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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2005年07月28日

MBOって何? 後半

昨日のつづき。MBOはManagement Buy Outのことで、経営陣による企業買収のことだと説明されてもピンとこないと思いますが、上場していない中小企業を例にとると理解しやすいかもしれません。中小企業の中には、その企業の株式の100%を一人のオーナーが所有しているケースも珍しくありません。そのオーナーが社長となっている場合もありますが、中にはそのオーナーに雇われているサラリーマン社長もいます。このサラリーマンである経営陣がオーナー社長から株式を買い取るのもMBOの一例です。企業の跡取がいないオーナー社長が老後の生活のために、信頼できる番頭であった専務に株式を譲渡する「のれん分け」のパターンなどはMBOを理解しやすいかもしれません。

ワールドの場合は、現在の経営者が株式の買収主体となる会社をつくり、その会社がTOBをかけるという段取りです。公開されている株式ではありますが、TOBが成功すると当然に非公開株式となります。

そもそも株式公開の大きなメリットは何だったのか?当然資本市場からの資金調達にあります。資金調達の必要性が低く、ワールドのような知名度があれば株式を公開する必要もないかもしれません。非公開となれば、短期的な見方しかしない物言う株主もいなくなり、ゆったりと長期的な経営戦略を練れるようになります。

物言う株主に振りまわされ、買収の脅威に晒されている企業にとって、あえて株式を非公開にするという選択肢は「あり」なんじゃないですかね。

追伸
これから第一ブロック新旧支部長の引継ぎ会です。行って来ます

2005年07月27日

MBOって何?

会社は株主のものであり、株主の中でも物言う株主が当たり前となってきました。企業が株主を大切にする最近の傾向は決して悪いものではありません。しかしながら物言う株主は基本的には短期的な利益を追求する株主であり、彼らにとって中長期的な会社経営には興味がないという歪みが生じてきたのも事実です。一部の企業の中には、中長期的な視野を持ちやすい自社製品のファンである一般株主を増やし、長期的に株式を保有してもらおうというところも出てきました。

このような短期的な利益を追求する株主の目を気にしながら、中長期的な経営も実現していくという経営者にとって非常に困難な状況でありますが、そんな過酷な状況から脱出する企業が出てきました。

アパレル大手のワールドです。MBOというM&Aの手法を使います。新聞にMBOの文字が突然溢れ、「MBOって何?」と思われる方もいらっしゃると思います。MBOはManagement Buy Outのことで、経営陣による企業買収のことです。企業再生や中小企業の「のれん分け」などに利用されてきた手法です。

つづく。

2005年07月26日

台風接近中

今日は、支部の仕事をしているうちに1日が終わってしまいました。
台風7号が関東に接近していますので、今日は早めに帰ります。失礼します。

2005年07月25日

不良客

土曜日関東地方で地震がありました。夕方友人数名と集まる約束があったのですが、鉄道はひどい有様で、集合するのが大変でした。災害に弱い東京を再認識です。
さて今日はちょっと風変わりな『不良客』について。

司法書士も基本は客商売ですから、原則は「お客様は神様」なのですが、『不良客』と呼ばれる方々もいらっしゃいます。株主総会が開催され、そこで登記事項(中小企業の場合、役員変更登記が中心ですが)が発生した場合、変更が生じた日から2週間以内に登記しなければならない事になっています。この手続を怠っていると過料の制裁がありますので、役員の任期を管理して、登記しなければならない時期が来たらお客に通知したりしています。通知を受取ったとしても、不良客はこのルールを守ってくれません。数年間ほったらかしも珍しくありません。

またあまりにルーズな不良客の場合、担当していた司法書士との関係もうまく行っていない場合が多く、「前回はどこの司法書士に(登記の)お願いしたのですか?」と聞くと黙り込んだりします。挙句の果てには「あの事務所はダメだ。」等と悪口を言い始め、「代書屋」「代書屋」を連発します。

以前ご紹介したと思いますが、差別的に司法書士を「この代書屋風情が」と呼んだりするようです。私個人的には、「代書屋」と呼ばれても平気ですが、あそこまで「代書、代書」と連呼されると、さすがに気を悪くします。

そして必ず、登記簿には怪しい影が(笑)。以前担当していた司法書士に見放されるのも分かるような気がします。商法上のルール以前に社会的な道徳の問題ですね。

2005年07月22日

当番司法書士

いや〜、今日は久しぶりに裁判ネタ。司法書士が簡易裁判所の代理権を取得し、裁判所の法廷に立てるようになって2年が経ちました。しかしながら元々簡易裁判所の事件ですから(訴額も140万円まで)、報酬も登記に比べて低かったり、また期日が決まっているため、その期日に不動産の立会いが入ってしまう可能性が高いと中々受託できなかったり、また登記中心の業務以外は不慣れなため、積極的に関与したくない等の様々な理由で「簡裁の代理権はあるけど、代理人にはならない」司法書士が多いような気がします。もちろん積極的に頑張っておられる司法書士もいると思いますが、やはり少数です。

そういう状況ですから、いざ代理人として法廷に立ってくれる司法書士を一般の方が探すのは難しそうです。ましてや「明日法廷に出てもらえますか?」という切迫した方の要求に答えられる司法書士を探すのは至難の技です。

そこで東京司法書士会は全国の司法書士会に先駆けて『当番司法書士』なるものを設けることとなりました。簡易裁判所の被告となり切迫した消費者のため、法律相談をしたり場合によっては訴訟代理人となる制度です。一般の方がよりアクセスしやすい環境を整えてあげれそうな『当番司法書士』。今後の活躍に期待したいと思います。