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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2006年05月12日

大きな非公開会社と小さな公開会社 その2

 


「新会社法、新会社法」とかかってくる電話はほぼ会社法がらみ。
知り合いの司法書士からの電話も全部「新会社法」。彼らの質問に私が細かい点まで即答してるのは、
ちょっと前にお客に聞かれて散々調べたばかりだから(笑)。みんな悩むところは一緒です。私は、新会社法マスターではありません。
ご安心あれ!でも
嫌でもそのうち慣れるかな
(笑)。

 


さて昨日のつづき。お婆ちゃんから電話があったところから。


お婆ちゃん「先生〜、お元気ですかあ〜?」


私「ああ、お元気ですか?」


お婆ちゃん「ええ、
まだ生きてますよ(笑)。


私「・・・(笑)。(愛想笑い)。。。」
(この時期に電話してきたの初めてだな。ん??)

 


お婆ちゃん「TVで見たんですけど、新会社法が始まったそうですねえ。」


私「良く知ってますね。そうですよ。」


お婆ちゃん「先生、お忙しいんじゃないですか?」


私「ええ、かなり。。。」


お婆ちゃん「ところで、うちは何か登記をやらなくてはいけないのかしら?」


私「(確かおばあちゃんの会社は、普通の株式会社(旧法の小会社、
譲渡制限あり)だったよな。。。)会社法に定款を合わせるのは、今度の総会でいいから、特に、今急いでやる事はないですよ。ただ、
今度の会社法で監査役を置かなくてもいいし、取締役も1名で良くなったし、色々あるんで今度の総会前にでもご説明しますよ。一応、
見ときますね。」


お婆ちゃん「すいませんねえ。助かります。」

 


電話を切った後、嫌な予感。



「お婆ちゃんの会社、確か設立古かったよな??」
ちょっと心配になったので、
慌ててお婆ちゃんの会社の登記簿謄本を確認。

 


「・・・やっぱり・・・ない。」

 


そう、普通はあるべき「株式の譲渡制限の規定がない」んです。
お婆ちゃんの会社は、昭和30年代に設立された会社。そして株式の譲渡制限が商法に導入されたのは「昭和41年7月1日」から
業界古〜〜〜い先生しか知らない商法の41年改正前に出来た会社です。昭和30年代に設立された会社は、譲渡制限がない事が多いんです。
つまりお婆ちゃんの株式会社は小さな小さな「公開会社」
です
。昨日の大きな「非公開会社」の選択したシンプルな機関設計は、このままだと「なし」です。
それどころか。。。

 


大急ぎでお婆ちゃんに電話しました。


(つづく。)

2006年05月12日

大きな非公開会社と小さな公開会社

 


新日鉱ホールディングス株式会社の中核事業会社である株式会社ジャパンエナジー及び日鉱金属株式会社は、
新会社法施行で認められた手法を早速活用し、株式会社ジャパンエナジー及び日鉱金属株式会社の両社を「非公開会社」とし、取締役会・監査役会・
執行役員会を廃止
します。(詳しくは、新日鉱ホールディングス株式会社HP「中核事業会社における新機関設計の採用について

 


株式会社というと、取締役会は絶対あるものだという認識を持たれている方、
ちょっと前までは「正解」ですが、5月1日からは、取締役会を置かなくてもよくなりました。全ての株式に譲渡制限を付ければ(非公開会社)、
会社の規模に関わらず認められます。持株会社傘下の事業会社では、もともと株式が譲渡される事を予定していませんから、
取締役会などを置かないシンプルな機関設計も「あり」ですから、
意思決定が迅速になるこんな選択肢を採用する企業も今後増えていくのではないでしょうか。

 


こんな大手のお話ではなく、町の小さい会社でも同様のことができます。
今までの商法では、「株式会社は取締役は3名・監査役は1名置かなくてはいけない。」という制限がありましたから、おとうちゃん・
おかあちゃんの2人でやっている会社も、無理に4名を揃えなければなりませんでした。でも今後は非公開会社であれば、役員はおとうちゃん・
おかあちゃんの2人のみでもOKとなります。中小企業の中には、親戚にお願いして、あるいは、
税理士さんにお願いして4名を無理やり確保していたところも少なくないはずです。今回の新会社法を活用すれば、
実態に合った役員構成がやっと叶います。

 

 


6月の定時総会が終わった頃、2年に1回、
同じ港区でもかなり遠い場所から自転車に乗って議事録を持って来るお婆ちゃん(ある会社の取締役です。)がいます。

 


「先生、お元気ですかあ?今年も登記お願いします。まだ生きてましたよ(笑)
。」


「・・・」
結構笑えないジョークに毎回絶句です(笑)。

 


登記懈怠(役員変更があった日から2週間以内に登記しないで、登記を怠ること。
過料に処せられます。)にならないように、必ず7月第1週の暑い日ざしの中、自転車でやってくる姿は、
法令順守という言葉が虚しく響くどこぞの企業よりも美しく見えます(笑)。

 


今日、そんな六本木ヒルズ等には住んでいないお婆ちゃんから電話がありました。

 

 

つづきは明日。(タイトルで明日のオチが見え見えですけど。。。)

 

受験生買ってね!!

