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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2004年05月25日

相続放棄のトバッチリ

ちょっと昨日のつづき。相続財産の内訳で負債が多い場合は、相続放棄という手がありますよ。ってのが昨日の話です。確かに相続放棄すれば、とりあえずあなたは大丈夫ですが、トバッチリを受ける人が出てきます。
例えば父、母、子供であるあなたの3人の家庭で、お父さんが亡くなると、相続人は奥さん(母)、あなたの2人となります。お父さんが借金まみれだと、相続人である母とあなたは相続放棄して、難を逃れる事ができます。そうするとこのお父さんの相続人はお父さんのお父さん(あなたのおじいちゃん)とお母さん(おばあちゃん)になります。高齢で祖父母が既にお亡くなりになっていると、相続人は父の兄弟姉妹(あなたのおじさんやおばさん)になります。おじさん・おばさんが既に亡くなられていると、その子供(あなたのいとこ)が相続人になってしまいます。いとこからすると、あなたがいる訳ですから、まさかあなたのお父さんの相続人になるなんて考えた事もないと思います。でも第一時的な相続人が相続放棄してしまうと、第二・第三順位の相続人に相続権が回ってきます。
借金を背負いたくないのであれば、次々に相続放棄しなければなりません。先程の案件で相続人がいなくなったらどうなるのでしょうか?借金を背負ってくれる人がいなくなってしまいますから、借金取りは諦めるしかなくなります。
場合によっては、相続財産管理人や特別縁故者が登場する事もありますが、上の説明を理解してもらえば、十分です。
ちなみに、プラスの財産があるのに、相続人がいないとどうなるかというと、国庫に帰属します。(例外は上記特別縁故者等)

2004年05月24日

相続放棄

休日ずっと寝たきり状態でした(笑)。土曜日なんかは「起きたら夕方。」でした。相当疲れが溜まっていたようです。しかしおかげで元気を取り戻しました。今週もよろしく。
と、なんとなく復活したところで、今日は相続放棄のお話。
「あなたは相続人です。」と聞くと大抵はいい話です。まして自分の知らない人の相続人となると、まさに『笑う相続人(既出)』です。でもなかなか笑ってばかりはいられないケースもあるようです。
お亡くなりになる方は皆さんプラスの財産を持ってる方ばかりではありません。借金まみれでお亡くなりになる方だっています。よくある悪徳金融マンガだと、「おまえのおやじの借金、当然おまえに払ってもらうからな。」なんて事をいう借金の取立て屋が出てきそうです。
基本的には、相続人は被相続人(死んだ人)の財産を引き継ぎます。この財産には当然プラスもマイナスも合わせて相続します。ですから、マンガに出てくる台詞もあながち間違いではありません。しかし財産を調べてみると断然負債のほうが多い場合は、相続開始したのを知ったときから3ヶ月であれば、相続放棄ができます。3ヶ月の猶予期間は、その間に財産を調べて、相続するか放棄するか決めなさいという期間です。
実際に放棄する事になったら、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に放棄の申述書を提出すればOKです。
「おまえのおやじの借金、当然おまえに払ってもらうからな。」と言われても慌てず、相続放棄して下さい。

2004年05月21日

債務名義 その3

忙しくて疲れ果てています。脳の活動が今の状態で、日誌を書くのは医師に止められそうです(笑)。
ネタを考える気力は、もはやないので、素直に昨日のつづき。
裁判に勝っても強制執行をやらなくてはいけないとなると、簡裁で本人が頑張って訴訟を行ったとしても、また負担になります。傍聴した時の裁判官も債務名義があるだけでは、何の役にも立たないとしっかり説明していました。100万円を一括で支払えない場合に、分割で支払うように和解する手もあります。結局この和解の内容も債務名義になります。(分割の約束を破ると、残額に対して強制執行できます。)
分割でもお金が少しずつ返してもらえれば、強制執行しなくて良いので、本人訴訟の場合は判決もらうよりいいかもしれません。裁判官が債務名義の意味やこのあたりの事情を説明していましたが、原告ご本人が言葉の意味を理解できず、危うくわざわざ強制執行しなくてはいけない判決を言い渡されるところでした。
でも「ここまでやっても、もし相手がお金を持っていなかったら。。。」
被告がお金を持っていれば、裁判やって債務名義をもらう意味もあります。しかし相手にお金がないと、債務名義をゲットし、強制執行しても1円にもならない場合だってあります。ですから、本当に相手に100万円を貸していたとしても、相手にお金がなかったら裁判やるのは無駄。裁判に費用をかけて、債務名義をいう紙切れを手に入れて終わりになってしまいます。
起承転結も何もありませんが、疲れ果てているので、ここでお終い。土日でなんとか回復したいと思います。

2004年05月20日

債務名義 その2

債務名義のつづき。
債務名義って内容は、一般の方からすると興味ある分野に思えなかったので、さらっと軽く説明して終わりにしようと思っていたのですが、掲示板に「久々に興味を持って待ってます(笑)。」と書かれてしまった以上、ちゃんと書かなくてはいけなくなりました。でも「久々に」は余計ですけどね(笑)。
先日紹介した民事執行法に定めてある債務名義ですが、一般的には「判決」「執行証書」「和解調書」「調停調書」のことだと思ってもらっていいと思います。
「判決」「和解調書」「調停調書」は裁判所が関与しないと手にい入りませんが、「執行証書」は公証人役場で手に入ります。
条文では「金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの」と記載されていますが、簡単に言うと「○月○日までに100万円払わなかったら、強制執行されても文句言いません。」という内容の公正証書を公証人に作ってもらったものです。業界では「公正証書を巻く」と言います。ちょっとおっかないイメージがします。
だから相手が納得してくれれば、裁判をやらなくても、公正証書を作成してもらえば、それで済んでしまいます。でも相手が簡単に協力してくれないから、裁判という選択をするのです。裁判に勝って債務名義をもらっても、それで貸した100万円はまだ手に入りません。債務名義があっても、負けた相手が100万円を任意に支払ってくれなければ、結局強制執行の手続しなくてはいけないのです。中にはご自分で強制執行の手続をする奇特な(失礼かな?)方もいますが、多くは弁護士にやってもらいます。当然また弁護士費用がかかります。
つづく。

2004年05月19日

人生相談

債務名義のつづきを書きたいところですが、司法書士会館で無料法律相談の相談員でちょっとクタクタです。有料の法律相談であれば、このような問題は無いのかもしれませんが、無料相談となるとなんでもかんでも、とりあえず相談してしまおう。と考えられる方が多いようで、法律相談というより、むしろ教会の牧師との相談、まさに人生相談のようになる方も多いようです。
私は「みのもんた」ではありませんから、この手の相談にはうまく対応しきれません(笑)。無料相談という事で、泣き寝入りしないように暖かい手を差し伸べることは必要だと思いますが、実際手におえないケースもいっぱいです。
与えられた3時間ずっと相談を受けていましたが、法律っぽい話はあまりしなかったような気がします。
債務名義はまた明日。