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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2005年11月21日

支店における登記 つづき

忙しくて、1日中カリカリしていました。こんな日は気ばかりあせってしまって、ろくな事がないです。

さて、支店における登記のつづき。
新規に支店を設置すると、場合によっては、大量のデータを入力しなければならない事もあります。ずっと登記に関与していればいいですけど、途中から関与させてもらっている会社で、何度も新株予約権なんか発行していたりしていたら、大変です。同期とも「新会社法になれば、楽なのにね。」「こんな手間も半年もしたら、やらなくなるね。」と話したりしていました。

新会社法では「支店における登記」の大部分がなくなります。今までの支店所在地では、本店に登記してある内容が、そのまま支店の登記簿謄本に記載されていたのですが、新会社法では、

@商号
A本店の所在場所
B本店の所在場所

のみとなります。昔はオンラインで各法務局が繋がっていなかったので、支店所在地でも、本店の登記内容が分からないと不便でした。わざわざ本店所在地に謄本を請求しなくても、登記内容が分かるように、登記内容全てを記載する事になっていたんだと思います。しかし、今ではどの法務局でも他の管轄の登記簿謄本が取得できますから、わざわざ支店所在地に本店と同じ内容の登記を記載する必要性がなくなってしまいました。支店所在地の登記内容が、こんなシンプルに変更されて当然です。

新会社法で支店における登記は楽になりますが、反面、支店所在地分としては、司法書士報酬は取れなくなります。国内に100の支店があるような大きな会社の登記をしている事務所は、かなり痛手かな(笑)。しかしながら、システム的に管理できる部分をわざわざ登記させていた今までが異常だったんでしょう。いい変更点だと思います。

2005年11月18日

新会社法での支店における登記

最近連続して新会社法ネタですが、今日も新会社法で、なくなる登記。厳密には、大部分がなくなる支店における登記です。

ある同期から久しぶりに電話がかかってきました。私もそうですが、こんな時は、「質問がありまーす。」みたいな内容です。その同期は俗に言う勤務司法書士。まだ独立していません。独立してしまえば、自分のやりたい仕事は何でもできますが、勤務していると、どうしてもその司法書士事務所の所長が取ってきた仕事の処理です。裁判やりたいだの、商業登記やりたいだの、成年後見やりたいだの言っても、結局、その大半は不動産登記です。知識もどうしいても、片寄ってきます。いや、正確には「その同期は、不動産登記のプロフェッショナルの道を歩んでいる」と言った方がいいのかもしれません(笑)。

「ブログに書いてもいいよ。」と言って頂けたので、お言葉に甘えて今日のネタにさせてもらいます。

わざわざ、うちに電話してくる訳ですから、想像通り、内容は当然商業登記。ちょっと変化球っぽい支店登記の案件でした。

話が長くなりそうなので、つづく。

(さらに…)

2005年11月17日

保管証明書で苦労してます。

昨日のつづき。保管証明書についてちょっと補足します。銀行の株式払込金保管事務委託には、銀行によって、その事務がまちまちです。行内にあるマニュアル通りの必要書類の提出がないと、取り扱いできないとかが普通だったりします。原始定款に盛込めば、その書類はいらないだろうと思われる書類も「それがないと困る。」なんて言われたりします。お客さんは、私と銀行の間で困ったりするケースが良くありました。(今は、敢えてマニュアルに記載されている書類をわざわざ準備したりしてます。。。)

平成13年に「額面株式制度」が廃止されましたが、しばらくの間、株式払込金保管証明書に思いっきり「額面」の文字が残ったままだったりしていましたから、こんな事務でも仕方ないと諦めていました。

司法書士も不動産登記のお得意様である銀行に、文句を言えないのが普通でしょうから、こんな状態が長く続いてしまったんでしょう。しかし、これもあと半年ばかりの辛抱。

発起設立だと、万が一、類似商号に引っかかると定款再認証となりますので、そういう部分でも募集設立は使える手段だったのですが、類似商号の規制もなくなり、こういった心配もなくなりますから、半年後は募集設立・株式払込金保管証明書とはおさらばです。(でも、どうしても募集設立もあるのかなあ。。。)

2005年11月16日

募集設立はなくなるかもね

新会社法の施行が近づきつつあります。現行の商法下で、今やっている業務のひとつひとつが「これも新会社法でなくなるなあ。」と思いながら働いています。先日ご紹介した「類似商号の規制」「共同代表」「商号の仮登記」もそうですが、設立時の銀行の発行する出資払込金保管証明書もそのひとつ。(有限会社そのものがなくなる訳ですから、当然といえば当然ですね。)この事務に関して、銀行の対応に日々???!!!と思いながら、働いていますから、正直ほっとしています。手数料もかからなくなりますし、資本金が長期間拘束されることもなくなりますので、お客様にとってもいいことだらけです。

出資払込金保管証明書に対して、株式払込金保管証明書は募集設立の場合のみ存続することになります。発起設立の場合、実印の押印・発起人の印鑑証明書の手配などがありますから、出資者が多いと募集設立を選択したりしてましたが、手数料・資本金の拘束などを考えると、無理にでも、発起設立を選択するケースが増えてきそうです。そもそも最低資本金1000万円(有限会社は300万円)もなくなりますから、設立日に代物弁済などの奥の手もやらなくても済むかもしれません。となると株式払込金保管証明書も見かけなくなりそうですね。

開業当初、今となっては、笑い話になってしまいますが、無理に発起設立する方法が思いつかなく、発起人30名からなる会社を設立したことがあります。実印の押印に数週間かかり、あげくには、定款の契印するスペースが足りないと本気で悩んだバカな時期がありました(爆)。

用語説明を省略してしまって、一般の方にはわかりにくい内容になってしまいました。

2005年11月15日

危うくアウト

昨日のつづき。先日、港区のある会社(仮にX社)が商号を変更したいと言ってきました。変更後の商号は株式会社ABCコーポレーション(仮)。類似商号の調査も終え、株式会社ABCコーポレーションの類似に該当する会社がなかった事、と同時に新商号である株式会社ABCコーポレーションの代表印も作ってもらうように担当者にお伝えしました。必要書類も一通り準備できました。ここまではいつも通り。

後日、同じ担当者から、その関連会社の本店移転(渋谷区から港区)の依頼がありました。「移転はまだ先の話なんだけど、ついでに準備してもらおうと思って。」いつものように、「FAXで新住所と、その会社の謄本を送って下さい。」とお伝えし、FAXを待っていました。暫くして送られてきたFAXを見ると、どうやら先日の株式会社ABCコーポレーションと同じビル・同じフロアに移転するようです。と、ここまでは良くある話。

「?」謄本見てどこか見覚えが。そうです。移転してくる会社は「株式会社ABCコーポレーション」、慌てて担当者に連絡を取りました。幸いX社は株主が1名。結局X社には、別の商号に変更してもらう事にしました。先方からの本店移転の連絡が遅かったら、ややこしくなる所でした。

P.S.
こんな類似商号の規制も清算中の会社には、適用がありません。ずっと前ですが、偶然、官報を見て、嫌なかんじの公告を見た事があります。ピンと来る方だけピンと来て下さい(笑)。