2006年05月10日

会社法での登記、無事スタート

 


今日午前中、
東京土地家屋調査士会港支部の役員と東京法務局港出張所へご挨拶に行ってきました。調査士会とのコラボ(?)は、
私が支部長に就任して初めての試みです。地方では、司法書士と土地家屋調査士とのお付き合いは深いものがあると思いますが、
都心部ではそこまで深いお付き合いをしていないのが現状だと思います。今回をきっかけに連携できればいいかなと思っています。

  


港区の司法書士は180名を越えておりますが、
土地家屋調査士は30名しかいないそうです。ちょっと意外だったような、でも想像できたような人数です。180名ならともかく、
30名しかいないと、会務から逃げ出せず、少しお気の毒なかんじです。

 


法務局では、新任の所長・統括(法人・不動産・表示)とご挨拶できました。
所長のご挨拶の中で、「新会社法の施行もあり、ゴールデン・ウィークも職員は休日返上で、対応しておりました。」とのご説明がありましたが、
「そりゃそうだろうな。」と納得してしまいました。

 


朝速報でお伝えしたように、「新会社法施行後の5月1日に申請した株式会社の設立登記が今朝完了していた
からです。5月1日申請の港出張所の登記完了予定日は5月23日。法務局の方には、相当努力して頂いたようですね。地方では、
既に5月1日の申請分も完了しているところもあるかもしれませんが、何といっても港出張所。登記簿謄本を見て感動してしまいました。
取下げまではないにしても、多少の補正は覚悟していたのですが、スパッと無事完了。明日の株式会社設立登記申請は安心して出せそうです。

 


心配だった「資本金の額の計上に関する証明書」も
幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」でした
(笑)。

 


書式・記載例は続きを読むにてご確認下さい。

 

受験生買ってね(笑)!!

(さらに…)

2006年05月10日

会社法での設立登記完了

【速報】港出張所の登記完了予定日はちょっと前まで1ヶ月かかっていたのですが、新会社法が施行された5月1日に申請した株式会社の設立登記が無事完了していました。私のやった手続きを踏めば、OKのようです。細かい手続き上の留意点は、午後アップします。良かった良かった!!\(^o^)/

2006年05月09日

架空増資で司法書士逮捕4


会社法が施行され、
実務上の様々な疑問点を抱えた司法書士のみなさんが登記相談に港出張所まで来ています。最近の港出張所の登記相談は、
待ち人数が10人を超えてますから、私の知り合いは、うちの事務所に暇つぶしに来られます。迷惑なようですが、
実は貴重な情報交換の場になってたりします(笑)。相談結果などを聞いてみても、細かい部分が判明するまでまだまだ時間がかかりそうです。
ちなみに5月1日の登記申請分については、まだ法務局から電話がありません。このまま補正なしで完了しそうです。

 

 


さて、前回のつづき。シリーズで司法書士の逮捕について書いてきましたが、
そんな中、昨日、菱和ライフ社長がビルの虚偽登記で逮捕されました。新聞の「虚偽登記」の文字に
「まさかまた司法書士が関与か?」と心配しましたが(新聞などの報道だけでは、詳しくわかりませんが)、
こちらは深い関与はなかったようです。やれやれ。

 


では話をまた架空増資に戻します。
今回の逮捕劇の裏側にある真実って何なんでしょう?知り合いとはいえ、2400万円を用立ててしまった動機はなんなんでしょうか?

 


元監査役である司法書士の登録番号はかなり古いものですから、
業界で長く司法書士として働いていたはずです。こんな事件に関与しなければ、司法書士として長きに渡り社会に貢献し、
それなりに社会的に評価される立場だったでしょう。彼の司法書士としての年収がどれだけだったかはわかりませんが、
少なくとも2400万円は用立てられるだけの収入はあったはずです。また普通のサラリーマンならもう定年退職する頃です。
悠々自適な老後を目の前にして、彼のすべての評価・評判は地に落ちました。

 


今日の日経の1面には「中央青山の一部業務停止」の文字。
判決文を偽造しちゃった弁護士、痴漢で現行犯逮捕される弁護士もいました。また最近、
司法書士の資格がないのに会社登記書類を作成した行政書士が、司法書士法違反の疑いで逮捕されました。
もちろん姉歯元1級建築士を忘れてはいけません。

 


次から次へと出てくる士業の逮捕。
職業倫理や士業のプライドはいったいどこに消えてしまったのか?国民に対しての信頼回復には、それぞれの業界で努力していかねばなりません。
士業のプライドを捨ててしまうこれらの動機の大半は「お金」です。

 


「武士は食わねど高楊枝」

 


そんな士(さむらい)に頑張ってもらいたいもんです。

 

 


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(さらに…)