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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2004年07月22日

法廷デビューの道 その11

相変わらず港の法務局は混んでます。7月1日に申請した分がやっと上がってきました。一旦申請してしまうと、後は法務局次第です。司法書士がどう足掻いても、登記は早く終わりません。私を急かしてもどうにもなりません。ご理解下さい(笑)。
もったいぶった昨日のつづき。
「誰から?」
「裁判所からみたいです。」
「うそ!まじ?答弁書?」
「そうみたいです。」
とうとう送られてきました。
「答弁書は手書き?ワープロ打ちしてある?」
なんでこんなことを聞くかというと簡易裁判所での裁判は本人訴訟が大半です。代理人(弁護士や、もしかしたら認定司法書士)が就いたのであれば、答弁書も当然プロ仕様のワープロで清書してあるはずです。
「手書きです。」
「あっ、そう。手書き。。。」相手は素人確定です。ちょっと安心です。「じゃあ、こっちに送ってよ。」答弁書が送られるのを待つことにしました。
送られてきた答弁書を見ると、簡易裁判所に備え付けの書式に手書きで書き足したものでした。普通の答弁書では「請求の趣旨に対する答弁」とか「請求の趣旨に対する認否」とかを記載しますが、簡易裁判所に備え付けの書式では、一般の方に解り易いように「紛争の要点(請求の原因)に対する意見」「その他私の意見」などを記入する欄があります。
書いてある内容を読んで見ました。
つづく。

2004年07月21日

法廷デビューの道 その10

昨日はテンション低めの内容で失礼しました。体調はどうにか整い、精神的にも復活しました。昨日の日誌を読まれた方は、いつもと違うテンションに戸惑われたのではないでしょうか?こちらは完全復活してますので、ご心配なく(笑)。
さて気を取り直して、法廷デビューの道のつづきです。
訴状の送達は無事できたようですが、期日が迫っているのに相手方から答弁書が届く気配が一向にありません。期日は7月15日だったのですが、12日、13日とその日が近づいてきます。答弁書も出なければこっちのものですが、どうなっているか不安です。
そうこうしてる間に7月14日になりました。先週から引いている風邪のせいで体がだるく、熱もあるので、思いきって事務所を休むことにしました。期日に風邪で休んでしまったら、訴訟代理人失格ですからね。
ゆっくり休みたいところですが、事務所から電話はかかってきます。(平日ですからね。)起きたついでに、次の日の待ち合わせを含めてたーさんに連絡しました。ちょっと早めに待ち合わせをして、ゆっくり昼食を取ることにしました。この分では、裁判が終わった後、一緒に飲みに行くのは無理そうです。
夕方になり、そろそろ事務所を閉めようかな?と思って、事務所に連絡しました。その日の報告を聞き終わり、「じゃあ、今日は事務所閉めて。」と言おうとした時、「FAXが来ました。」との報告がありました。
つづく。

2004年07月20日

後見人の仕事

3連休中にあったお話です。(あくまでもフィクションです。以下の記述は事実と異なる部分があります。)今回は長い話ですが、本当に面白い話ではないので、興味ない人は読み飛ばして欲しいと思います。
毎月月初めは成年後見の日という話で何度か過去に説明させて頂いた事があったかと思いますが、司法書士の通常の登記以外の仕事に成年後見という分野があります。リーガル・サポートの法人後見委員会などの話も過去にしておりますので、私がこの分野のお仕事をやっているのはご承知だと思います。
先週よりの風邪で体調がいまいちの私は、この3連休で体を休めるつもりでした。そんな連休初日のことです。1本の電話がかかってきました。
「もしもし、鈴木さん(仮名)の後見人の原田さんですか?こちら警備会社○○○○の○○です。」
「はい、原田ですけれど。」警備会社からの電話でしたので、なんだろうと思いました。
「実は鈴木さんがご自宅でお亡くなりになりました。」
「えっ?。。。」
「鈴木さんがご自宅でお亡くなりになりました。」
(まさか。。。)あまりに急なことに頭の中は真っ白になりました。鈴木さんとは、2週間程前にもお会いしたばっかりです。
聞くと警備システムが作動したので、自宅に出向いた所、倒れている鈴木さんを発見したそうです。私が鈴木さんの緊急連絡先になっていたので、すぐに私のところに電話したとのことです。
「すぐ行きます。」そう言って電話を切りました。
頭の中はまだ真っ白です。この連休は風邪なのでゆっくり休養するとかは、もはやどうでもいい話です。混乱しながら、慌てて着替えて出かけました。現場に到着すると数台のパトカーが停車していました。
何度かお伺いした鈴木さんのご自宅の玄関には、たくさんの靴が乱雑にありました。警察の方が大勢います。
「鈴木さんの後見人の司法書士の原田です。」
「ああ、助かりました。」先頭で指揮を取っていた警察の方が、私を見てそう言いました。
現場のことは、あまり書きたくないので省略させてもらいます。
(2週間程前にも会ったばっかりなのに。2週間程前はお元気だったのに。)そんな言葉が頭の中をグルグル回ります。ついこの間までお元気だったこと。後見人として自分はちゃんと仕事ができていたのか。十分に鈴木さんのことをみてやれていたのか。もっと色々やれたんじゃないのか。頭の中をグルグル言葉が飛び交います。
1年以上のお付き合いです。親戚のおじさんよりも、ずっと会ったりしていた関係です。数日間最後の仕事のつもりで、バタバタしてました。緊張していたのか、混乱していたのか、不思議と悲しくありませんでした。一番始めに後見契約した時に、いずれはこの人とも別れる日が来るのだろうとは思っていました。仕事上でのお付き合いなので、葬儀に出ても涙なんか流さないのかなあ。と思っていました。
(中略)ずいぶんと時間だけが経過しました。
やっと落ち着いたので、お線香をあげさせてもらいました。
手を合わせながら「鈴木さん、こんな俺で良かったですか?こんな俺で良かったですか?」と何度も問いかけていました。
職業としての後見人。商売としての後見人。死に直面しても涙も流さず、淡々と仕事をする後見人。
でも、日誌を書いて、こうやって、落ち着いて思い出すと、突然悲しみが湧きあがってきます。こういう業務は私には向かないのかもしれません。
鈴木さんのご冥福をお祈りします。ゆっくり休んで下さい。

