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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2006年02月09日

私の親が振込み詐欺に 完

 


昨日のつづき。これでこの件、ラストです。


Mありそうですが、こんな住所は 大田区にありません。「西蒲田7−7−1」
は西蒲田七丁目7番1号であって、西蒲田七丁目7番地1号はありえません。この手の文書にありがちな誤字脱字の典型ですね。
今回は九州地方に多く郵送されたようですから、現実に大田区西蒲田に、政府の機関があるはずがないと思う人が少ないのも、
被害を広げた原因にもなっているようです。

 


N何度も繰り返しではありますが、司法管理通達局というものは、
この世に存在しません。葉書を送られてしまった方、安心して破棄して下さい。

 


ちなみに、この電話番号は、現実に西蒲田で使用されている局番だそうです。
ここに電話をすると、次のような展開になるようです。

 


被害者「もしもし、こんな葉書が来てしまいました(汗)。」


司法管理通達局のニセ担当者
「このままでは、大変ですよ。無料の国選弁護人をご紹介しますので、その方に連絡して裁判の取下げの手続きをして下さい。」


被害者「わ、わかりました。」

 


被害者「もしもし、国選弁護人の○○先生ですか?」


ニセ弁護士「そうですよ。
このままでは、裁判に負けてしまいますから、裁判を取下げましょう。保証金を供託しなければなりませんから、
○○万円を次の口座に振込んで下さい。」


被害者「わ、わかりました。すぐ振込みます。」

 


と典型的な振込み詐欺の罠にハマります。上のやり取りもデタラメなんですけど、
分かりますか?民事裁判に国選弁護人なんてシステムありませんからね(笑)。

 


いろんな手口が次々と出てきますが、まずは、落ち着いて。
冷静になってから誰かに相談しましょう。

 

2006年02月08日

私の親が振込め詐欺に 5

昨日「法務省令公布」(業界関係者のみの)という号外を出しましたが、その直後、日本国民にとっての本当の号外「秋篠宮妃ご懐妊の兆候」が出ました。誠におめでたいニュースです。が、微妙な時期ですね。この件については、また後日。

 

今日は、これから支部の役員会に出席しなければなりません。そこで長々と連載している「司法管理通達局からのお手紙(副題:うちの親のところにも架空請求が!)」のお話。

 

Jから。最近一瞬流行ったのは、公証人の確定日付を利用するパターンや支払督促っぽい書類を送付する手口(これなんかは、本物を真似しようと思ったら、そっくりなものが出来ると思いますが)ですが、少額訴訟を提起する新しい手口はありません。悪徳業者がのこのこ少額訴訟を起こせるわけがありません。これもそれっぽいのは作成可能だとは思われますが、手口としては支払督促のほうが巧妙ですね。

 

K裁判取り下げの手続きとありますが、裁判起こされているのに、被告からの取下げの手続きがあったら便利ですね(笑)。こんなシステムがあったら、裁判なんかにならないですね(笑)。

 

L法律上の問題ではありませんが、この日付がポイント。うちの親のところにこの葉書が届いたのは1月19日。猶予は1日しかありません。冷静に他人と相談する時間的余裕を与えないため、こんなギリギリの日を記載しているようです。もらっても慌てちゃいけませんよ。

 

時間が来たので、とりあえずここまで。明日また修正してアップします。

2006年02月07日

会社法の法務省令公布

 


【法務省令公布】

 


平成18年2月7日、
「会社法施行規則」、「会社計算規則」及び「電子公告規則」が公布されました。

 


1月中に出るとされていた会社法の法務省令ですが、
ようやく今日公布されました。内情はわかりませんが、予定が延びたところを見ると、色々あったのでしょうね。当初は、「会社法施行規則」、
「株主総会等に関する法務省令」、「株式会社の業務の適正を確保する体制に関する法務省令」、「株式会社の計算に関する法務省令」、
「株式会社の監査に関する法務省令」、「株式会社の特別清算に関する法務省令」、「持分会社に関する法務省令」、
「組織再編行為に関する法務省令」、「電子公告に関する法務省令」という案でしたが、結局は
会社法施行規則」、「会社計算規則」及び
電子公告規則」の3本に統合されました。

 


「あれ、(当初の案より)少ない?」と思って、慌てて法務省に電話したみたら、
「3本に統合されています。」とあっさりとしたお返事されてしまいました。よく確認すれば良かったんでしょうけどね(笑)。
微妙に内容が変わっていますので、これから地味にチェックします(泣)。

