2006年07月19日
電子公証が利用されるのか?
昨日のつづきです。
2つ目のハードルは、この定款を電子認証するための利用できる環境にあります。
以下の環境を整えなくてはいけません。
@パソコン
A電子文書作成ソフトウエア(一太郎、ワード等)
BPDF形式のファイルに変換するためのソフトウエア(アドビ社の
「Adobe Acrobat(スタンダード版)」)
Cソフトウエア「Adobe Acrobat」
上で電子署名をするためのプラグインソフトウエア(株式会社日立製作所の「署名プラグインTYPE-J」、
又は株式会社リーガルの「電子認証キットPRO」等
D日本認証サービス株式会社が発行する電子証明書
「AccreditedSignパブリックサービス2」(司法書士の場合、
日本司法書士会連合会が発行する司法書士用電子証明書「日本司法書士会連合会認証サービス」)
E電子公証制度を利用するためのソフトウエア(「電子公証クライアントA」)
普通にパソコンが使える方であれば、@Aはお持ちだと思います。
Bは無償ダウンロードできる「Adobe Reader」の方ではないのでお持ちの方は少ないでしょう。CDEに至っては、
お持ちの方はいらっしゃらないので、購入しなければなりません。
当然買えばすぐ使えるものでもありません。
インストールして動作に不具合がないか、試してみないといけません。パソコン好き、秋葉原大好きという方は別として、
たいていの方はこのへんで「GIVE UP!」例え秋葉系の方であっても上記ソフトを全部揃えると10万円近くかかります。
いかに電子定款は4万円安くなるといっても、10万円かかっていては意味がありません。一般の方が気合を入れても赤字になってしまいます。
じゃあなぜ電子公証が利用されるのか?
そう、会社設立を生業としている一部の司法書士等が利用しているのです。
導入に10万円かかろうが、紙ベースで定款を作成している事務所より単純に4万円安くなりますから、価格競争力は高まります。
もし司法書士報酬が4万円なら、一般の人が苦労して会社を設立する実費
(約24万円)と同じ費用で司法書士に頼んで会社ができてしまいます。でも4万円の司法書士報酬では、
うちの事務所スタッフの人件費が出ないです(笑)。