2004年07月16日

法廷デビューの道 その9

おとといは風邪で事務所をお休みしましたが、これも昨日が裁判の期日のためでした。急に「代理人は風邪で法廷に来れません。」という事態だけは避けようと思いましたので、念の為にお休みした次第です。
ずいぶん間が開きましたが、法廷デビューの話のつづきです。
前回は、裁判所に請書を送ったところまで書きました。基本的にはこれで一応OKなのですが、訴状がちゃんと送達されるかという微妙な問題があります。今回は相手方は会社なので、訴状も当然登記簿上の住所地に送ります。ところが相手方の会社は本店の住所を移転しておりました。(登記はしていない。)
会社の本店が変わったら、当然2週間以内に本店移転の登記をしなければなりませんが、この本店移転、結構費用がかかります。管轄外の本店移転(例えば港区から中央区)の場合、登録免許税だけでも6万円かかります。住所が変わっただけにしては、結構高いんです。司法書士報酬まで合わせるとすぐに10万円かかります。商売繁盛している会社ならともかく、そうでない場合は登記をしないこともあるようです。
郵便物の関係で郵便局に届出ていれば、郵便物は1年間転送されます。今回はその転送期間だったようで、その数日後裁判所に問い合わせしたところ「送達されてます。」とのお返事がありました。送達されなければ、公示送達など面倒な手続を踏まなければなりませんでしたので、まずは一安心です。
つづく。

2004年07月15日

架空請求−解説2

またまたつづきです。昨日は風邪がぶり返し休んでしまいました。ご迷惑おかけします。お詫びの意味も含めて早めにアップします。
5 「執行官による給料差し押え」これも本当っぽいですけど、債権執行の執行機関は執行官ではなく執行裁判所です。給料の差し押さえに執行官は出てきません。
6 「動産物差し押さえになります」これもありそうですけど、動産の差し押さえという用語はあっても「動産物の〜」は言葉として使わないですね。素人用語です。
7「法務省より営業を許可された正規の債権回収業者様」これもありそうでありません。法務省の名前があると本物っぽく見えるんでしょうかね?一応サービサー法の説明なんでしょうけど、許可は法務省ではなく、法務大臣です。それに許可を受けた債権回収会社が回収できる特定債権に「情報通信料金」は含まれません。
8 「正規の債権回収業者様へ委託を致し、ご自宅への料金の回収にお伺いさせて頂きます。」とありますが、そもそも委託できません。それに「ご自宅への料金の回収にお伺いさせて頂きます。」と迫力ある文面ですが、正規のサービサーがこんな回収やってしまったら、法務大臣の許可がなくなります(笑)。
と一見すると本物っぽいですけど、良く読むと内容は『大ウソ』です。いくつわかりましたか? あとこの手の手紙の特長としては、連絡先が携帯電話のものはそれだけで十分怪しいです。会社の住所が架空のものも多いようですから、市区町村役場で確認するとウソが分かります。またその住所地では、使用されない局番の電話番号の場合もあります。NTTに聞けばすぐ分かります。などなどウソを見破る手がかりはいっぱいありますので、要注意です。一度払ってしまった人(騙されやすい人)のデータは業者間でさらに活用されてしまうようです。基本は無視すること。こちらから絶対連絡しないこと。騙されないで下さいよ。