 

 


PDFファイルですが、ご興味ある方はご確認下さい。

 


会社法施行規則
(省令の条文は法務省のHP)

 


会社計算規則
(省令の条文は法務省のHP)

 


電子公告規則
(省令の条文は法務省のHP)

 

 

とりあえず号外です。
 

2006年02月06日

私の親が振込め詐欺に 4

 


次々と新しい情報が報道されるライブドア事件ですが、今日は、しばらく放置していました
「司法管理通達局からのお手紙(副題:うちの親のところにも架空請求が!)」のお話。風邪と決まった訳ではありませんが、
ちょっと体調が本調子でない(頭痛あり)ので、このネタでお茶を濁します。

 


間違いだらけの「司法処分最終通達確認書」
こちらでご確認下さい。

 


Fまで説明しましたので、Gから。


「執行証書の交付」とあり、それを「承諾して頂きます。」とあります。


裁判で負ける→強制執行され→「執行証書の交付」
と尤もらしい法律用語が並んでますが、そもそも執行証書は債務名義です。(過去の債務名義の解説はこちらで。
)民事執行法22条の5号の文書を執行証書と呼びますが、これを作成するのは「公証人」です。別に裁判とは何の関係もありません。


「裁判で勝つ」→「勝訴判決(債務名義)取得」→「強制執行」


「執行証書(債務名義のひとつ)取得」→「強制執行」との流れになります。
この流れがお分かりになれば、いかにデタラメ文書か納得頂けると思います。

 


H「個人情報保護法」とありますが、「個人情報保護法」が施行される前から
(もちろん今後も)、民事訴訟の内容が第3者に漏れる訳がありません(笑)。それっぽい法律用語を並べて信用させようとしているだけです。

 


I訴訟通達を確認する機関なんてありません。
そもそも訴訟の正当性を確認するのが裁判ですから、部外者が正当性を判断しても仕方ありません。ご丁寧に
「類似した葉書や通知にご注意下さい。」なんて書いてありますが、盗人猛々しいとはこのことです。

 


今でも「司法管理通達局」で検索されている方がいるようです。
司法管理通達局からの葉書は安心して捨てて下さいね(笑)。

 

2006年02月03日

ライブドアの役員変更


昨日のからみで、もう少しだけ、ライブドアの取締役について。(あまり商法がお詳しくない方のため、
ちょっとだけ取締役の選任と代表取締役の選任について解説します。基本中の基本ですが、取締役は株主総会で選任されます。
そして代表取締役は、その選任された取締役による取締役会で選ばれます。)

 


少し前までライブドアの取締役は下記の構成でした。
(第10期定時株主総会招集ご通知による)例の事件の前に昨年の12月25日に新高輪プリンスホテルで開催されたものです。
ニュースご覧になった方もいると思いますが、ホリエモンが泣いた時のものです。

 


そこで7名の取締役が選任されました。

 


代表取締役 堀江貴文


取締役 宮内亮治


取締役 山崎徳之


取締役 岡本文人


取締役 熊谷史人


取締役 羽田寛


取締役 山田良明

 


そんな中、平成18年1月23日堀江、宮内、岡本取締役が逮捕されました。しかし事件発覚後、
フジテレビ常務取締役でもある山田良明氏はすぐ辞任しました。結局取締役は山田氏を除く6名になった訳です。

 


後任の代表取締役を選任するには、取締役会を開催しなければなりませんが、
取締役会が有効に成立するためには、過半数の取締役の出席が必要となります。6名中3名逮捕されてますから、
この段階では取締役会は開催できません。急いで後任を選ばないといけない緊急時ですが、株主総会を開催して取締役を増やして、
有効に取締役会を開催することもできません。

 


翌日1月24日取締役だった宮内亮治容疑者が辞任しました。
これでライブドアの取締役は5名。堀江容疑者と岡本容疑者が欠席しても、残りの3人の取締役の出席で過半数を超えますから、
取締役会が開催され、後任として熊谷史人氏が代表取締役に選ばれました。定足数ギリギリです(笑)。

 


そして翌1月25日、
堀江、岡本取締役から辞任届
が出ました。この日なら余裕で取締役会は開催できたんですけどね。。。

 


今までの関与していた司法書士は、今回の役員変更登記はしないと思いますが、
どこの司法書士に声がかかったんでしょうね?この件、これだけ詳細をブログに書けている私は、「守秘義務がない=関与していない」
ということです(笑)。