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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2006年05月08日

架空増資で司法書士逮捕3


事務所に出たり、出なかったりのゴールデン・ウィークでした。
どこに行っても混んでいるのは、わかっておりましたが、「浅草の花やしき」「千葉のマザー牧場」に行って少しだけ癒されてきました。(実際、
花やしきでは、どーでもいいような「焼きそば」を買うのに、30分並んだりしましたので、本当に癒されたかどうかは微妙です(笑)。)

 


それでは、前回のつづき。


そもそもイーホームズはなぜ(架空)増資する必要があったのか?

 


国交省通達では、確認検査機関(イーホームズを含む)に対し、
資本金などの財務基盤を最低3000万円以上にするよう義務付けています。
これだけであれば700万円の増資で3000万円にすればOKです。ではなぜ5000万円にしたのでしょうか?

 


通達では、この確認検査機関の業務の範囲を、資本金に応じて定めてあるのです。
資本金が5000万円あると、
床面積が2000〜1万平方メートルのかなりデカイ建築物の確認検査までやれることになります。

登記簿に資本金が5000万円と記載されていれば、確認検査機関として商売の幅がぐっと広がるからです。「とにかく5000万円あれば。」
という強い思いが、今回の事件の発端となったのでしょう。新会社法で、「株式会社の最低資本金制度がなくなりました。」が、
資本金に囚われず、別の判断基準があってもよかったのかもしれません。

 


では今回の増資資金の還流工作をおさらいしてみましょう。

 


@元監査役の司法書士→(2400万円を融資)
→藤田容疑者

 


A藤田容疑者→(2400万円+自己資金300万円を株式購入資金に)
→イーホームズ


イーホームズ→(上記2700万円に相当する株(1株3万円×900株))
→藤田容疑者

 


ここで元監査役である司法書士による増資の登記→資本金5000万円となる。

 


Bイーホームズ→(2700万円を融資)
→藤田容疑者の兼業する造園会社

 


C造園会社→(2700万円を数回に分けて返済)
→イーホームズ

 


Dイーホームズ→(2400万円)
→藤田容疑者

 


E藤田容疑者→(2400万円返済)
→元監査役の司法書士

 


これだけの手順を踏んでいます。一般の方には分かりにくい内容で当然です。
司法書士がこれだけ深くこの会社に関与していて、この増資資金の還流工作を知らないという事もないような気がします。
司法書士がどうしてここまで深く関与しているのか、当事者でないと本当の理由はわかりませんが、真実は何なんでしょうか???

 


つづく。(もう少しお付き合い下さい。)

2006年05月03日

架空増資で司法書士逮捕2

 


ゴールデンウィークですが、どうやらクライアントは出社している模様。
とてもありがたい重いファイルがいくつも添付されたメールが次々に届きます。。。これはまるで、「俺も出社してるんだから連休は休むなよ。」
というメッセージか(笑)。?

 

 


最近は、5月1日から会社法がスタートしましたので、
どうしても会社法関連の記事が多くなってしまい、ある肝心のネタに触れずここまできました。一応司法書士のメジャー化を目指していますので、
「司法書士の年収っていいんだよ。」とか「司法書士の仕事って面白いよ。」などのプラス面を取り上げる事が、
司法書士のメジャーへの第一歩と考えているのですが、綺麗な部分ではないマイナス部分を今日はあえて取り上げたいと思います。

 


司法書士業界関係者(業界に詳しい方は特にお分かりですよね。。。)
には厳しいニュースですが、これだけの社会問題になった耐震強度偽装事件、ブログで取り上げない訳にもいきません。先月末、
姉歯元1級建築士を含む容疑者8人が逮捕されました。その中に司法書士がいたのはご存知でしょうか?
逮捕容疑は公正証書原本不実記載。この
「公正証書原本不実記載罪」という用語は、一般の方には馴染みのない言葉だと思います。

  


刑法第157条「公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、
戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、
又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、
五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」


今回の例で言うと、法務局にあるイーホームズの会社登記簿(公正証書原本)
に事実でないウソッぱち(架空増資)を記載さてしまった容疑で司法書士が逮捕されたのです。

 


虚偽の登記の代表選手のような「架空増資」ですが、
今回の増資資金の還流工作について一般の方には分かりにくいと思いますので、さらに今回の架空増資のスキームについて説明します。その前に、
架空増資についてのある程度の基本的な解説は、過去のブログ「丸石自転車の架空増資
で触れていますので、そちらをご理解頂いた上でご覧下さい。

 

 


お読み頂きましたか?では解説。


まずは、今回の事件の背景から。
問題となっているのは2001年10月の資本金2300万円から5000万円の増資の部分です。

 


そもそもイーホームズはなぜ(架空)増資する必要があったのか?


つづく。

2006年05月02日

架空増資で司法書士逮捕

新会社法のネタにしようと思っていましたが、業界の厳しいニュースについて書きたいと思います。記事を差し替えますので、しばらくお待ち下さい。

2006年05月01日

会社法初日、無事スタート!

 


ブログで前々から「会社法、会社法」と騒ぎ、
施行日である今日の日を心待ちにし(恐れ)ていたのに、「今日何日だっけ?」
とスタッフに聞いてしまい、失笑されながら私の新会社法初日がスタートしました。。。

 

 


今日は、どんな混乱があるか不安で仕方なかったのですが、まさに
「案ずるより産むが易し。」、特にトラブルもなく1日が終わりました。(通達が多少遅れても、
実務はそれなりになんとかなるという事なんでしょうかね?)

 


新会社法施行日初日は、どんなトラブルがあるか分からないとお客様に説明し、
初日申請を避けるよう説得を試みてきたのですが、「それでも初日に申請して下さい。」という勇気ある(?)お客様のおかげで、
新会社法特有の申請を、初日に数パターン経験させて貰いました。

 


新会社法典型パターンの1個目は、今朝10時に速報でお流しした
株式会社設立」。業界関係者でなければ、
何が速報になるのかお分かりにならないと思いますので、ちょっとご説明します。新会社法下での株式会社設立は、初日である今日、
定款を認証してもらわなければなりません。当然、先月のうちに認証を済ませる事はできません。定款認証後、発起人による払い込み、
その証明書を添付して登記申請となります。それが終わったのが9時30分ぐらい。

 


「それがどうしたの?」という感想でしょうけど、実は、
公証人役場のスタートは、通常は午前10時。歴史的(?)な今日のために、公証人は、
早起きして準備してくれていたのです。仕事の速い公証人に今日ばかりは感謝感謝です。おかげで1日の段取りは予定通りスムーズに行きました。

 


新会社法典型パターンの2個目は、従来は組織変更と呼んでいた手続き、
特例有限会社の商号変更による株式会社の設立です。
こちらも数パターン経験させて頂きました。

 


幸か不幸か、
今月中に一通りのパターンの商業登記の申請をする予定となっていますので、実務上「???」と思った点、「へえ〜。」と感じた点、
危うく失敗しそうになった点などありましたら、守秘義務の範囲内でご報告していきます。実務上、「これを気をつけなければヤバイ!」
などありましたら、コメントお願いします。>業界関係者

 

 

2006年05月01日

株式会社設立申請してきました。

5月1日。とうとう新会社法のスタートです。
早速株式会社設立申請しました(公証人のおかげ)。詳細は今日の午後にでも。

とりあえずご報告。