2004年12月21日
任意後見契約における情報量の差
今日はちょっと思った情報量の差についてです。無料法律相談を始めとして色々な場面で任意後見について説明することがあります。身寄りがいなかったり、いたとしても遠方に住んでいたりしているような人って結構いるもんです。そんな人が自分の老後を心配するのは、当然のことです。「自分がボケてしまったら、どうしよう?」そんな不安を解消するのが、任意後見です。自分の判断力がしっかりしている段階で、ボケてしまったりした場合の対策や死後の事務(葬儀の手配、埋葬など)を決めてしまう訳です。
自分の判断力がしっかりしていると言っても、老後の心配をするのは、ほとんど高齢になってからです。本来は「様々な場面において、任意後見契約等を締結するとどうなるか?」を慎重に吟味してから契約すべきでしょう。また、契約上の疑問点があれば、事前に良く相談すべきです。しかし、ほとんどの一般の方は成年後見の事情に詳しくありません。高齢者にとって、大量の契約書を前にすると、契約の条項を1行1行確認していく作業は、かなりつらいものになります。
任意後見契約は一般人と司法書士などの法律でメシを食ってる専門家との間で結ばれます。当たり前ですが、一般人と司法書士とでは今から契約する内容についての理解力、成年後見分野の知識力には、圧倒的な情報量の差があります。その差を埋めるために、何度も司法書士と面談を繰り返すのでしょうけど、正直、高齢者だと厳しい気がします。
まだ若いうちに老後や死後の事を考える人は少ないかもしれませんが、圧倒的な情報の差を少しでも埋めるには、「まだまだ働ける。」と思っているくらいがちょうどいいのかもしれません。高齢者に大量の内容を根気良く説明しながら、そんな事を考えたりしていました。