の担当はK氏(仮名)という30代前半の金髪の男性、流暢な英語を話します。

面談を終え、帰ろうとした時、K氏は私の名刺を裏返し、突然。

K氏「誉(ほまれ)って書いて正誉(マサタカ)って読むんですね。」と言ってきました。
私「えっ?」
K氏「これは中々読めませんね(笑)。」と笑いかけてきました。
しばらく何が起こったか固まってしまいました。

私「日本語話せるんなら、始めにおっしゃって下さい(怒)。」
K氏「原田さんが始めから英語で話されるから、英語で話しただけで、ドイツ語ならドイツ語、日本語なら日本語で話しましたよ(笑)。」
とにっこり。

「誉」という字を知っていただけでなく、出身が宮崎だというと「日本書紀」の話になるぐらいの日本通の方でした。
(映画も油断すると日本語の字幕スパーを読むと言っていました(笑)。)

自宅が近所だったこともあり、K氏とはその後、たびたび遊ぶようになりました。私の自宅にも遊びに来て、「この部屋の有様じゃ、
コンタクトレンズできませんね(笑)。」と部屋を片付けられない私は、いじめられたりしていました。

ある日、K氏が家に遊びに来る予定がありました。朝早い時間の約束だったのですが、つい寝坊してしまいました。

当時まだ同居していたに、
K氏から連絡があったか尋ねました。(妹は彼の存在を知りません。)すると、しつこい変質者なら電話も訪問もあったとこと。

私「変質者?」
妹「だって「クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ(仮名:K氏の本名)と申しますが、お兄様はご在宅ですか?」
って日本語で言うから。」

妹「そんなのいたずらでしょ。そんな日本人いないし。」
彼の流暢すぎる日本語が、数ヶ国語を操る国際人をただの変質者にしてしまいました(笑)。

そんな彼も数年後、アルプスの素晴らしい景色の故郷に帰っていきました。あれから20年経ち、
手紙のやり取りもなくなってしまいましたが、K氏は元気でやってるのかな?彼なら、司法書士という日本語は知っていると思います(笑)。